ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

自室の本棚をさらに増やす

 

自作本棚で部屋を埋め尽くしたい!

夏休みが終わっても、本棚作りは続いています。(大学の授業は9月12日から始まっているので夏休みはとっくに終わりましたが、気持ち的には10月半ばくらいまで夏休みです)。

前回の記事から1ヶ月がすぎましたが、その間も本棚づくりは続けておりました。

schlossbaerental.hatenablog.com

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書斎の入り口はこのようになっています。

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部屋と廊下の間取り図

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1期工事を7月に、2期工事を8月に終え、9月に入ってから、これから書く3、4期工事を進めました。
 

 

画期的な表計算ソフトの使用法

本棚づくりにだんだんなれてくると、iPadや表計算ソフトなどを使って、作業を効率化できるようになってきました。

本棚を作る際には、

1)設計図を書く

2)木材の研磨、塗装

3)柱となる木材に棚板の位置を鉛筆で描く

4)棚板をネジで固定

という工程が必要です。以前の記事にも書いたように、設計図はiPadのGoodNotesを使って描きます。フリーハンドで描いてもいいし、「シェイプ」を使うと、まっすぐな線が描けるので、棚の概略はさっさと描けます。

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以前はこの段階で、それぞれの棚板がどの高さにくるかを計算し、メモしていましたが、棚板の間隔を変えたりするとすべて計算し直さなければならないので非常に苦労していました。こういうのは表計算ソフトをつかったらいいのだろうかと適当に表を作って、式を立てたりしてみましたが、思いの外簡単にできました。

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この方法だと、持っている本の高さや量に合わせて、棚の高さをあれこれ変えることができます。こういう自由度の高さこそが、自作本棚の最大の魅力です。(もちろんイキクッカなど既製品の本棚でも棚板の高さを自由に設定することは可能ですが、全体の高さ、棚板の枚数なども含めてミリ単位で自由に設定できるのは自作棚だけです)

 

エアコンの設置と、天井までの本棚作成

8月の終わり頃、リビングのエアコンが故障し、9月に入ってすぐ、新しいものに買い換えました。*1買い換えたエアコンは非常に強力で、満足しました。こんなに簡単にエアコンをつけられるのならば、自室にもエアコンを買ってしまおうとすぐに決意しました。

私の書斎は、引っ越し当初は前の住人の方がつけていたエアコンの跡がありました。私としては大きな天井までの壁に本棚を置かずに何を置くのかと思ったので、エアコンは設置せず、背の高い本棚を置いていました。

しかし、この既製品の本棚は収納力はあるのですが、棚の割りふりが微妙に使いづらく、文庫本などは前後2列に収納していたので、とても探しにくくなっていました。そこで、エアコン設置に伴い、既製品の本棚を撤去し、自分で作ることにしました。

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上下2段になっていた本棚の上の段を撤去し、エアコンをつけてもらいました。

エアコンを設置してもらう間に、ある程度設計図を描き、エアコンの取り付け位置を確認してから、棚の高さや幅などを決定しました。

この本棚の場合は、すでに設置してある2x10材の柱を使い、もう一本2x10を立て、エアコンの横は2x8材を柱にして、後ろに配管を逃す構造にしました。

 

いったん完成した棚をバラして、クランプで締める

いつものように木材を買ってきて、塗装し、乾燥したらマキタのインパクトドライバーで組み立てていきます。

 

(今回からこのドライバーを使っています。 軽いわりに非常にパワーがあるので、ネジがしっかりと止まります。ただ、ドリルドライバーと違って、大きな音が出ます)

大きい棚なので時間がかかるかと思いましたが、割とすぐに完成しました。この棚を作るときには、工程の説明にあるように、柱に棚受けの高さをマークし、そこに棚受け金具をねじ止めした上で、柱を立て、そして棚板を固定するという順番で進めました。この方法の大きな問題点は、柱と棚板の間に隙間ができやすいということです。つまり木材のゆがみのために、棚と柱の隙間がぴったりのところとそうでないところという不均衡な状態になりやすいのです。

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いったん完成した棚ですが、どうにも隙間が気になるので、ほとんどのネジを外し、隙間がなくなるよう、クランプで締め上げることにしました。

DIYの方法を調べていると、多くの人がバークランプやF字クランプなどを駆使して、木材の歪みを直しています。いろいろな大きさ、種類のクランプがありますが、今回はベルトを引っ張ることで、箱状のものの形を整えるのに使う、ベルトクランプを使ってみました。 (ハタ金やF字クランプはあまり長いサイズのものがなく、あっても非常に高価でした)

こちらを買いました。手頃な値段です。 

ベルトクランプ2個をつかって、本棚をぐるりと巻いて、ねじで閉めると、少しずつ棚板と柱の隙間が小さくなります。ぴったりくっつきそうなところで、金具を固定しました。そうやってもう一度組み立て直すと、たしかに最初のときよりも隙間は小さくなったように見えます。

