ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

授業の方法

ドイツ語の先生はこの先生きのこれるのか?

半年くらい下書きを続けてきた記事をまとめました。*1私たち語学教員はどんな状況に置かれていて、今後どうなっていくのでしょうか。昨今の状況を参照しつつ、考えたことを書いておきます。 今学期もドイツ語は超少人数 昨年も話題にしましたが、勤務校では…

iPad mini+Apple Pencilで授業ノートを管理する

授業ノートってどうやって管理したらいいのだろうか? A5ルーズリーフに落ち着く Apple Pencil、買ったけどあまり使ってなかった iPad Proってやや大きい iPad mini+Apple PencilでGoodnotesを使いこなす Goodnotes5をどう使うか 1)科目ごとにノートを…

滑り止めの大学に入ってしまったらどうするか

毎年いる、俺はこんなレベルじゃないという学生 私の勤務先は、毎年全国有数の受験者数を集めています。もちろん全国1位なのは延べ人数で、実数はそんなに多くないとはよく言われています。それでも、この大学をとりあえず受けておこうと思う受験生はたくさ…

学生が間違いやすいドイツ語文法総まとめ

ドイツ語総合4におけるプレゼンテーションの課題 私が担当する2年生のクラスでは、最終回に会話文の作成とプレゼンテーションのテストを行いました。前期の内容を以前紹介しています(下リンク)が、後期も同様に、必ず使う文法事項を指定し、それを含む10…

文学テクストを使ったドイツ文化講義のその後

紀要論文ができました 2016年春頃に数回に分けて書いていた、講義科目についての記事ですが、その後学会で発表したものをさらに加筆修正して紀要に投稿しました。 ci.nii.ac.jp 今回の原稿は、正しくは論文ではなく、授業実践報告という扱いです。しかしどう…

教科書を作ってみた

単著の教科書が出ます 朝日出版社から、2019年度春に、大学初学者向けドイツ語教科書を刊行することになりました。ようやく見本ができました。 タイトルは『ミニマムドイツ語』です。表紙にはドイツ語タイトル(Sei fröhlich! Deutsch für Anfänger)が入って…

私たちの生活を変える商品とは?

基礎ゼミ2は文献購読と発表 経営学科の1年生のゼミの授業を担当しています。毎年基礎ゼミでは、ディスカッションや発表の仕方、ディベート、リーディング、そしてレポートを書く練習などをしてきました。今年は後期の基礎ゼミを履修する学生が非常に少ない…

アクティブラーニング教室でのプレゼンテーションの試験

いよいよ前期が終わる 大雨での休講が途中に入りましたが、なんとか今学期も15週目まで終えることができました。 以前の記事にも取り上げていた、アクティブラーニング教室での授業ですが、だんだん私も学生たちも要領がわかってきて、グループワークを中心…

新しくなったテレビと気散じ状態での視聴について

引っ越しに伴い、古い家電をいくつか買い換えた この一週間は、妻が海外出張で不在だったのですが、とくに羽を伸ばして何かするわけでもなく、毎日仕事をして、夜は新居の片付けばかりして過ごしておりました。 今回の引っ越しに際し、古い家電をいくつか買…

アクティブ・ラーニング教室に最適なイレーザーはどれか?

ホワイトボードの教室が増える 以前の記事にも書いたように、今年度から、チョークと黒板を使う教室がほぼなくなり、ほとんどの授業がホワイトボードになりました。経営学部でのドイツ語の授業は、定員20名くらいの部屋と、定員50名くらいの多目的アクティブ…

アクティブ・ラーニング教室を使った授業で何ができるか?

進化する経営学部、アクティブ・ラーニング室を開設! 私が務めているのは、本学の看板学部の一つ(ほかには理工学部が昔からあります)でありながら、いちばん校舎がボロい経営学部です。田舎のデパートのような天井の低い造りの古い建物には、上りのエスカ…

身近にあるドイツ語とは?

一年生クラスの課題:身近なドイツ語を探そう 以前職場のFD発表会で、韓国語の先生から授業実践のお話を聞きました。そのときに、いくつか紹介していた授業内の活動で、ぜひとも取り入れたいと思ったのが、身の回りにある韓国語を探すというワークでした。 …

授業に何を持っていくか?

授業用のポーチを紹介します いつも教科書やプリントとともに授業に持っていく筆記用具などを、ポーチに入れて持ち歩いています。ペンケースではなくポーチを使うようになったのは、たしか滋賀県立大に通うようになったころからだったと思います。カバンをリ…

超少人数クラスで教えています

超少人数クラスでの授業のイメージ 教務委員の4月はたいへん 新学期が始まって2週目が終わりました(木曜日スタートなので、19日から3週目です)。この時期、私たち各言語の教務委員は、あちこち教室を回ったり、事務室や講師控え室に行ったりと、忙しく過…

助手だったころを思い出す

2009年から3年間京都精華大学の嘱託助手でした この春から、今の職場で准教授になりました。国立大学などでは、採用時から准教授というのが(私の年齢くらいだと)あたりまえですが、私の職場では、特任講師で採用後、2年すぎると専任講師、そこで業績をつん…

ドイツ語教科書の舞台はどこなのか?

