ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

紀州口熊野マラソン、3回目の完走

2月はちょうどフルマラソンの季節です

1月から3月ごろにかけて、各地で毎週さまざまなマラソン大会が開かれています。東京マラソンや京都マラソンなど、この時期に開催される有名どころの大会はテレビや新聞のニュースにもなります。しかし当然のことながら、都市部で開かれる大きな大会は人気が高いので、毎回抽選があり、10倍以上の高倍率を勝ち抜かないと出場することすらできません。

私は毎年この季節に2、3回フルマラソンに出場しています。今回はまず和歌山県上富田町で開かれた紀州口熊野マラソンに参加しました。

 

泉州国際マラソンは落選

昨年出場した、泉州国際マラソンですが、今年はなんと落選でした。

schlossbaerental.hatenablog.com

(昨年のレポートです↑)

自宅から日帰りで行きやすい大会なので残念でしたがしかたがありません。やはり都市型マラソンということで、出場条件がややきびしいものの(フルマラソン5時間以内)、参加者は非常に多いようです。

一方、口熊野マラソンは、大阪からすぐ行ける和歌山での大会ですが、規模は小さく、抽選はありません。参加費も安いので気軽に申し込める大会です。

kuchikumano-marathon.jp

 

和歌山は大阪から近い

東京や関東から見ると、和歌山県はでっぱった紀伊半島に位置し、中上健次の小説などで描かれた様子から、中央から遠く隔絶された田舎のイメージが強かったのですが、少なくとも和歌山市やその周辺は大阪からほど近く、やや地方色が強いベッドタウンといった様子でした。(しかし和歌山都市圏を離れると一気にものすごい田舎になります。高速道路は片側一車線で非常に混雑します)

 

枯木灘 (河出文庫)

枯木灘 (河出文庫)

 

 私にとって和歌山というとこの作品でした。狭い村社会、複雑な家族関係、憎しみ合う親子兄弟などなど暗い話なのですが面白い小説です。

和歌山は日差しが強くてあたたかいはずなのに

今年はせっかくだからと前日の夕方から和歌山入りしていました。昨年、一昨年は、どうせ近いのだからと早朝に高速道路で出かけていましたが、実際のところ200km近い距離があるので運転はそこそこたいへんです。会場に近づくにつれて道路は渋滞してくるので、間に合うかどうかと気持ちも落ち着きません。

今回は土曜日の午後に家を出て、空いている時間に和歌山に到着し、田辺のお寿司屋さんで夕飯を食べて、みなべ町のホテルに泊まりました。安くて広い部屋に泊まれました。ホテルから会場までは30分もかからなかったのでちょうど良かったと思います。

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毎年口熊野マラソンは、家のまわりや大阪よりも暖かく走りやすいので好タイムが期待できる大会です。昨年は土砂降りでしたが、それでも大阪より暖かかったです。しかし今年はかなり風が冷たく、寒さに苦しみました。これまでにない寒さのなかでのマラソンでした。

 

遠い4時間

2年前ごろから、フルマラソンならだいたい4時間10分程度で走れるようになってきました。とくに練習量を増やしたり、体重を落としたり、スピードを上げるトレーニングをしたりはしていないので、おそらくウルトラマラソンなどもっと長距離を走る練習が生かされているのかもしれないし、あるいは10年近いマラソン経験の蓄積がより効率的な走りにつながっているのかもしれません。

しかしなかなか4時間を切ることはできません。昨年のタイムやコンディションを振り返りながら、あと1km分、6〜7分くらいを短縮できればサブ4達成できるとわかっていたので、前半の元気なうちになるべく貯金を作る作戦をとりました。すなわち前半の22kmを2時間、後半は1時間で10kmずつ走って4時間でゴール。非常に単純な作戦ですが、おそらくこれが自分の走り方にはあっているのではないかと思っていました。

結局30kmすぎあたりから徐々に予定より遅れだし、41km地点でちょうど4時間が過ぎてしまい、昨年の4時間11分よりは少し早いものの4時間7分でゴールしました。またもやあと1km分間に合いませんでした。

 

 

木津川マラソンとの比較

会場までの道を歩いていて、妻が木津川マラソンと似たような感じがすると言っていました。たしかにコースや会場周辺の様子など似ていると私も思っていました。ちょうど2月初旬に京田辺市で行われる木津川マラソンは、京都から近く参加費が安いことから、以前2回出場したことがありました。