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しかし実際使ってみて分かりましたが、ベルトクランプはこういう大きな工作物を締め付けるのには向いていません。締め付ける力があまり強くないからです。額縁や箱など小さくて精密さが要求されるようなものにはちょうどいいのでしょう。

 

机の前に文庫用棚を設置する

私の机は、窓際の角にあります。机の前は半分くらいが壁になっていて、スペースがあいているので、ここにも文庫本などを入れる小さな棚をつけました。

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柱は2x4材です。写真を見るとわかるように、右端に柱がありませんが、これはこの部屋の窓際に、支柱のでっぱりがあり、一部天井が低くなっているため、低い天井に合わせて2x4の柱を設置したためです。通常本棚を作る際には柱と柱の間に棚板をつけますが、この場合のように柱の前に棚をつけるやり方だと強度不足になりがちで危険です。しかしこのくらいの小さな棚ならば問題ないでしょう。

 

2x4材を束ねて奥行きのある多目的棚を作る

最後に、部屋の隅に本だけでなく、工具箱やカメラのドライボックスなども入る、多目的棚を作りました。工具箱やファイルケースなどを入れるには、奥行きが30cm近くあったほうがいいので、2x4材を3本束ねて柱にして、間には1x4材をそれぞれ3枚ずつ棚板にしました。

2x4材を束ねて棚を作るためには、ウォリストの金具シリーズが使えます。今回は3本用の束ねる金具と棚板を使いました。

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大量の木材が必要

高さ約2m、幅120cmで7枚棚板をつけた棚を作るためには、かなりたくさんの木材が必要でした。柱となる2x4材は6本、棚板の1x4材は各棚3枚ずつなので、21枚も必要になります。まずホームセンターでカットしてもらってから、2日かけて塗装をしました。

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ホームセンターでの様子。妻が撮っていました。大きな台車に長い木材をたくさん載せて買いました。

柱が重い、棚板も重い

今回大変だったのは、木材の重さでした。一本一本はわりと軽い2x4材(2mくらいの長さでちょうどひと昔前のスキー板くらいの重さです)ですが、3本束ねて柱にしたものを動かすのはちょっとたいへんでした。組み立ては以下の工程ですすめました。

1)柱となる2x4材を束ねる金具で固定。

2)棚受け金具の位置をマークして、最上段、最下段の金具をつける。

3)柱の位置を決め、つっぱり金具を回して固定(仮止め)。

4)棚板を乗せて、2本の柱の幅を決め、ネジで止める。

5)棚受けを棚板にねじ止め。

6)決まった高さに棚板を設置する。

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レーザー墨出し機の赤い線に合わせて柱の位置をまっすぐにします。

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ベルトクランプで全体を締め付け、隙間ができないようにします。

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棚板を止めるさいに手で持って支えられないところは、箱と本を積んでつっかえ棒にして、高さを調整しました。

難しかったのは、4と6の工程です。2本の柱を立て、その間にちょうど収まるように棚板を渡し、一番上と一番下の段を固定してしまえば、それ以外の段はすぐにくっつけられるだろうと思っていましたが、今回もまた木の不均衡なゆがみに苦しめられました。

前回使ったベルトクランプで隙間ができないように締め付け、さらに棚板の高さを仮止めするために小さなクイックバークランプも使いました。しかし棚板が重くて、クランプをつけてもすぐに位置がずれてしまいます。高さを微調整して固定できればいいのだし、と最終的に箱の上に本を乗せて棚と同じ高さになるようにしました。本ならいくらでもあるので、最初からこの方法をつかえばよかったと思いました。

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 自分で本棚を作ることの意味

 以上のように、今回でだいたい部屋にある本はきれいに収まるようになりました。これまで、前後2列になって探しにくかった本も、すべて見通せるようになり、こんな本があったのかと持っていたはずの本との新たな出会いもありました。

おそらく多くの同業者のみなさんは、私と同様、蔵書を置く場所やどんな本棚を選ぶかで頭を悩ませていることと思います。持ち家だから、大工さんに本棚を設置してもらったという人もいるでしょう。しかし私としては、研究者だからこそ、あえて本棚は自作するのがいいと実感しました。

本棚作りを通して、自分の知的背景を見直す

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本棚にぎっしりつまっていた本をいったんすべて床に並べ、そして新たな本棚にならべ変えていくという作業は、いうなれば脳のリフレッシュ工事でもあります。棚の奥で見えなくなって、見失ってしまった本とは、脳の片隅で失われた記憶そのものです。自作本棚を作りながら、蔵書を改めて見直し、こんな面白い本があったのか、まだまだ調べ足りないことがあるなあと感じることで、今後の研究への意欲を高めることができるのではないかと思っております。

 

 

 

 

 

*1:リビングで使っていたエアコンは、京都時代に8畳間のために買ったもので、あきらかに今住んでいるマンションの広さにはあっていませんでした。去年も今年もかなり暑さに苦しみました。