極寒のベルギーから、ふたたびドイツへ
風邪をひいて寝込んでいたため、数日間が空きました。(前回はこちら)
schlossbaerental.hatenablog.com
ルクセンブルクから再びドイツへ戻ります。(当初の予定では、ヴァイナハツマルクトが開催中であるフランスのストラスブールまで足を伸ばすつもりでしたが、フランスの大規模ストライキにより断念しました)。来る時はモーゼル川を経由しましたが、今度はベルギーを経由して西側からドイツへ入ります。
2時間ほどで、ベルギー東部の町リエージュに着きました。ここでTGVに乗り換え、アーヘンへ向かいます。
リエージュに着きました。とにかく寒さにびっくりしました。
おしゃれな配色のベルギー国鉄の車両。
ゴミ箱もおしゃれ。
開放感のある駅舎からは町が見渡せました。町の様子はオランダふうです。そしてとにかく寒いです。
30分ほど赤い車両のTGVタリスに乗って、アーヘン中央駅に着きました。京都から新大阪程度の時間しか離れていませんが、アーヘンは驚くほど暖かでした。
歴史の街を感じさせる中央駅です。
カール大帝と大聖堂のまち
アーヘンに来たのは、ヴァイナハツマルクトのためではありませんでした。せっかくだから、最後に以前から憧れていた世界遺産の大聖堂をぜひとも見たいと思ったからでした。
アーヘンは、ドイツ語の教科書などではとくに言及されることはなさそうな街ですが、じつは歴史的にものすごく重要な場所です。
800年にローマ皇帝となったカール大帝が作った宮殿付属の教会が、アーヘン大聖堂です。カールの死後には、数百年にわたって神聖ローマ帝国皇帝の戴冠式がこの大聖堂で行われていました。
また、アーヘンには工科大学があり、学部時代の指導教員がここで学位をとった人だったので、何度かお話を聞いて、ずっと前からいつかは訪れたいと思っていました。
駅から15分ほど歩いて旧市街のホテルに荷物を置くと、さっそく大聖堂を見に出かけました。
大聖堂裏手の広場。ヴァイナハツマルクトの痕跡がありました。これから撤去作業でしょう。
複雑な作りがそとからも良くわかります。
入ってみて、美しい装飾に驚きました。
特に驚いたのが、天井のタイルでした。
ひたすら写真を撮り続けていました。
長いこと憧れていた場所だったので、じんわりと感動しました。
宮殿の宝物を見る
大聖堂のすぐ隣には宝物殿があり、せっかくだから入ってみることにしました。
黄金でできた小さいおじさん形の水差し。
黄金のペテロ。
犬型の水差し。顔が独特。
こちらは金だけでなく各種宝石もたくさんくっついています。
金のおじさん。
そしてカール大帝の胸像です。非常に大きく、写実的な像でした。
ブルンネンの街
アーヘン旧市街ですぐ気づいたのは、ブルンネンがいくつもあることでした。
これは最初に見つけた、「お金の循環」をあらわす群像のブルンネン。水は渦のように流れていました。
そして操り人形のブルンネン。いろいろな人形がくっついていますが、それぞれ関節がよく動きます。
面白いことに、通り過ぎる人がみな立ち寄っては、思い思いに人形を動かしては去っていきます。
こちらは鶏を抱えた男の彫像が載っています。下にはひよこが何羽もいました。
かわいらしい雀がたくさんくっついたブルンネンです。
旧市庁舎の前には、大きなカール大帝のブルンネンがありました。夏で水が出ている時期だったらきれいだったでしょう。
市庁舎にくっついていたビアレストラン。非常に由緒のありそうなお店です。
郵便馬車が看板に絵が描かれています。
市庁舎の階段からは大聖堂がよく見えました。
市庁舎前の広場には、古くからの建物が並んでいて、夕食にはアーヘンの地元料理やドイツ名物の豚のスネ肉などを食べました。
妻にも一度くらい典型的ドイツ料理を味わって欲しいと思い、豚スネ肉を。
私は牛肉のローストを食べました。ちょうどいい味でおいしかったです。
もう一つ、旧市街のブルンネンとして非常に重要なのが、この温泉です。
手を浸すととても暖かく、硫黄のにおいがする温泉が出ていました。この街は古来から温泉地として有名だったそうです。
名物菓子アーヘナープリンテン
アーヘンのもう一つの名物が、お菓子のアーヘナープリンテンです。
ここは大聖堂すぐ裏手の有名店です。
観光客もたくさん訪れます。
見るとわかりますが、クリスマス菓子のレープクーヘンによく似ている焼き菓子です。
チョコがけ、ナッツを載せたもの、ハーブを練り込んだものなどさまざまな種類があります。
大きな塊から、一口サイズのものまでありました。
名物とはちがうのでしょうが、旧市街のお店で非常に良かったのが、こちらの模型店でした。
店頭には鉄道模型が飾られていましたが、鉄道だけでなくあらゆる模型がありました。
住んでいたら通ってしまいそうなお店です。
最後に温泉があった公園のブルンネンを撮りました。ここは真冬でも水が出ていました。当初の予定を変更して訪れたアーヘンでしたが、やはり世界遺産の大聖堂はすばらしく、見応えがありました。街も、ベルンカステル=クースのような田舎町とは違う、伝統的なドイツの地方都市(ゲッティンゲンやフライブルクにも通じる)の活気と美しさがありました。ふだんの行動範囲からは離れていますが、つぎはぜひ暖かい時期に再訪したいと思いました。