2回目の出場となる2013年にはそれなりに練習を積んで(11月ごろから月250〜300km近く走っていました)いたにもかかわらず、当日に体調を崩し、5時間以上かかってしまいました。その後引っ越して京田辺まで行きにくくなったこともあり出場していませんでした。

木津川マラソンも口熊野マラソンと同様、川沿いの道を往復します。川特有の風の強さと同じ風景がずっとつづくことが非常に苦しいコースでした。木津川マラソンでは2回とも風と寒さによる汗冷えが原因で失速したものと考えられます。

しかし口熊野マラソンは、木津川と比べてこれまで2回はあまり寒い思いをしませんでした。和歌山なので温暖だし、木津川よりも山の中なのでそれほど吹きさらしにならないからかもしれません。

今回はずっと冷たい風が吹いていて、木津川マラソンを思い出しました。私は春のマラソンや夏のウルトラマラソンのように、暑い時期の大会の方が得意です。寒い時期のマラソンではたいてい胃をやられて失速したり、ゴール後に嘔吐したりしています。苦い記憶が何度も蘇ってきましたが、無事ゴールし、お昼ご飯もたくさん食べられて安心しました。

 

マラソンを走ることで何を感じているのか?

フルマラソンは長いし、ずっと走っているので忙しいです。しかし、4時間もかかるとその間にいろいろなことを感じます。仕事のことや研究のことを思い出したりもします。いつも感じているのは、自由な気持ちです。

息を切らして走りながら、自分は自由なんだと実感します。ちょうど子供の頃、日が暮れるまで外遊びに熱中したり、海に行った時に指がふやふやになるまで潜って遊びつづけたころのような気持ちです。

日頃仕事に追われていたって、こうやっていつでも走りに行くことはできるし、自由な気持ちを思い出すことができるんだと実感しました。

 

シューズ、足の状態

今回は、11月に買ったナイキズームフライを履きました。以前の日記にレビューを書きましたが、その後二ヶ月間毎回練習に使用してきました。すくなくとも20km程度の距離ならば、とくにどこか痛くなるということはなく、非常にバランスの良いシューズだと思いました。このまま一足を履きつぶしてしまうのはもったいないので、先月は海外通販で(国内では品薄で買えないので)もう一足購入しています。(けっこう高くつきました)

 

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ナイキジャパンでは売ってないカラーです。

大変履きやすいズームフライですが、やはりアッパーのゆるさがフルマラソンでは気になります。私はアシックス、ミズノ等国産ブランドのシューズだと(足指が動くせいか)どうしても足の小指が擦れてしまって水ぶくれができます。ズームフライも短時間であれば足先のゆるさや足指が無駄に動いてしまう感じは気にならないのですが、フルマラソンの距離だと、水ぶくれや爪の黒ずみができてしまいました。

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足腰のダメージですが、今回はレース前に会場から車で30分ほどのところに宿泊し、レース後はお風呂につかったりしたため、疲れがそれほど残っていません。翌日もふつうに階段の上り下りはできました。昨年は、この大会の二週間後に泉州国際マラソンでしたが、足の疲れが取れず、ほとんど練習できなかったと書いていました。今年はそれに比べるとだいぶ回復が早いように思います。

 

コースが見えるオフィシャルTシャツ

マラソン大会では毎回参加賞のTシャツがもらえます(タオルがもらえるところもあります)。口熊野マラソンのTシャツは毎回オシャレなイラストがプリントしてありますが、今回は背中にコース図をデザインした図柄でした。

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私はこのTシャツを着て走りませんでしたが、当日Tシャツを着て走る人がたくさんいました。非常に便利だったのが、前を走る人の背中を見てコースを確認できるという点でした。デザイン化されて実際の地図とは違いますが、何回か走っている人にとっては、ここからこういってこうか、とか橋を渡ったら少し山の方に行くんだっけ、とコースを思い出すことができます。これは非常に便利なので、他の大会でもとりいれてもらえればと思いました。

 

まだまだ続くマラソンの季節

次のフルマラソンは2月下旬です。3月には六甲縦走トレイル(40km)、4月には昨年も出た香住マラソンと、大会がつづきます。