ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

にぎり寿司を作ってみた

にぎり寿司という夢

先日は、うどんやスパゲティを作ったことをまとめました。

schlossbaerental.hatenablog.com

DIY感覚で料理にチャレンジするというのは、考えてみると一人暮らしのころもいろいろやっていました。北白川のアパートでは、キノコ栽培セットでしいたけやエリンギを育て、どぶろくを仕込み、銀閣寺道に移ってからは、てんぷらを揚げたり、ベーグルを作ったりもしました。ちょっと調べたり勉強したりすれば、できそうにないことも、だいたいそれらしくできるようになります。

今回は、以前からチャレンジしてみたかった、握り寿司を自分で作ることにしました。酢飯は妻が作ってくれましたが、ネタを切ったり、握ったりは自分でやりました。

YouTubeがあればたいていのことはできる

自宅にぎり寿司を作るために、まずはいつものようにネットで調べてみました。うどん作りはクックパッドなどレシピ系のページを見ればほとんどわかりましたが、寿司の場合は、どのくらいの量のシャリを、どんなふうに握っているのかを知るために、YouTubeの動画をたくさん見ました。もちろん作っている最中は動画をみながら確認したりはできないので、ある程度要領を掴んだら、あとは自分の感覚にたよって作業をしました。

youtu.be

握り方だけでなく、魚の切り方、手の使い方(酢水やわさびのつけ方、手に付いたシャリの処理)など、大いに参考になりました。

 

作業のポイントと難しかった点

魚の身の切り方

サクから寿司ネタを切り出す作業ですが、自宅の包丁はしっかり研いでいていつもよく切れるので簡単だろうと思っていましたが、魚の筋に直角に刃をあてること、そして食べやすい形に切ることがなかなか難しかったです。握り寿司なんて、刺し身盛り合わせをシャリに貼り付ければできるのでは、と思ってしまいますが、実際作ってみると、刺し身と寿司ネタは違います。イメージとしては、刺し身よりもだいぶ薄く切ったほうがよさそうです。

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盛りつける前に、切り分けたネタを並べます。

酢飯の扱い

日ごろ自宅では、ちらし寿司や手巻き寿司もほとんど食べないので、妻が味を整えて混ぜ合わせてくれた酢飯をどうやって握れる状態にするかが、最初に直面した問題でした。そのままの酢飯は熱々で触れられないほどだし、炊き立てなのでごはんつぶはべたべたくっつきます。

熱をさますために、ボウルに適量(2合くらい、それでも多かった)を取り出し、うちわで扇ぎながらさっさとかき混ぜ、水分を飛ばしました。後に寿司桶を買って使ってみましたが、やはり炊き立てごはんのあら熱や水分が抜けやすくなり、便利でした。

小さなボウルに酢と水を1対1で割った、酢水をつくり、一つ寿司をにぎるごとにかならず両手に水をつけました。手の水分も多すぎるとよくないし、少なすぎると米粒がくっつきます。動画の寿司職人さんがするように、手に水を付けたらぱんぱんたたき、手にのこった米粒はこまめにふき取りました。

また、これも自分で握ってみて初めて気づいたのですが、寿司を握るとき、それぞれの手は別の役割をします。私の場合はごはんを触るのは右手、ネタを触るのは左手ときっちり分けていました。両手でシャリを握ると、ネタがこめつぶまみれになります。

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寿司桶に移したシャリをかき混ぜながらすばやく扇ぎ、あら熱をとります。

シャリは人さし指からくすり指に収まる量

しろうと寿司で難しいポイントがシャリの量です。ごはんを握るというと、おにぎりを連想してつい手のひらいっぱいにごはんをとってしまいます。とりすぎないように、右手の四本の指先ですくうとちょうどいいです。酢水をつけていても、ごはんはべたつくので、なるべく一回で適量のシャリを取り、握っていく必要があります。何回かやってみて、自分にとっての適量は、人さし指からくすり指のあいだに収まる量だとわかりました。適量のシャリをとったら、右手で転がすように握り、形を整えます。この段階ではまだ、お寿司屋さんで出てくるような、俵型のシャリを作る必要はなく、私は紡錘型くらいのイメージで作りました。

私にとっては、このシャリを整形する工程がいちばん難しく、まだまだ練習が必要だと思いました。

ふんわりと握り、形を整える

職人さんの手の動きを見ると、けっこう力強くぎゅぎゅっと握っているように見えますが、実際にやってみるとかなりふんわりした力加減でないと、シャリもネタも指の跡がついて見苦しくなります。

