なぜわたしが『ふらんす』に?
ドイツ語教員の私ですが、白水社のフランス語学習者向け雑誌、『ふらんす』にて妻の小門穂とともに連載を担当することになりました。
小門穂・熊谷哲哉:「ドイツ×フランスお隣どうし 比較で学ぶ言葉と文化」というタイトルです。
白水社の伝統ある雑誌に、独文学者としては全然小物の私が連載を担当するなんて、とんでもなく名誉なことです。
しかしなぜドイツ語教員の私が『ふらんす』に書くのかということを簡単に説明しておきます。
このブログでも書いたように、私の妻はフランスをフィールドとする地域研究(とくに医療倫理分野)をしています。数年前まではフランス語の非常勤講師もしておりました。
schlossbaerental.hatenablog.com
以前から親しくしていた白水社の方にお声がけをいただき、フランス語教員である妻と私が共同で語学に関する読み物を書いてみないかというご依頼をいただいたのでした。
私は学部生の頃から、半ば独学でフランス語を勉強してきているし、妻とはしょっちゅうドイツ語とフランス語の比較について話し合ってきました。そこで、この連載では、フランス語学習者に向けてドイツ語を紹介したり、またドイツ語や他の言語から見た、フランス語のイラッとするところや分かりにくいところを掘り下げたりといった内容を、二人の対話形式で書いていくことになりました。
例えばどんな内容?
第一回では、新年度の4月号なので、学習を始めたばかりの人にもわかりやすそうな内容として、フランス語・ドイツ語を日本語にしたときのカタカナ表記について書きました。
このテーマについては、すでに当ブログでも書いています。
schlossbaerental.hatenablog.com
今回はさらに、妻にフランス語→日本語においても非常によく見られるカタカナ化の失敗について語ってもらいました。
今後の展開としては、
・ドイツ語・フランス語の発音の特徴や難しさ。
・ドイツ語の長い単語、フランス語の短い単語。
・ドイツ、フランスにおける地方文化。食や言語の違い。
・ドイツ語・フランス語の教科書。
・名詞の性など英語と異なる点。
・クリスマスや復活祭といった年中行事など。
といったテーマについて、ドイツ・フランスの比較をしていこうと考えています。
打ち合わせは飲みながら
私も妻も初めての連載の仕事です。もうすでに2回分の原稿を仕上げましたが、なかなか連載のペースを掴むのは難しいです。
原稿を書き、ゲラをチェックし、次のネタをどうしようか少し時間をおいて考えていたら、もう次の締め切りがやってきます。私たちの連載はたかが2千字程度ですが、もっと文字数が多かったり、資料をたくさん参照しないといけないような連載だと、もっとずっと大変だろうと思いました。
これも書き始める前に考えておけよ、という話ですが、原稿を書きながら、どういう時期にどういう内容の記事を出したらいいか、そしてどのジャンルについて、どれくらいの記事を発表できるか、分野ごとのバランスや難易度をどうするか?(例えば発音や綴りのことばかり取り上げて、動詞の変化や時称などに触れないのでは文法の紹介としてバランスが悪いといった具合に)など、今後の記事の内容をどうしたらいいかというのは、毎回頭を悩ませています。
本来ならば、大学の授業のシラバスを作るように、事前に何をどこまでやるか、一回でどんな話をするかというプログラムを全て作っておくのが正解なのでしょう。
なにぶん私も妻も初めての経験なので、行き当たりばったりで取り組んでいます。
ある夜の宅飲み打ち合わせの様子
たいてい打ち合わせは、酒を飲みながらになります。(一応昼間に確認したり、見直したりもしています)。
元々だいたい夜はだらだら飲んで過ごしがちな私たち夫婦でしたが、連載の仕事をいただいたおかげで、ダラついた宅飲みに明確な目標が設定され、今まで以上に前向きに酒を飲むようになった気がします(酒を飲むのに前向きも何もないですね)。
実は、昨年末からのヴァイナハツマルクトをめぐる旅行も、今回の連載のネタになるかもと期待して企画したものでした。
schlossbaerental.hatenablog.com
どうなるかはわかりませんが、旅で訪れた場所や見たものについてもどこかで言及したいと思っています。