ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

手打ちうどんを作ってみた

うどんくらい誰でも作れるのではないか

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きっかけは、8月半ばに妻の実家で食べた、義父の手打ちそばでした。楽しそうに台所で蕎麦を切り、われわれにふるまってくれた義父を見て、これくらいなら自分でもできそうだなと少し思いました。しかし、蕎麦は単に粉をこねるだけでなく、水をどうやって粉に含ませるかが非常に難しいらしく、なかなか素人では上手にできないということがわかりました。

それならば、うどんを作ろうかなということで、お盆明けごろから準備を始めました。

私は、日ごろうどんか蕎麦か選べるなら、かならず蕎麦を食べるというくらい蕎麦が好きです。そばのほうがずっとコストも手間もかかっているのだから、蕎麦を優先するのは当然だとすら思っています。そんな蕎麦好きな私ですが、京都での院生時代はよく近所でおいしいうどんを食べていたことを思い出しました。京都の名店で食べたようなおいしいうどんを自分でも作ってみたいと思い立ちました。

 

DIYとしての手打ちうどん

いろいろ調べると、うどん作りにはいくつかの道具が必要だとわかりました。

1まな板(麺台)

2麺棒

3寸胴鍋

まな板と麺棒は、楽天などで専用のものを買うことができます。しかし日ごろホームセンターで木材コーナーをよく見ている私としては、集成材の板や棒を使う方が手軽だと思ったので、まな板は、60x90cmの板を、麺棒は直径3cmの棒を買って、長さ90cmに加工しました。

自宅にはIHで使える大きな鍋がないので、ステンレス製の寸胴鍋を買いました。これは軽くて使いやすいので買って正解でした。

 

そのほかに、近所のスーパーで中力粉を買いました。

 

いろんな麺を自分で作ってみた

手打ちうどん

はじめに挑戦したのが手打ちうどんです。ネットで見つけたレシピや、中力粉のふくろに載っていたレシピで、だいたいの加減を見つけて、何度か作ってみて要領がわかってきました。

手順としては

1粉に水と塩をまぜる。水は粉の重量の40%程度(これより少ないとこねるのがたいへんです)。

2粉と水がなじんだら10分ほど休ませる。

310分ほどぐいぐいこねる。まとまりきらなくてばらばらした粉をうまく生地に練り込む必要があります。ここでこねすぎると麺が硬くなります。

4生地を丸めて30分以上放置。

5生地を薄く伸ばし、5mm以下の幅に切りそろえる。(包丁は好きなので、麺を切る工程は得意です)。

6たっぷりのお湯で10分以上ゆでる。10分は目安で、麺の状態を見てお湯から上げます。

7流水で冷やし、ぬめりを洗い落としたら完成。

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手打ちうどん(初回)硬く短い麺になってしまいました。

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3回目。麺は長く、ほどよいやわらかさでだいたいイメージしているものが作れました。

 

手打ちパスタ

無印良品の手作りパスタキットで2回ほど作ってみました。

www.muji.com

このキットは分量が2人分にちょうどよく、粉もパスタ専用なのでおいしいです。

さらに自分でも、中力粉(さぬきの夢)を使って作ってみました。うどん、ラーメンに比べて、水や卵、油などが入るので、粉がまとまりやすく、こねたり伸ばしたりもそれほど力を必要としないので、いちばん作りやすいと思いました。

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やわらかくておいしい麺ですが、スパゲティというより、赤いきつねの替え玉にちょうどいい麺でした。

 

手打ちラーメン

うどんをつけ麺のように濃厚なスープで食べるのも良さそうだと思って、つけ麺スープの素を買いましたが、せっかくスープを買ったのなら、うどんではなくラーメンを打って、つけ麺にしよう、ということでラーメンも作ってみました。

うどんとほぼ作り方は同じですが、材料に卵と重曹が入ります。また、麺を切った後に、ぎゅっともむと、ラーメンの縮れができます。縮れた麺は、スープがからんでおいしいです。重曹はうまく混ざらなかったようで、あまり効果が実感できませんでした。

私は麺を自作することが目的で、スープにはあまり関心がなかったので、業務用のスープの素を使用しましたが、たしかに簡単にお店のような味になります。具やスパイスを足したりして、さらに工夫をしても楽しいでしょう。

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しっかりした食べごたえのある麺で、お腹いっぱいになりました。

権威主義と集合知

手打ち麺づくりにおいて、意外な邪魔となったのが、妻の聞きかじりの知識でした。幼少期に熟読した『美味しんぼ』のせいで、妻は作ったことがない料理についてもあれこれ口を出したがります。

うどんを作ろうとすれば、「天使のほっぺ」のやわらかさにしろだとか、ラーメンを打とうとすれば、「かんすいはラーメン作りのスフィンクスだ」というし、黒いタンクトップを着ていれば、「ラーメン三銃士だ!」と喜んだりと、あれこれ口を出してきます。

一方で私は、必要な知識はインターネットに転がっていると考える方なので、多くの人のレシピを参考に、集合知に頼って、慣れない麺作りを少しずつ身に付けていきました。

 

ポイントはこねと広げ

手作り麺でやっかいなのは、こねる作業と、生地を伸ばして広げる工程でした。水分が少ないうどんの生地は、時間をかけてしっかりこねないと、生地がまとまらずばらばらになってしまいます。

また、麺を切る前に大きく薄く伸ばす作業は、けっこう力が必要で、毎回汗だくになります。うどんの生地は弾力が強く、なかなか薄く伸ばせないし、伸びてもすぐに戻ろうとしてしまいます。薄く伸ばせばそれだけ麺が長くなり、本物らしさが増すので、私としてはなるべくよく伸ばしたいと思っています。

こねる段階と広げて切るまでがめんどうなので、ここをフードプロセッサーや製麺機で代行するとだいぶ簡単でしょう。しかし手作業で麺を切るのはたのしいので、私は製麺機は使わなくてもいいかなと思っています。

 

基本を身につけ、さまざまな麺を作ろう

この一ヶ月で何度か手打ち麺に挑戦し、うどん、スパゲティ、ラーメンに共通するだいたいの作り方というものがわかってきました。まだまだ名店の味にはほど遠いのですが、自分でおいしいと思えるものが作れるのはうれしいものです。

これからさらに経験を積んで、もっといろいろな麺料理が作れるようになりたいものです。