新しい学期、新しいドイツ語教科書 新学期が始まりました。今年も新しい教科書で授業が始まります。 毎年秋から新学期ごろまで、教員のデスクや本棚には、教科書が山のように積み上がります。 自分の授業で使う教科書も数種類あるし、同学年でも学部ごとに違…

4コマの教育への活用法

先日の期末試験 大学教員の皆さんは、今月まで学期末試験の監督や採点、成績登録等、学年末の業務に追われていたことと思います。私も本務校と非常勤合わせて、8コマ分のテストがありました。しかし、専任教員の場合、自分のクラスに加えて他の大講義室講義…

泣き落としは絶対にダメ

日頃学生に対して怒ることはありません 大学で教えるようになってそろそろ10年くらいになります。 どの大学でも、いろいろな学生がいますが、基本的に学生を叱りとばしたり、怒鳴りつけたりすることはありません。大学院生の頃の塾講師バイトでは、「子供を…

非常勤講師の思い出

熊谷、神戸大やめるってよ 2015年度からお世話になっていた神戸大学の仕事を今年度いっぱいで辞めることにしました。3年間、医学部保健学科、工学部、農学部、海事科学部などで共通教育ドイツ語の1年生クラスを担当してきました。しかし、昨年度からクオー…

何度習ってもよくわからない人のためのドイツ語発音入門

*イメージは実際の発音と関係ありません 妻がドイツ語を覚えない ときどき妻が「これなんて読むの〜?」とドイツ語の単語をてきとうに読みます。そのたび、これはこう読むんだよと教えていますが、いっこうに覚える様子がありません。フランス語を長年学ん…

形容詞の格変化を理解する 格変化総まとめ

初級ドイツ語の山場 形容詞の格変化 今学期の前半は、本務校、非常勤先両方のクラスで、形容詞の格変化を教えていました。ここは、いわばドイツ語初級文法の一つの山場です。一年生のドイツ語授業で、このへんからわからなくなる人が続出するところです。2…

人称代名詞の格変化と所有冠詞の区別について

新シリーズ、ドイツ語初級文法のわかりにくいところを解説する その1 以前書いた、所有冠詞と2格の区別についての記事が非常に好評だったので、ほかにも学生を教えていていつもなかなか理解してもらえないな、と思う文法事項について、かなり初歩的に説明…

小作文を取り入れた授業

ブログ更新をサボっている間に 前回の記事から三週間くらい更新が滞っていましたが、この間に2回台風が来て、1日授業が休講になり、トレイルランニングの大会が中止になって、分担者として三件の科研費申請を行い(ほとんど手出ししてませんが)、学園祭で6…

2格と所有冠詞と「の」

多くの学習者がつまづきやすいポイント ドイツ語教員として仕事をし、ドイツ語を教えながら気づいたことを書くことが目的のこのブログですが、これまでは、ドイツ語の学び方や文法の仕組みについての記事を書くことはありませんでした。 私自身は文学と思想…

日本独文学会でドイツ文学講義について発表しました

独文学会で発表しました 9月30日から10月1日まで広島大学で行われた日本独文学会に参加してきました。 今回は、「語学教育の方法を生かしたドイツ文学講義の試み—教養科目でどのように文学を取り上げることができるか—」と題して、ブース発表を行いました。…

ノート屋さんという商売がなぜ成り立つのか?

ノートを売り、買うということ 妻がAノートというサイトを発見しました。 www.anote.jp 立命館大学で生命倫理(前期)を、近畿大学でジェンダー学(後期)を教えている妻ですが、先日、立命館でのテスト前に、ツイッターか何かでAノートというサイトを見つけ…

中間テストをどうするか?

6月は中間テストの季節 マラソン大会に出かけていた先週、ちょうど各大学で中間テストや第一クオーターの期末テストが行われていました。 神戸大学ほかいくつかの国立大学では、現在は前期後期を2分割するクオーター制が導入されており、実質的に第一クオ…

Keynoteから配布資料を作成する

新カテゴリー、「授業の方法」 また新しいカテゴリーを作りました。 「ドイツ語の授業」というカテゴリーをひそかにつくって、これまでの授業関係の記事をまとめていましたが、考えてみるとドイツ語だけでなく、異文化理解の講義もやっているので、そちらも…

箱買いしたチョークの今後

11号館での授業にチョークを忘れる。 木曜日は一週間で唯一の、11号館での授業です。11号館とは、去年冬まで私の研究室があった、旧近大付属高校の建物と教室をそのまま利用した校舎です。おそらく現在使われている学内の校舎の中では、1、2を争う古さでし…

アクティブ・ラーニング型初級ドイツ語教科書についての挫折と成果

思いっきり不評だった教科書 昨年選んだ、アクティブ・ラーニング型の教材が非常に不評でした。自分としては、いろいろ考えて選んだはずだったのに、多くの非常勤の先生方には、いい本と思ってもらえなかったようでした。私が何を期待して教科書を選んだのか…