ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ミニベロに乗ってみる

2台の自転車を手放す

2020年に買ったトレックのクロスバイクと21年に買ったキャニオンのフラットバーロードバイクを売却しました。

2台ともよく走るし気に入っていたのですが、トレックの方はマンション2階の駐輪場から出すのが面倒で、この一年まったく乗らずに過ごしてしまったし、キャニオンのほうはカーボンの軽量なフレームや高級コンポーネントの性能は気に入っていたものの、ロードバイクに比べると乗りにくいということで活躍の機会がなくなっていました。

手放すのはもったいないけど、そのまま家で腐らせてしまうのはもっと良くないということで、先月末に意を決して2台の自転車を整備して車に積み込み、神戸の業者さんに買い取ってもらいました。評価額が高いことで有名なお店だったので、納得の価格でした。

 

売ったお金でミニベロロードを買う

今持っているトレックのカーボンロードバイクのほかに、もう一台なにか自転車を持っておきたいとは以前から思っていました。ディスクブレーキや電動シフターなど最新装備がついてるトレックに比べて、もう少しクラシックで、気軽に乗れるものがいいなと考えていたところ、たまたま見つけたのが、ジオスのPanto105でした。

ロードバイクやマウンテンバイクと違って、車輪が小さなミニベロは、エレベーターに乗せてマンションの自室に保管するには最適です。しかもこの車体は丈夫で乗り心地がいいクロモリ素材で、変速機やブレーキは中上級ともいえるシマノ105が搭載されています。ミニベロは疲れるから長距離走行には向かないと言われますが、50キロとか100キロ走るならトレックのロードバイクがあります。大阪市内を行き来したり、車や電車に乗せてどこかに出かけたりといった用途なら、小径車も使い勝手がいいのではと思い、購入を決めました。

 

久しぶりのジオス

ジオスというブランドは、じつは最初に買ったアルミ製のロードバイクと同じでした。

schlossbaerental.hatenablog.com

西宮から大阪に移るころに一時期乗っていたのですが、結局手放しました。

あのバイクを買った2010年ごろは、初心者向け10万円前後クラスのロードといえば、ビアンキやジャイアントそしてジオスが人気でした。

あれからしばらくたって、最近ではあまりジオスのロードバイクを見ることはないし、すっかり不人気なのかと思っていましたが、ミニベロやロードバイクとくにクロモリ製バイクでは安定した人気を保っているようです。

今回はミニベロを選びましたが、ネットで調べてみるとクロモリやカーボンのロードバイクもけっこうかっこいいし、何よりトレックなどに比べてだいぶ割安です。

例えば私が持っているトレックエモンダSL 7は今80万円弱(買った当時より円安が進んで10万円以上値上がりしました)ですが、ジオスのエアロライトは同じアルテグラR8170仕様で54万7800円と、20万円以上安く売られています。全体的に値段が高騰しているロードバイクですが、ジオスはまだ低価格が維持されているように思いました。

 

さっそく乗ってみる

大阪の安い自転車店、ウエムラサイクルパーツでジオスパント105を注文し、約2週間後に納車のため梅田店まで歩いて出かけました。お店でベルやライトなどをつけてもらい、サドル高などを調整後、さっそく近所を乗り回してみました。

ポジションは、ロードバイクと同じように前傾気味ですが、はっきりいってだいぶ楽です。おそらくトップチューブが短く、ハンドルの位置が高めで、一般的なロードバイクより2割くらいコンパクトなポジションになっているせいでしょう。

ロードバイクではたまにしか使わない、下ハンドルを持っていてもそんなに苦になりません。

変速機はシマノ105が採用されているので、気持ちよく安心して変速できますし、スピードも出ます。ミニベロはいっしょうけんめいこいでもあまり進まないとはよく言われますが、小径車の中でも一番タイヤが大きい、20インチ451サイズの場合、スピードに乗ってからの速度の安定性はロードバイクとほとんどかわりません。

たしかに最高速度は、街乗りだと30km前後がせいぜいです。しかしスピードを出しすぎてもすぐ信号に引っかかるので軽い力で25km前後で走れれば十分速いといえます。

私が唯一不安を覚えたのがブレーキです。最近乗っていた自転車はいずれもディスクブレーキ車で、今回久しぶりのリムブレーキだったため、あまりガシッと効かないので驚きました。しかしディスクブレーキのように急激に制動してしまうとミニベロではむしろ転倒の可能性が高まるので、リムブレーキでじわじわ減速するほうが安全だろうと思います。

