ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ドイツ語文法入門

二年生向けの教科書ができました

新しい教科書ができました! 朝日出版社さんから、新しい教科書『ミニマムドイツ語・レーゼン』を刊行することになりました。 text.asahipress.com 11月初めに大学の先生方向けに見本をお送りしております。 今回は、この教科書をつくるまでの経緯、どのよう…

Mac Studioが届いた!開封レビュー

今週のお題「人生で一番高い買い物」 人生で一番高い買い物はマンションですが、最近買った高いものが、先週届いたMacStudioです。 これまでは、2019年の秋に買ったMac miniをカスタマイズして使用していました。 schlossbaerental.hatenablog.com ねじを落…

YouTubeで白猫ドイツ語講座を始めました

新学期、授業動画を作らない日々 2020年から、相変わらずコロナ禍は続いていますが、大学のほうは徐々に平常に戻りつつあります。 昨年度後期は、講義科目のみオンデマンド、ドイツ語はすべて対面授業となっていましたが、今年は本務校と関西学院大学の講義…

講義動画を公開します

やっと前期の授業が終わる 鶴橋感あふれるエンディング画面。 勝手に夏休み気分で暮らし始めてそろそろ一カ月、ようやく授業期間が終了しました。勤務校の場合は、5月の連休明けからオンライン授業が始まり、13回の授業と2回の補講を実施し、夏休みとなりま…

雑誌『ふらんす』での連載が始まりました

なぜわたしが『ふらんす』に? ドイツ語教員の私ですが、白水社のフランス語学習者向け雑誌、『ふらんす』にて妻の小門穂とともに連載を担当することになりました。 小門穂・熊谷哲哉:「ドイツ×フランスお隣どうし 比較で学ぶ言葉と文化」というタイトルで…

単語を覚える必要なんてあるのだろうか?

後期の期末テストが終わって、もう1ヶ月ほど経ってしまいました。採点や成績評価は、(限界集落みたいな少人数クラスばかりなので)あっという間に終わりましたが、その後あれこれ業務が入って、考えをまとめるチャンスがなかったので、すこし時間がたって…

格って一体何なのよ?

格概念は初級ドイツ語の一つの山場 格と日本語 格と英語 4つの格の基本的な機能 1格は主語 2格は所有 3格は目的語、所有、利害など 4格は直接目的語 このほかに前置詞の格支配もある どういうとき難しいか? 所有冠詞と2格 ドイツ語の格で気をつけるポ…

ドイツ語とカタカナについて考えたこと

ドイツ語ネーミング辞典を読む 最近、『創作者のためのドイツ語ネーミング辞典』という本が刊行されました。 創作者のためのドイツ語ネーミング辞典 ドイツの伝説から人名、文化まで 作者: 伸井太一 出版社/メーカー: ホビージャパン 発売日: 2019/05/31 メ…

ドイツ語の辞書は何を選ぶか?

先日、ツイッターで私が過去に書いた辞書選びについての記事を、フォロワーの方に紹介していただきました。 tetsuyakumagai.blogspot.com この記事を書いたのは、2013年。まだ週に13コマの非常勤でドイツ語を教えていた頃です。あれから6年が過ぎ、ドイツ語…

そのミスは英語のせいなのか?—学生の答案から見るドイツ語学習への英語の干渉

テストの採点おわる 1月末の学期末テスト週間が終わり、いまはどの大学教員も採点や成績登録の作業に追われている時期です。 私は自慢ではありませんが、超少人数クラスしか担当していないので、ドイツ語のコマについてはすべて採点も成績登録も済ませていま…

学生が間違いやすいドイツ語文法総まとめ

ドイツ語総合4におけるプレゼンテーションの課題 私が担当する2年生のクラスでは、最終回に会話文の作成とプレゼンテーションのテストを行いました。前期の内容を以前紹介しています(下リンク)が、後期も同様に、必ず使う文法事項を指定し、それを含む10…

教科書を作ってみた

単著の教科書が出ます 朝日出版社から、2019年度春に、大学初学者向けドイツ語教科書を刊行することになりました。ようやく見本ができました。 タイトルは『ミニマムドイツ語』です。表紙にはドイツ語タイトル(Sei fröhlich! Deutsch für Anfänger)が入って…

身近にあるドイツ語とは?

