大阪の大学はどこもだいたい不便
以前の記事ですでに書いたように、私の勤務先も含め大阪の大学のほとんどは東京の大学のように駅に直結しておらずどこも多かれ少なかれ不便です。
schlossbaerental.hatenablog.com
四年前の夏に書いて以来、ときどき更新して訪問した大学を増やしています。
どうせなら自転車で不便な大学に行ってみたい
今回はすべて福島区の自宅からロードバイクで行ってみたため、公共交通機関やスクールバス等の交通手段は利用していません。そのうえで、立地の不便さを以下の基準で比較しています。1)駅や市街地からの距離の遠さ(交通の便もふくめ)、2)大学周辺の商店や飲食店の少なさ、3)地形的条件(坂道の険しさ)による近づきにくさ。いずれも1〜5点で評価し、5点に近づくほど遠くて、商店や飲食店が少なく、近づきにくいということになります。
以下、今年の冬から夏休みの間に行ってみた大学です。
さあ、不便な大学に行ってみよう!
1)大阪教育大学 不便な大学、西の雄といえばココ!
1駅や市街地からの距離の遠さ:2 駅から徒歩圏。
2大学周辺の商店や食堂の少なさ:5 駅前からほぼ何もありません。
3地形的条件による近づきにくさ:5 かなりの急坂です。歩行者用のエスカレーターがあります。
合計12ポイント
大和川沿いの道を進みます。とても快適なサイクリングコースです。
山のあいだに近鉄大阪教育大前駅があります。駅の周辺にはほとんど何もなく人も住んでいないようです。
学生は右側の歩道を登ります。かなりの急斜面です。
坂を登っていくと大学の門があります。駐車場や校舎まではもう少し坂がつづきます。
キャンパスの中心までなんとか自転車で登りきれました。ロードバイクなど本格的なスポーツ自転車でないと難しいでしょう。
勤務先と同じ近鉄沿線にある大学です。今年の冬に訪問しました。
山の斜面はかなり急ですが、駅までは徒歩で行けます。しかし駅周辺には何もありません。近隣に住む学生は多くないようですが、一駅離れた河内国分周辺にはお店はいろいろあります。買い物をしたり遊んだりというとさらに離れた近鉄八尾のあたりに行くようです。
2)旧大阪外国語大学(阪大外国語学部箕面キャンパス) かつては不便だったが…
1 駅や市街地からの距離の遠さ:3 バス停があり、モノレールの駅もいちおう徒歩圏内。
2 大学周辺の商店や食堂の少なさ:4 大学周辺は住宅街でコンビニなどはありません。
3 地形的条件による近づきにくさ:5 なかなかの激坂です。
合計12ポイント
こちらは春にロードバイクで行ってみました。自宅から箕面市まではそれほど距離はないのですが、大阪市より北はずっと丘陵地でしばしば上り下りがあり、箕面までにすでに疲れてしまいました。
171号線を超えて北に行くといよいよ大学が見えてきます。あんなとこまでいくのか、とちょっとうんざりしました。
急な坂道に立ち並ぶ住宅街を抜けるとやっとキャンパスが見えてきました。残念ながら箕面キャンパスは移転してしまったので、中に入ることはできません。
正門前の坂道も人が通らなくなって自然に帰りつつあります。
寂しい風景ですね。
彩都西駅へ向かう橋の上から。大阪府内とは思えない風景です。
彩都西から見た大阪市内方面。
大阪モノレールが延伸されたのはごく最近のことですが、それ以前は茨木市駅などからバスで行くほかなかったようです。
このへんは現在人気の住宅街になっているようです。休憩した公園にもたくさんの子供が遊んでいました。たしかに自然は多いし、モノレールや高速道路などが近いので昔のように不便ではなさそうです。
3)関西大学高槻キャンパス こんなところに大学があるなんて
1 駅や市街地からの距離の遠さ:4 バスはありますが、駅はかなり遠いです。市街地からも離れています。