最高速度が伸びないし、急制動も苦手なので基本的にのんびり安全に乗るのが一番ということになります。

 

パーツを取り替えてさらに快適に

買った当日に少し試乗して、とにかくロードバイクと同じように乗り回せることはわかったのですが、いくつか気になる点があったのでパーツを交換することにしました。

まず最初に気になったのは、サドルでした。触ってみると座面は柔らかいのですが、形があっていないというか、私はすぐ股が痛くなってしまいます。ロードバイクに付属していたボントレガーのサドルはとても快適なので、すぐにボントレガーのヴァースコンプサドルを買ってきました。これは非常に効果的で、通勤の14kmを乗ってもまったく股が痛くなりませんでした。

それからタイヤ、ハンドル、ステム、シートポスト、ペダルを変更しました。

ハンドルはなぜか通常のロードバイクより細いものがついていて、ライトやサイクルコンピュータをつけるのに不便だと思ったからです。合わせてステムも取り替えました。

ハンドル、ステムを交換するとなると、バーテープを剥がし、STIレバーを外さないといけないのでけっこう大仕事になりました。

バーテープを巻くのはもう5年ぶりくらいだったので、完全にやり方を忘れていましたが、何度もやり直しながらきれいに巻くことができました。

また、タイヤは純正のタイヤがなんだか硬くてあやうい感じがしたので、ロードバイクでも愛用しているパナレーサーに変更しました。変化は期待していませんでしたが、思いの外乗り味が安定したように思います。

ペダルは完成車についていたアルミのフラットペダルは鋭い突起物が出ていて、スニーカーだとむしろ引っかかる危険性がありそうなので、キャニオンのクロスバイクで使っていた、クランクブラザーズの片面フラット、片面ビンディングのペダルをつけました。今のところスニーカーを履いて乗っていますが、将来的にロングライドをするときにはビンディングシューズで乗ることもできます。

ほんのちょっと見た目も変わりました。

これはより気軽に乗れるロードバイクだ

パーツを入れ替えて再度試乗して50km程度走ってみましたが、市内をのんびり走る分には、ロードバイクと遜色ない快適性だとあらためて思いました。

日曜日の夕方、淀川左岸の海老江から伝法大橋を渡って、大和田のあたりを散策しました。

この辺りは土地が低いので橋の周辺はちょっとした坂になっています。

しずかな住宅街の中にモスク、大阪マスジドがありました。

 

商店街や人が多い歩道での信号待ちなど、ロードだと車輪が大きく、前後の長さもあるので、人にぶつかりそうになるし、何より威圧感を与えがちです。小径車の場合小回りは聞くし、人が多い場所でも自然に溶け込めそうな気がします。

走りに関しても、信号が多く停止・再発進を繰り返す都心部では、漕ぎ出しが軽いミニベロの場合スイスイ進めます。大阪市内だけだとほとんど坂道を登る機会はないのですが、私がふだん通勤で通る上町台地程度であれば、平地と変わらない速度で登れます。

通勤時。朝7時過ぎですが、すでに厳しい日差し。

研究室にも違和感なく収まります。

小径車は段差や路面の荒れに弱いともよく言われますが、20インチの451サイズであれば、ほぼふつうの自転車の26インチと走破性は変わりません。タイヤの種類を選べば路面の突き上げも軽減できるし、空気圧に気を遣えばパンクも避けられます。パナレーサーのタイヤは細いしほぼスリックタイヤですが、まったく不安はありません。

通勤時のデータをサイコン(IGPSportのBSC100S)で確認してみました。最高速度は37kmまで出てました。

スマホのアプリでこのようにデータを見ることができます。時間的にはほんとうにロードバイクで走ったのと変わりません。

安いし小さくて軽く、視認性も十分です。

 

新しいミニベロロードでどこへ行こうか

暑くなってきましたが、本格的に自転車が楽しい季節になりました。

去年はロードバイクで淀川を上ったり、千早赤阪村まで出かけたりしました。今年はもう少し計画的に遠出をしたいと思っています。100km超の長旅はエモンダを使うとして、ミニベロでは近場で行ったことがない場所にでかけたり、商店街めぐりをしたいと思っています。