一年生クラスの課題:身近なドイツ語を探そう 以前職場のFD発表会で、韓国語の先生から授業実践のお話を聞きました。そのときに、いくつか紹介していた授業内の活動で、ぜひとも取り入れたいと思ったのが、身の回りにある韓国語を探すというワークでした。 …

ドイツ語教科書の舞台はどこなのか?

新しい学期、新しいドイツ語教科書 新学期が始まりました。今年も新しい教科書で授業が始まります。 毎年秋から新学期ごろまで、教員のデスクや本棚には、教科書が山のように積み上がります。 自分の授業で使う教科書も数種類あるし、同学年でも学部ごとに違…

名詞の性って何だろう?

名詞の性とは? ドイツ語の大きな特徴の一つに、これまでに記事で解説してきた、動詞の人称変化や冠詞・代名詞などの格変化があります。しかし、もっと単純で、日本語や英語にはない特徴としては、男性・女性・中性という三つの名詞の性があります。 名詞の…

ドイツ語の前置詞について

ドイツ語初級文法後半のもう一つの難所、前置詞 後期には、本務校でも非常勤先でも、前置詞について教えました。前置詞は、たいていの初級ドイツ語の教科書では、後半に入っています。一年で初級文法を終えるクラスの場合は、後期の主要な学習内容に数えるこ…

動詞の変化って? 人称変化総まとめ

初級ドイツ語文法の2つの中心 人称変化とは? 変化する部分と変化しない部分 arbeitenなどの場合—すこし例外的な変化 不規則動詞 語幹の音が変わる場合 本格的な不規則動詞 sein、haben、werdenなど 学生がよく間違える点 1)語尾を不定形の後ろにくっつけ…

何度習ってもよくわからない人のためのドイツ語発音入門

*イメージは実際の発音と関係ありません 妻がドイツ語を覚えない ドイツ語として正しい発音?まずはカタカナ発音でも大丈夫 そのドイツ語じゃ伝わらない? 伝わるけど返答がわからないことが多い! 音声を利用して、カタカナからドイツ語らしい発音へとステ…

形容詞の格変化を理解する 格変化総まとめ

初級ドイツ語の山場 形容詞の格変化 今学期の前半は、本務校、非常勤先両方のクラスで、形容詞の格変化を教えていました。ここは、いわばドイツ語初級文法の一つの山場です。一年生のドイツ語授業で、このへんからわからなくなる人が続出するところです。2…

人称代名詞の格変化と所有冠詞の区別について

新シリーズ、ドイツ語初級文法のわかりにくいところを解説する その1 以前書いた、所有冠詞と2格の区別についての記事が非常に好評だったので、ほかにも学生を教えていていつもなかなか理解してもらえないな、と思う文法事項について、かなり初歩的に説明…

2格と所有冠詞と「の」

多くの学習者がつまづきやすいポイント ドイツ語教員として仕事をし、ドイツ語を教えながら気づいたことを書くことが目的のこのブログですが、これまでは、ドイツ語の学び方や文法の仕組みについての記事を書くことはありませんでした。 私自身は文学と思想…

ドイツ語の参考書を読む

まだまだ先のことになるでしょうが、ドイツ語の参考書(大学教科書ではなく、一般向けの入門書)を書けたらいいなあと思っています。やる夫やらない夫を使う教科書ではなく、ふつうに本屋さんで売っているような本を作るとしたら、どんな形が考えられるでし…

作文をどのように授業で練習するか

教え始めて7年 ドイツ語を教えるようになって、今年度で7年目です(もう40歳なので、同年代の先生方はもう少し教歴が長いはずです。私はいろいろ回り道をしていたので、すこし遅れています)。 はじめのうちは、自分自身もあまりドイツ語ができるわけではな…

やる夫と学ぶドイツ語2

今年も無事、15回の授業とテストを終えることができた。これからしばらく授業のない日々が続くと思うとやはりうれしい。しかしこのうれしい時期も、ドイツに資料探しに出かけたり、自分の研究に励んだり、マラソンの練習に打ち込んだりしている間にあっとい…

やる夫と学ぶドイツ語1

後期が始まってはや6週目。次回の小テストでちょうど半分ということになる。今期のドイツ語総合2(初級クラス)では、毎回プリントを作成し、文法事項の確認や、練習問題などを載せている。 前期の授業で好評だった、アスキーアートのやる夫とやらない夫も…