2 大学周辺の商店や食堂の少なさ:4 だいぶ離れないとコンビニすらありません。
3 地形的条件による近づきにくさ:5 自転車や徒歩だとかなり厳しいです。
合計13ポイント
旧大阪外大に行ってみたことをツイートしたところ、他の方からおすすめされたのが、こちらの大学です。たしかに地図で見るとかなりすごいところにあります。
北摂の山の麓にはいくつも大学があるのですが、関大は地図で見てわかるように山の麓ではなく山の中にあります。
茨木市の中心部を越え、高槻市に入って山の麓の住宅街を抜けるとにわかにヒルクライムが始まります。道沿いには学生向けのアパートなどがありますが、コンビニや食堂などはほとんどありません。
びっくりするほどのどかな景色。そして視界の遥か彼方に大学らしき建物が見えます。
峠道をよろよろと上っていきます。
急坂を苦労して登ってようやく関大の入り口(西の口)が見えてきました。しかしここからは校舎が全く見えません。さらに山を登っていく必要があります。
さらに傾斜がきつくなった坂を上っていくと住宅街がありました。こんな山の上に住んでいるなんて大変だろうなあと思いながら通過するとようやく正面入口が見えました。
市バスが発着しています。
広いバスのりばの先に校舎が見えます。
ここは総合情報学部の校舎だそうです。バスから降りてすぐなので便利です。しかしこんな高低差のある山の中に校舎があるなんて、キャンパス内の教室移動はどうするのか心配になりました。
関大を後にして山道を下っていくと、平安女学院大学がありました。正面入口は住宅街に面しているようですが、私が見た裏側は完全に山道でした。
4)大阪経済法科大学 急斜面に広がる狭い住宅地の奥にある大学
1 駅や市街地からの距離の遠さ:3 駅は遠くバスが発着しています。
2 大学周辺の商店や食堂の少なさ:3 お店はそこそこあります。サイクリスト向けのカフェもありました。
3 地形的条件による近づきにくさ:4 大学までは傾斜はまだそれほどきつくありません。
合計10ポイント
勤務先と同じ近鉄沿線でわりと近いけどたぶんすごく不便なのだろうと思って一度も行ったことはありませんでしたが、せっかくなのでこの機会にはじめて訪問しました。
職場から東へ進み恩智川にそって南へ行くと恩智川治水緑地に出ます。
遊水地の間を抜ける立派な橋があります。
大学周辺は細い道が多く、入り組んだ住宅街を通って、私道のような狭い道を抜けると大学の前に出ました。
草むらの間の狭い道を抜けるとようやく大学が見えました。
周囲は古いお家も多い密集した住宅街です。
学生や教員はスクールバスや自家用車、バイクなどで通勤通学しているようです。住宅街のなかの細い道と急な坂はちょうど京都の左京区や右京区の山が近い住宅街を思い起こさせます。一乗寺や修学院の住宅街の先に大学があるみたいなイメージです。(地元の人なら分かるかと思います)。
せっかくここまで来たのだし、と大学のすぐ裏側にある十三峠に上ってきました。まっくらで狭い山道を30分以上かけて上って、やっと展望台までたどり着きました。早い人だと15分以内で登り切るそうですが、次元が違いすぎて想像がつきません。
ここから自宅まで約20kmもあり、帰宅後は疲れてすぐ寝てしまいました。
5)大阪芸術大学 田舎だが、あまり不便ではない
1 駅や市街地からの距離の遠さ:3 駅は遠いもののスクールバスがかなりの頻度で発着しているようです。
2 大学周辺の商店や食堂の少なさ:2 コンビニやスーパーはたくさんありました。
3 地形的条件による近づきにくさ:2 大学の入り口までは平地です。入ってから坂があるようです。
合計7ポイント
島本和彦さんの『アオイホノオ』で有名な大学で、なんとなく街から遠い田舎にあるということは知っていたので、けっこう不便なのだろうと期待して行ってみました。
