ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

クリスマスを追いかける旅(1)アムステルダム

きっかけは学生とのおしゃべり

12月25日から1月1日まで、冬休みの前半を使って、オランダ、ドイツ、ルクセンブルクを旅してきました。今回は妻とふたりで、資料収集や学会とは関係なく、完全にただの旅行を楽しむための旅でした。

日頃は、調査や趣味の写真などのために、夏にドイツに行っています。冬や春先に比べると、夏の方が日本より過ごしやすく、また景色がきれいで写真を撮るのが楽しいからです。今回、オフシーズンである冬に旅行をしようと思ったのは、クリスマスマーケットを見るためでした。

あるとき、授業中に「ドイツ旅行っていくらぐらいかかりますか?」と聞かれ、一番安い時期だといくらぐらいなのだろうかと調べ始めたところ、せっかくだから自分で行ってみるのがいいかなと、ドイツ語圏にほとんど足を踏み入れたことがなかった妻を誘って、冬休みの旅行をすることになりました。

 

まだ間に合うヴァイナハツマルクトはどこか?

冬といえば、ドイツの場合はやはりクリスマスです。およそ1ヶ月をかけて各家庭で準備をする、一年で一番重要な行事が、クリスマスです。毎年ドイツの各都市には、11月下旬ごろから、クリスマスのための市場Weihnachtsmarktが開かれます。ベルリン、ミュンヘンなどの大都市の場合は、市内に何箇所もマルクトが設置され、多くの人が訪れます。しかしながら、私はこれまで、現地でクリスマスを過ごしたことがありませんでした。どうしても春、夏、冬の長期休暇に合わせて渡独していると、クリスマスやアスパラガス(5月〜6月)の時期には合わせられないからでした。

しかし、ネットで各地のヴァイナハツマルクトの日程を調べてみると、多くは23または24日までですが、実は少なからぬ町では年末いっぱいあるいはお正月期間くらいまで続いているマルクトもあることがわかってきました。

https://www.messeninfo.de

Weihnachtsmarktはこのサイト(見本市情報まとめサイトのようなところ)で探しました。

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このように、1月に入っても続いているマルクトがまだ見つかります。

 

ちょうどKLM航空の安いチケットが買えたので、アムステルダムから行きやすいいくつかの都市でマルクトを見物し、さらに何箇所かこれまで行ったことがない観光地に行くという計画がまとまりました。

 

毎日移動する旅

アムステルダムに着いてから、2日目はデュッセルドルフ、3日目にケルンを経由して、トラーベン・トラーバッハのマルクトを見た後で、ベルンカステル・クースに宿泊、4日目はルクセンブルク、5日目はアーヘンで、6日目にアムステルダムに戻って大阪に戻るという一週間の旅程をつくりました。

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考えてみると、私も妻も、普段は一つの街に長期滞在するか、あるいは拠点となる町から一泊程度の移動するような旅行が多く、毎日のように列車で移動する旅というのは、学生時代以来のことでした。

荷物を持って毎日移動するのはちょっと体力的に厳しいだろうけど、一週間なら楽しく終われるだろうし、何より日が短い今の時期は、観光をするにしてもできることは限られているので、短時間でいろいろな町を見て回る旅のほうが向いているだろうと思いました。

 

寝不足で飛行機に乗ってアムステルダムへ

前置きが長くなりましたが、25日の朝に、ばたばたと準備をして、あまり眠れていない状態で飛行機に乗りました。11時間半くらいかけて、アムステルダムに着陸し、現地時間の4時ごろに、中央駅に到着できました。

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空港駅のホーム。オレンジ色の帯のような液晶表示がかっこいい。

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近鉄バスのようなオランダ国鉄の列車。

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オランダ語は見た目でなんとなく意味がわかるものの、発音はドイツ語と大きく異なっています。

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エキナカで見つけた、自動販売機のファーストフード店。カウンターでの注文もできるようでした。

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エキナカの雑貨店兼コンビニ。名物のチーズがたくさん売られています。

きれいだけど危険そうなアムステルダム

中央駅から徒歩3分ほどのホテルに荷物を置いて、市内を散策してみました。

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ホテル。非常におしゃれなお部屋でした。

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写真(Lightroom加工済み)だと明るく見えますが、もう夕方6時ごろなのでまっくらでした。

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細い通りに入ると、あやしい雰囲気です。

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ショッピングモールの間にきれいなパッサージュがありました。

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市内でいくつも見たチーズ屋さん。名物だけに美味しそうです。

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大きな通りは電飾が付いていてにぎやかでした。

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にぎやかなだけじゃなく、けっこう危険そうな雰囲気もありました。

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観光地でよく売ってるアヒルちゃんの専門店。

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ワッフルやパンケーキは名物らしく、たくさんお店を見ました。このクリーム山盛りのケーキはどうやって食べるのでしょう。

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旧市街の中心にあるダム広場には、クリスマスツリーが飾られ、サンタがいました。右に写り込んでるのは、雑貨屋で買ったサンタ帽をかぶった妻。

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ライトアップされたにぎやかな街を歩いていると、イブは過ぎたものの、やはりクリスマスだ、お祭りだという楽しい気分にひたることができました。

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夕食にフラムクーヘンを食べました。

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あと、この町ではポテトフライが人気があり、夜食にちょっと食べてみました。


 

朝のアムステルダムを歩く

翌朝は早く目が覚めたので、町が明るくなる時間を待って(9時過ぎにようやく明るくなりました)、市内を少し歩きました。

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細くて古い建物がぎっしりと並んでいます。よくみると大きく傾いている建物も少なくありません。

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中央駅前の運河クルーズ船乗り場です。

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路上での飲酒禁止と書いてありましたが、あまり守られている様子はありませんでした。

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折れた標識。だれか酔っぱらった人が暴れたのでしょうか。

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傾いた家の前を通り過ぎる運河クルーズ船。

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クリスマスプレゼントのようにリボンをかけられた大きな本屋さん。

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おもちゃ屋さんで見た民族衣装のレゴ。よくできています。

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花市場では、さまざまなチューリップの球根や種が売っていました。

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真冬なので生花は少なめでしたが、暖かい時期だったらもっときれいでしょう。

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路面電車もクリスマス仕様。ヘッドマークにもけもけしたサンタ帽がついていました。


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一通り街を見て回ったので、10時過ぎの列車で、デュッセルドルフへ向かいました。

(つづく)