握る作業はあくまで、ネタとシャリを張り合わせて形を整えるということです。おにぎりや柿の葉寿司とは違い、箸で持ち上げてなんとか形が保てる程度にまとまっていれば十分かと思います。もうすこし力を入れたい、という一歩手前くらいの加減で握りました。

でき上がった寿司は、お皿に盛りつけますが、3回目には、寿司桶といっしょに買った寿司台を使ってみました。寿司桶と同様、木でできた寿司台は、余分な水分を吸収してくれるので、寿司がべたついたり、となりどうしがくっつくことも避けられます。

にぎり始めてから二人分ができあがるまで、けっこうゆっくり作業してもだいたい15分くらいで完成します。慣れてきたら、もっと早くできるでしょう。

 

できあがりはこんな具合

一回目:鯛、鯵、納豆

冷凍庫に買い置きしてあった、鯛と鯵を使い、ついでに納豆軍艦巻きも作りました。

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鯵の身が大きかったので、隠し包丁をいれて食べやすくしています。鯛はさすがのおいしさです。

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海苔がおにぎり用にカットしたものだったため、長さが足りず、納豆があふれています。また、ごはんにのせる中粒くらいの納豆は、軍艦巻きにするととても食べにくかったです。

 

二回目:まぐろ、鯛、鯵、ひきわり納豆、いくら

一回目であまった材料に、まぐろといくらを追加して、大量に作りました。

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二合炊いたシャリをほとんど使い切ったので、あきらかに二人で食べるには多すぎました。

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新品の海苔を切って軍艦巻きを作りました。また、前回盛りつけにくかった納豆は、いったん混ぜたものを包丁で細かく挽き割りにしました。にぎりをたべてだいたいお腹いっぱいになっていたので、軍艦は次の食事にまわしました。

三回目:まぐろ、ひらめ、スモークサーモン、はまち

今回はつくり過ぎないように、始めからシャリを一合だけ炊き、ネタも一種類につき4,5枚程度切り出すだけにしました。スモークサーモンはスライスされたものを使いましたが、ちょうどいい大きさでした。

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寿司桶と同時に寿司台も買ったので使ってみました。一気に見栄えが良くなります。

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栃木県小山市の地酒、若駒とともにいただきました。


回を増すごとに、作り慣れていくように思いましたが、一回目からすでにかなりのおいしさでした。少なくとも近所の安スーパーやコストコの寿司よりははるかにおいしいと思いました。

注意:握り寿司ってそんなにたくさん食べられない

大人二人暮らしのわが家では、一回に2合のごはんを炊き、それを4〜5食分にわけて使っています。一回目、二回目は、どれくらいの酢飯がちょうどいい量になるかよくわからず、たくさんつくり過ぎてしまいました。

三回目は酢飯を一合だけ炊いて、一合でだいたい握り寿司21貫ぶんになりました。それぞれ10貫程度たべればお腹いっぱいです。

寿司の適切な分量として難しいのは、ネタです。こちらも買ってきたネタをいろいろ使おうと思うと、かなりの分量になってしまいます。4種類くらいのネタを握ろうとしたら、それぞれ2,3貫分のネタがあれば十分です。買ってきた切り身では当然余ってしまうので、余ったら早めに海鮮丼にするか、加熱して食べるかしないといけません。

今日は、半分以上のこっていたハマチをぶりの照焼きふうにして夕飯に食べました。

注意2 軍艦巻きも難しい

握りよりも見た目が簡単そうな軍艦巻きですが、やってみると海苔のサイズ感がわからないし、握りと違って、ネタを載せる段階で形を整えたりできないので、むしろこっちのほうが難しいのでは、と思いました。

また、海苔がついているとどうしてもお腹に溜まるので、握りよりも少しで満足できます。せっかく自分で作るのだから、いくら軍艦などはたくさん食べたいと思いましたが、正直なところあまり食べられませんでした。

 

今後の展望

夫婦ふたりでおいしく食べるくらいの寿司は、自力で作れると確信が持てるようになりました。しかしこれで満足するわけにはいきません。やはりもっとたくさん、すばやく作れるように練習を積み、ホームパーティー等で人にふるまったりもしたいと思っています。しばらくは、月一くらいの頻度で、自宅にぎり寿司の練習を続けていきます。