ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

iPad mini+Apple Pencilで授業ノートを管理する

 

授業ノートってどうやって管理したらいいのだろうか?

大学でドイツ語を教えるようになって今年でちょうど10年目になります。(前にも書きましたが、私は学際系大学院出身なので、ドイツ語の仕事を始めたのは遅く、33歳の頃からでした)。

その間、毎週の授業のたびに教案やその週にやった内容、宿題、次回への積み残しなどをPCやメモ帳、ノートなどさまざまな手段を使って、書き留めてきました。私は随分前から自覚していますが、大抵のことは一週間すぎると忘れてしまいます。授業のときに、先週はどんなことやったっけ?と学生に問いかけるのもいつものことです。

学生に聞くのは、もちろん振り返ることで復習を促しているのですが、本当にメモをみなければ、前回やったことを全く思い出せなくなっているのも事実です。そのため、以前から授業ノートを残すようにしていました。

考えてみると、教え始めた頃は、授業の記録というより、授業をする前の計画や説明の仕方、取り上げる例文など、授業当日の自分のためにメモを書いていました。

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A5ルーズリーフに落ち着く

専業非常勤のころは、毎日違う大学で教えるので、無印の小さなノートを持ち歩き、各大学での授業の記録をつけていました。教案や宿題のプリントなどは、A4の紙に印刷して、曜日ごとのクリアファイルにいれて持って歩きました。

今の職場で教えるようになって、教案と授業の進度などをノートにまとめて書くようになりました。授業には、全クラスの出席簿をまとめた薄いファイルと、授業ノートを持ち歩くようになりました。ニーシモネのメモパッドが気に入ったので、最近は小さなバインダーに、A5のメモパッドを閉じて、授業ごとにインデックスをつけて束ねて持ち歩いていました。この方法は非常に画期的でした。綴じてあるノートとちがって、ページを抜いたり、入れ替えたりすることが可能だからです。

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以前の記事にも万年筆で書きやすいメモパッドを取り上げていました。

 

Apple Pencil、買ったけどあまり使ってなかった

iPadProを2年前に買った時、論文のPDFを読んだり、アイディアをノートにまとめたりできるだろうと思い、Apple Pencilも一緒に買っていました。たしかにiPadProは非常に使いやすくて、日々の通勤にも海外出張にも持ち歩き、大活躍してくれました。

しかし、Apple Pencilのほうは、なかなか使う機会に恵まれず、たまに思い出してイラストを描くときくらいしか使えずにいました。

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記事の最後にApple Pencilで描いたイラストがあります。

iPad Proってやや大きい

家でウェブを見るのには便利なiPadProですが、出先で取り出したり、授業に持ち歩いたりするには、少し大きすぎるように感じていました(重さは469g)。とくに海外出張などで、カメラやMacBookと一緒に運ぶときには、やはりもう少し軽いほうがいいと思うことが多くなりました。

そこで、今月なかばに、新しくなったiPad miniを買ってみることにしました。

 

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iPad mini+Apple PencilでGoodnotesを使いこなす

256GB、Wi-FiモデルのiPad miniを買いました。実はiPad miniは前モデルの第4世代も持っているのですが、だいぶ反応速度が遅く、画面も見づらいので研究室におきっぱなしでほとんど使わなくなっていました。この旧モデルに比べると、第5世代は飛躍的に性能が向上しています。速度が早く、ウェブの閲覧や重いアプリの使用時もサクサク動きます。画面が見やすいし、ちょうど手帳やA5メモパッドくらいのサイズ感なので、こっちのほうが、Apple Pencilで何か書くのには向いてそうだと思いました。

Apple Pencilを使いこなすにあたり、新しくGoodnotes5というノートアプリを入れました。これが非常に使いやすく、見た目もきれいで気に入っています。

GoodNotes 5

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有料ですが、機能を考えればちっとも高くはありません。

 

Goodnotes5をどう使うか

この一週間くらい使ってみて気づいた、便利な点をまとめます。

1)科目ごとにノートを作成する

はじめに、メモパッドを使っていた時と同様に、各科目のノートを作りました。

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ドイツ語総合1、総合3、コミュニケーション1とそれぞれノートを用意します。

2)授業の進度、課題、学生に説明したいこと、今後の予定などをメモ

これまで使っていた授業ノートと同様に、日付と進度、授業内で出す課題や説明したい要点、グループワークのアイディアなどを書きます。

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Apple Pencilだと、落書きみたいな字になってしまって嫌なのですが、これまで万年筆で書いたノートとも見比べたら、ほとんど差がなかったので、気にしないことにしました。

3)PDFや画像の取り込みも可能

授業ノートと別に、これまでバインダーに閉じて持ち歩いていた履修者名簿もスキャンして取り込んでいます。名簿も名簿を取り込んで、出席チェック、小テストの得点などを書き込んで使うことができます。

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最初はiPadのカメラで撮影した画像を取り込んでみたのですが、地色がうつってしまうので、スキャナアプリを使いました。

Evernote Scannable

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あるいはPDFファイルを取り込んで、トリミングして使うこともできます。

 

4)縦向き、横向き、紙の大きさ、すでに書いた文字の縮小など自由自在

アプリなので、当然書くときに横向き、縦向きどちらでも使えます。ノートのフォーマットも一般的なノートのように縦向きでもいいし、横向きを選ぶこともできます。

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新規ノート作成画面です。表紙や用紙の種類を選べます。当然あとで変更可能だし、各ページごとにフォーマットを変えることもできます。

非常に便利なのは、すでに書いた内容を移動したり、縮小・拡大したりもできる点です。

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 書いてある部分を選択して、画面左端に縮小して移動しています。こうすることで、ノートの面積を広げたり、あとで加筆したりもできます。

 

5)プロジェクタから映写する場合にもApple Pencilが便利

ときどき授業の中で、Pagesで作ったテスト問題の解答をプロジェクタで全面ホワイトボードの壁に写し、そこにマーカーで説明を加筆するという使い方もします。これもまた、PagesにApple Pencilで書き込んだり、あるいはGoodnotesにPDFファイルを貼り付けて、そこに記入するなどの工夫ができます。

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Pagesで作ったファイルをプロジェクタから写し、そこに直接説明を書き込んだりすることがありますが、画面をスクロールするとずれてしまいます。

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Apple Pencilで画面に書き込めば、スクロール可能です。

 

授業ノート以外にもあらゆるメモに使えそう

考えてみれば、私はウェブやガジェットが大好きな割に、けっこう記録することについては、手書きも多用していました。授業ノートの他に、研究用のノート、学部やドイツ語教務委員のノート、独文学会京都支部の委員用ノートなど、普段からいろいろなことを別々のノートにメモしています。

色々なノートを使っていると、いちいち必要なときにどこにノートがあったか見つからなくなってしまうし、複数のノートを重複して持ち歩くときなどは荷物が増えて困ります。

べつに何十年も保管しなきゃいけないわけではないので、とにかく日常的に使うノートはすべてGoodnotesに記録すればいいかなと気づきました。

今後も便利な使い方などが分かったら、加筆していきたいと思います。