35度くらいの猛暑のなか、大阪から一時間以上かけてやっと大学前まで来ました。周辺は田園地帯が広がっていてのどかな風景です。大学前には大規模なスクールバス発着所がありました。
別の入口から新校舎を眺めることができました。お城のような立派な建築です。
新校舎からキャンパスを見るとこんな感じでした。丘陵地だけど山というほどではないです。
期待していたわりに、そんなに田舎でも、不便でもない場所でした。たしかに駅や繁華街は遠いと思うのですが、スクールバスはひっきりなしに発着しているし、大学のすぐ下には大きな街道が通っており周辺にはお店や下宿が立ち並んでいるので、通学するにも、近所に住むにしてもそう不便ではなさそうです。大阪市内以北からは少し時間がかかるのが不便といえばそうでしょう。
同じ芸術系の大学ということで、京都精華大学(前任校)や東北芸術工科大学(兄の出身校)に近い雰囲気だと思いました。
大阪芸大から少し南に進むと大阪府唯一の村、千早赤阪村があります。美しい風景を楽しめました。
和歌山県まで行くつもりでしたが、熱中症の徴候が現れてきた(寒気や倦怠感)ので、あきらめて千早口駅から輪行で戻りました。
6)大阪電気通信大学四條畷キャンパス 人気ヒルクライムコースにある大学
1 駅や市街地からの距離の遠さ:4 スクールバスまたは駅から徒歩23分とありますが、歩くのはけっこう厳しそうです。
2 大学周辺の商店や食堂の少なさ:3 坂を下りきればお店はたくさんあります。
3 地形的条件による近づきにくさ:4 急で長い坂があります。
合計11ポイント
グーグルマップで見て気になっていたのがこの大学です。サイクリストには人気ヒルクライムコースとして知られる清滝峠の中腹にあります。今回は東大阪市の職場から自転車で行ってみました(約17km)。
恩智川に沿って進んでいきます。東花園駅前。
近鉄でもあまり見る機会がないけいはんな線新石切駅。
途中で通りがかった大阪産業大学。ここもやや不便な大学です。
狭くて渋滞する道を進んでやっと四條畷市に入りました。
ここで東へと進路を変更。ヒルクライムコースの出発地点です。
ややきつい坂をどんどん登っていくと大学の入口が見えました。
峠道の中腹に大学の入口があります。さらに門まで坂が続きます。
入り口前で引き返します。学生はスクールバスを利用することが多いのでしょうが、周辺は道がかなり狭く、バスは渋滞に巻き込まれて時間がかかりそうです。
自転車置き場からは大阪市内がよく見えました。周辺は住宅街で、坂の下まで行くと街道が通っているのでお店はたくさんあります。
なぜか立ちごけしてしまい膝を擦りむきました。
偏見かもしれませんが河内地方ってこの種のネーミングが多い気がします。
学研都市線四条畷駅。この街には初めて足を踏み入れましたが、古い町並みが残っていて道幅が狭いことが気になりました。ずいぶん遠くに来てしまったと思っていましたが、15分ほどで大阪市内に入り、1時間ちょっとで家まで帰れました。
まとめ
評価の指標を3つ用意したので、あまり意味はないかもしれませんが合計ポイントで順位を出してみました。
1位 13ポイント 関西大学高槻キャンパス
2位 12ポイント 大阪教育大学
旧大阪外大(阪大箕面キャンパス)
3位 11ポイント 大阪電気通信大学四條畷キャンパス
4位 10ポイント 大阪経済法科大学
5位 7ポイント 大阪芸術大学
公共交通機関を使った場合も想定して点数をつけましたが、自転車で行ってみてもやはりこの順位になるかと思いました。
これで大阪府内のおもだった不便な大学を回りましたが、まだまだ普段あまり関わりがないけど不便な場所にある大学というのはあるはずです。今後もサイクリングの一つのテーマとして大学めぐりを続けていくつもりです。