フライブルクの夏
フライブルク大学図書館での資料調査のため、土曜日からフライブルクに滞在していました。実はこの町には、5年前の2011年の正月にも来ています。そのときは、スイスのベルンで2泊して、フライブルクを経由し、パリへ戻るという旅程の途中で、一泊したのみでした。ちょうど年始で非常に寒い時期でした。旅行というより寒げいこのような、とんでもない忍耐を強いられる滞在でした。
しかし、いまは夏です。毎日毎日太陽が照り付けています。日本のように夕立が降ることもありません。日本に比べてはるかに涼しかろうと予想してきたのですが、乾燥しているのと、最高気温が多少低いことは除けば、暑さじたいは日本とも変わらないかもしれません。大阪にいた当時とおなじように、毎日半袖半ズボンですごし、タオルで汗をぬぐっています。
なぜか高い宿泊料金
フライブルクに来ることを決めて、ホテルを探したのですが、料金の高さに驚きました。(私の感覚では、ドイツ語圏で一泊1万円以上というのはだいぶ高いレベルです。まあまあのビジネスホテルやアパートメントならば一泊6000円から8000円程度でしょう)夏休みとはいえ、地方の大学町です。ベルリンやチューリヒのような値段にはなるまい。ライプツィヒやドレスデンのような安くて便利なホテルがあるだろう、そう思っていましたが、完全に期待を裏切られました。まあ、今回は予算にある程度余裕があるので、旧市街の中心に近い、歴史的な価値のありそうなホテルを選びました。
ここはみんなが夏休みを過ごす町
町についたのが週末だったこともあり、メインストリートの人の多さに驚きました。5年前に来た時も、そこそこにぎわっていて、小さいのに活気のある町だと思いましたが、当時よりも数倍人が多いように思いました。
町を行きかう人の様子を見ていて、どうやらみな、私と同じような旅行者なのだと気づきました。さまざまな国から団体旅行や家族旅行、学生のサマースクールなど、あらゆる旅行者がこの町に集まっているようでした。
大学は平常通り
フライブルクは美しい旧市街でも有名ですが、町の中心には大きな大学もあります。大学に入ると、とくに休み中の雰囲気ではなく、学生たちはふつうに図書館等で勉強をしたり、友達と集まったりしています。図書館の混雑具合は、学期中のようにも思えました。
新しい大学図書館。中は快適ですが、建物の外は照り返しで焦げるようです。
大学のなかです。学生たちは朝でも夜でもたくさんいました。
大学内には水門があります。きれいな水がごうごうと流れています。
休暇中であることを実感したのが、研究所など小さな図書館が閉まっていたことでした。ホームページで所在や利用方法は確認していたにも関わらず、行ってみたい研究所の図書館はちょうどお盆期間がお休みでした。これまでもよくこの種のミスをしてきたように思いますが、まったく成長の跡がみられません。
夕方になると、夏休みであることを実感する
大学での作業を終え、町を歩いたり夕食をとったりする時間帯、ドイツでは8時半ごろまで明るいのですが、この時間の町のにぎわいが、ひじょうに夏休みらしく感じられます。旧市街の広場は、多くの人でごったがえしています。みんなカフェのテラス席でビールやワインを飲んでいます。土曜日にはバーデンワインの試飲テントが出ていました。(ここではしゃいで7杯=1リットル近く飲んでしまいました)
私が夕方の散歩を終え、インビスで夕飯を食べても、まだまだ町はにぎやかです。ホテル近くの醸造所のビアガーデンは、毎日夏祭りのような混雑でした。一度行ってみましたが、人の熱気で汗が止まりませんでした。
水路につどう若者たち
おもしろいのは、レストランやカフェだけでなく、広場や路上にも人々があふれていることでした。フライブルク旧市街には、きれいな水路が張り巡らされています。昼間は子供たちが水遊びをする水路に、夜は若者たちがつどいます。夜でもけっこう気温が高いので、みんな水路に足を浸しながら、夜遅くまでワインを飲みながらしゃべったり、歌ったりしているようでした。
水路に面した広場に若者がつどっています。土日だけでなく、平日もほぼ毎日この状態です。
水路に足をつけながら、夜遅くまで語り合います。
市民公園などに人が集まるのは、一昨年のライプツィヒ、昨年のウィーンなどでも見ましたが、旧市街の水路に人が集まるというのはまったくこの町ならではです。夏らしい光景が見られて、この町に来てよかったと思いました。
余談というかよくわからなかったのですが、水路の近くにいて、蚊にさされることはないのでしょうか。一度も蚊に刺される人、かゆがっている人を見ませんでしたが、どうなのでしょう・・・
最終日は山登り
明日は早朝に発つので、午前中にSchlossberg(城山)に上ってみました。旧市街にせまるような大きな山ですが、実際上ってみるとそう高くはありません。京都の吉田山の二倍くらいという分かりにくいたとえになりますが、そのくらいでした。
ちょっとした公園や丘にでかけるだけで、うっそうと生い茂る森を味わえるのがいいですね。
山の中にあったふれあい牧場的な施設。この動物はなんでしょうか。ヤギ?
私は歩いて登りましたが、ケーブルカーという手段もあったとわかりました。