ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ウィーンブルネン巡り(2)市内中心部を歩く

ヴェーリングから中心部へ

前回の記事に書いたように、今回のウィーン滞在時には、市内北西部のヴェーリング地区にいました。ウィーン市内はバスや地下鉄のほかに路面電車も走っていて、国立図書館に行くには、路面電車を乗り継いでいました。

路面電車の通っている、ヴェーリンガーシュトラーセには、ウィーン大学の校舎がいくつも立ち並んでいます。詳しいことはよくわかりませんが、ショッテントーアにある本部キャンパス以外にも、市内北西部にかけて、いくつもの校舎や研究機関が点在しているようです。

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青いのぼりが掲げられている建物は、大学の研究機関です。

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ウィーン大学医学部の付属機関である、Narrenturm(狂人塔)は、その名の通り、かつては精神病者を収容する施設として使われていましたが、現在は医学史関係の博物館となっています。ここは、2015年の滞在時に見学しました。

Narrenturmの近くに、もう一つ医学史関係の博物館、ヨーゼフィーヌムがあります。

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ヨーゼフィーヌム入り口の看板

こちらは、蝋でできた解剖人形などの人体標本が展示されていました。ヨーゼフィーヌムの正面にあったのが、こちらのブルネンです。

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蛇を手に持った女性像は、健康の女神ヒュギエイアです。

このヨーゼフィーヌムからさらに10分ほど歩くと、路面電車のターミナルである、ショッテントーア駅があります。ウィーン大学本部、そして大きなフォーティーフ教会とその前のジークムント・フロイトパークがあります。

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教会の前に広がる、ジークムント・フロイトパーク。フロイトの診療所があったベルクガッセはこのすぐ近く。

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ウィーン大学中庭。静かな庭園では学生たちが読書をしたりしていました。)

ウィーン滞在時には、しばしば夕方の時間に、ショッテントーアでビールと軽食を買い、フロイトパークでのんびり過ごしました。ベンチやリラックスチェアなどが設けられており、市民の憩いの場として利用されていました。

 

旧市街、フェルステルパッサージュのブルネン

ショッテントーアから旧市街へと入っていくと、パッサージュの入り口があります。

ここは、もともと宮殿だったところを改装して、カフェやワイン屋さんなどの店舗が入っています。非常に装飾が豪華でした。

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チョコレート屋さん。有名店だそうです。

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通路の奥にあるブルネン。ガラスの天井から入り込む太陽光で、とても明るいです。

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ウィーンの中心にある王宮

前回の記事に書きましたが、初めて訪れた際、最短距離をいけば僅か3km程度の道を歩くのに、二時間近くかかってしまったのは、ウィーン中心部は非常に道が込み入っていて、なおかつ王宮の大きな建物が、いくつも点在しているからです。どの建物も大きくて、通り抜けられない場所も多いので、地図を見ないと迷ってしまいます。

 

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王宮です。この建物の向こう側に、国立図書館があります。中央の門から通り抜けられるようになっています。王宮の中は博物館などがありますが、入ってみたことはありません。

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遠くからも目立つ、王宮の丸屋根です。金の装飾が豪華です。

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王宮の正面に立つ、アドルフ・ロースの建築。すっきりしたシンプルなデザインがポイントですが、よく見ると一階部分のグリーンの大理石を使った柱など、非常に手が込んでいます。

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王宮正面の噴水。記念撮影をする人だけでなく、暑いので水しぶきで涼む人もたくさんいました。

 

オペラ座の噴水

今回はオフシーズンだったので、素通りしただけのウィーン国立劇場です。

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ここは、2016年公開の「ミッションインポッシブル ローグネイション」で、序盤に登場した場所です。

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トムさんが、レベッカ・ファーガソンといっしょに、舞台裏でどんぱちやって、屋根から逃走するシーンが印象的でしたね。

ここにも噴水がありました。多くの人はオペラ座正面の写真はとっていても、噴水には無関心な様子でしたが。

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シュヴァルツェンベルガー広場の噴水

こちらも前回の滞在時にも撮影した噴水です。オペラ座から路面電車で3分ほどのところ、旧市街を囲むリングから少し南側に出たところに、シュヴァルツェンベルガー広場があります。道路に囲まれた広場の中央には、大きな噴水、ホーホシュトラーフブルネンがありました。

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ピンク色の水が噴き出してて驚きましたが、夕方になるとライトアップされ、数分ごとに色が変わるようです。

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いったん白くなり

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緑色になりました。おもしろかったので、動画も撮りました。

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もう少し明るい時間だと、こんなふうになっています。(2015年8月撮影)

噴水の後ろに光っている兵隊の像は、赤軍英雄記念碑です。1945年のウィーン攻勢のさいに、亡くなったソ連兵を記念しているそうです。

 

工科大学前のカエル噴水

これはそんなに有名どころではないのでしょうが、ウィーン工科大近くで見つけた、カエルの噴水です。キムゼーのヘレンキムゼー城でもカエルやワニの噴水がありましたが、水を噴くカエルというのは、人気のモチーフなのでしょうか。

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小さなカエルたちが水を吹き出しています。涼しげな様子です。

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なんか気持ち悪いフクロウみたいな像がくっついている、工科大学の建物です。

 

今回は以上のように、ヴェーリングから南下して、市内中心部を縦断し、工科大学やシュヴァルツェンベルガー広場までの噴水を紹介しました。次回は、ブルネンの名所、シェーンブルン宮殿と市民公園のブルネンを紹介します。