ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

十津川村まで桜を見に行く

ドライブのついでに桜を見たい

ちょうど桜が見ごろを迎えている4月の一週目、通勤の途中で大川や大阪城公園などの桜を楽しみました。

せっかくの休日だし、少し離れたところへ出かけて桜を見たいと思いました。しかし、コロナの感染者が急増しているいま、あまり人が多いところへいくわけには行きません。桜の名所で、かつ人が来ないところ、という条件で調べてみたところ、ちょうどよさそうな場所を思いついたので、日曜日のお昼ごろからちょっと出かけてみることにしました。

Googleマップで調べたときから、ある程度遠いところだとは分かっていましたが、じっさい行ってみて、想像よりはるかに過酷な道だったと思います。

 

奈良県の桜の名所といえば

大阪から近くて、人がいなくてドライブに最適な場所は、やはり奈良です。私たちは奈良の日本酒を愛飲していることもあり、しばしば日曜日にはちょっとしたドライブをかねて、奈良の酒屋に出かけていました。

奈良の桜の名所といえば、やはり吉野山が有名です。

www.yoshinoyama-sakura.jp

大阪からは車で1時間半くらいしかかからないので、四月にはいつもたくさんの人が訪れているようです。中千本、上千本などたくさんの桜が楽しめる吉野山は確かに魅力的ですが、やはりこういう時期なのだから、密々した場所ではなく、あまり人がこなそうな場所がいいでしょう。そう思って私が行き先に選んだのが十津川村でした。

 

奈良県の真の南部、十津川村

私たちが日ごろ出かける奈良県、すなわち生駒市や奈良市、香芝市や橿原市というのは実は奈良県の上のほう三分の一くらいでしかありません。橿原市や吉野町は南のほうだから、県南部かな、と思ってしまうのですが、吉野ですら、上から半分くらいなのです。

j-town.net

 では、その下の半分には何があるのかというと、ひたすら深い深い山が続いています。その奈良県の最南部にあたるのが、十津川村です。

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こうして紀伊半島の地図で見ると、大阪や奈良市よりも太平洋のほうが近いくらい南に位置していることがわかります。

けっこう遠いかも、と少し不安はありましたが、ちゃんと国道が通っているのだから大丈夫だろうと、出発しました。

 

やっと到着

葛城市でお昼を食べたあとくらいから、少しずつ天気が崩れてきました。雨が降る中、山道を南下して、3時半ごろようやく道の駅十津川郷につきました。ここはカーナビにとりあえず設定した目的地(真の目的地は音声検索で出てこなかったので)でした。

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ここでこんにゃくを食べ、景色を眺めました。山の中なので、大阪市内よりだいぶ気温が低いように感じました。雨足は強いし、いつまでたっても見通しのよくない山道ばかりだし、疲れを感じ始めました。

そして真の目的地はまだまだ先でした。

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桜の名所、七郎桜は十津川村の奥の方で、国道168号線から分岐する県道735号を川沿いに和歌山県方面へ進んだところです。国道168号は山道だけどいちおう国道なので、2車線は確保されていたし、それほどひどいカーブもありませんでした。しかし県道735号はおもいっきり酷道です。雨の日に、車幅184cmもある車で楽しく走れる道ではぜんぜんありませんでした。もうこのまま一生、出口のないぐねぐね道を進むのかと絶望的な気持ちになってきたところで、やっと目印の橋が見えました。

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この写真だと分かりませんが、橋の直前までは、下のような道です。

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車どうしの離合は不可能なので、どちらかが道幅の広いところで待たなければいけません。自転車やバイクなら楽しい道かもしれませんが、車では地獄でした。

 

七郎桜はすばらしかった

橋を渡って、しばらく急な坂道を上ると、大きな枝垂れ桜が見えてきました。2,3戸の住宅がある小規模な集落に、たくさんの桜の木がありました。これが七郎桜です。

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雨がかなり強く降っていて、モンベルのパーカーを着ていてもずぶぬれになるほどでしたが、それでもかまわずひたすら写真を撮っていました。もう時間も4時半で、だいぶ暗くなっていましたが、なんとか満開の桜を見ることができました。

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坂の上まで来ると集落の全景が見えます。道なりにいくつも桜が植えられていることが分かります。

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雨の日の夕方ですらこの美しさだから、晴れている日中だったらもっとすごいでしょう。

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この小さな集落の方々がずっとたいせつに桜を守ってきたのでしょう。

桜を見て、すっかり元気を取り戻した私たちは、気持ちよく帰路につきました。

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途中のサービスエリアで夕飯を食べ、大阪に戻ったのは夜9時頃でした。結局往復で7時間近く運転しつづけていたことになります。時間的には栃木まで帰るのとあまり変わりません。十津川村はとにかく遠くて、これまでバイク乗りだったころも含めて、いちばんたいへんな日帰り旅行だと言っても良いでしょう。今後しばらく十津川まで運転することはないでしょうが、きっとまた行きたくなる場所だなと思っています。