ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ウェブ授業のための授業資料の作り方をまとめました

5月からウェブ授業がスタートします

4月に入る頃までは、毎日ワインばかり飲んでだらだらと過ごしていました。年度が変わると、一気に忙しくなり、ここ数日は家にいながら、授業期間と同じように朝から晩まで仕事に追われています。

なぜ忙しいのかといえば、私の勤務先でも、5月の連休明けから前期は全面的に遠隔授業を実施することが決まりました。そのため、どのようにドイツ語のクラスを運営していくか、そして非常勤の先生をどうサポートするかといった議論が連日続いていました。

 

遠隔授業に必要なのは機材や知識ではなく、既存の技術をどう組み合わせるか

4月初めに語学の専任教員が集まって、どのように遠隔授業が可能かを話し合いました。私たち語学教員としては、zoomなどを使ったオンライン相互通信型の授業は、学生たちのネット環境に依存するし、負担も大きいということで、原則として使わないことになりました。

私たちとしては、教材と課題を用意し、学生に自学自習してもらうといういわばオンデマンド型の授業を提供することを決めました。

多くの先生方(私も含め)にとっては、こういう形式での授業は初めてです。どうしたらいいか全くわからないという先生もいれば、早々にこういう方法でいきましょうと全体の方針を決めようとする先生もいました。私たちが考えなければならないのは、語学の場合たくさんいる非常勤の先生にどのような指示をして、どのように科目全体を運営していけるかということでした。

非常勤の先生方も我々同様、たいへん不安に思っていることでしょう。他の大学では、非常勤の先生には基本的に授業をやってもらわず、専任教員が作ったビデオ教材で授業に代えるという話も聞きました。この方法だとたしかに非常勤の先生にとっては負担は少ないし、授業内容を一定水準に維持することも可能です。

しかし、共通教材を作って配布するとなると、ただでさえ苦境に立たされているドイツ語の先生方は、いよいよ不要(経営学部にかんしては、人数的には私一人で十分教えられます)と判断される恐れがあります。(あと教材を作る私の負担はものすごく増えます)ならば、なんとかしてどの先生にもこれまでのように、独自の授業を続けてもらえないか、そう思っていろいろな方法を試してみました。

私はこの10日くらいで、身近にあるさまざまな機材やソフトを使いながら、なるべく簡単な方法で、授業資料を作る方法を模索してきました。そこでだんだんわかってきましたが、動画教材を作るといっても、基本的には難しい技術や高価な機材は必要ありません。PCやスマホがあれば、十分誰でも作れます。

以下に、私が非常勤の先生方のために作ったスライドとそこに解説をつけた動画を公開します。

youtu.be

YouTubeの人気動画ふうのオープニングから始まりますが、全部で44分くらいある大長編です。

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フォントは「美し明朝」といいます

Keynoteに音声をつけて動画に変換するのではなく、「スライドを記録」という機能で、じっさいにスライドを動かしながら44分しゃべりつづける収録で、非常に疲れました。

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おそらくここで紹介した方法を組み合わせる(テクスト+音声とかスマホカメラ+画面収録など)で実用に耐える授業資料はいろいろ作れるだろうと思います。

私の紹介している方法や作成したサンプルはぜんぜんまだまだ稚拙なものばかりです。しかし、ここで提案したことが、多くの先生方にとって、自分でもできそうかなと背中を押す力となれば幸いです。

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スライド+音声のサンプル

資料作成についてのご意見やご質問は、このブログのコメント欄でも受け付けております。お気軽にどうぞ。