日曜日、どこかへ出かけよう!
ミュンヘンには、8月14日から22日まで滞在していました。だいたい毎日国立図書館にでかけて、文献をスキャンして過ごしていました。しかし、日曜は州立図書館の出納業務が休みになってしまう(閲覧室の一部のみ使用可能)ので、どこかに出かけることにしました。
カール・デュ・プレルの故郷、ランツフート
15日の休日には、キムゼーに行って、ルートヴィヒ二世の宮殿を見てきました。今回は北のほうにある小さな町、ランツフートに行ってみることにしました。ランツフートはミュンヘン市内から北東に約60キロほど離れたところにあります。大昔はバイエルンの都が置かれていたことでも知られています。
この街に行こうと思ったのは、私が研究テーマとしている、ミュンヘンのオカルティストカール・デュ・プレルが生まれたのが、ランツフートだからです。デュ・プレル自身は生涯のほとんどの期間をミュンヘンで過ごした(彼が住んでいたのは、マックスフォアシュタットのノイエ・ピナコテーク近くです)のですが、どのような場所に彼の一族が暮らしてきたのか、多少は知ってく必要があるだろうと思ったのです。
郊外行きの電車で約1時間、のはずが
先日のプリーンと同様、中央駅からDBの郊外行き電車で出かけました。途中ミュンヘン空港があるフライジングなどを通って、約1時間でランツフートまでつきます。ちょうど東京から古河や小山くらいの距離感でしょうか。
しかし、電車が出発して間もなく、どこかの駅で急に停車しました。聞き取りにくい車内放送をきいた他の乗客たちが、続々と列車を降りて行きました。近くにいた黒人女性と子供たちは、私と同様あまりドイツ語ができない様子で、戸惑っていましたが、それをさっしたドイツ人の女性が、すぐに状況を伝えてくれました。どうやら、何らかの事故があったため、ここから先は運休で、乗ってきた電車はミュンヘンに戻るとのことでした。
駅のホームで、どうしようか考えました。乗客たちは、しばらくの間、車掌さんにつめよったり、対応を相談したりしていましたが、だんだんとみな、駅をでてタクシーを拾ったりしはじめました。私もタクシー乗り場まで行きましたが、よく考えるとランツフートまではまだまだかなり遠いので、タクシーで行くのは無理だし、もう少し復旧を待つか、あるいは引き返すほかないと判断しました。
(駅で見つけたかわいい猫の看板。キャットフードの広告です)
乗客たちが、駅前でわいわい騒いでいる中、とりあえずかわいらしい噴水を見つけたので撮影しました。
噴水を撮り終え、とにかく時間を潰さねばと、駅に戻ると、この駅から近いところに城があることがわかりました。グーグルマップで確認すると、たしかに大きな城館と庭園があります。ランツフートに行けないなら、別の城でいいやということで、Schleißheim城に行ってみました。
シュライスハイム城と庭園
オーバーシュライスハイムの駅から15分ほどで、シュライスハイム城につきます。ここは厳密には成立時期の違う3つの城から構成されています。今回は、手前よりの旧城(Altes Schloß Schleißheim)と新城(Neues Schloß Schleißheim)、そして周辺に広がる庭園を見てきました。
Schleißheim見取り図。ウィキペディアより。
とりあえず新しい城(こちらが一番大きい)に、 入場料を払って入ってみました。
こちらが旧城。こじんまりして落ち着いた雰囲気です。
新城入り口前の噴水。
全く知りませんでしたが、ここは、バイエルン選帝侯ヴィッテルスバッハ家が17世紀から18世紀に作った城館なのだそうです。たしかに建物の雰囲気は、ミュンヘン市内にある、ニュンフェンベルク城にもよく似ています。
中に入って驚きました。とにかく広いし、豪華です。
階段や柱の装飾もみごとでした。
城館からみた、新城前の庭園の様子。
広い庭を散策して、たくさんの噴水を撮りました。
ちょうど昼過ぎの時間だったので、庭園内にあるビアガーデンでお昼を食べました。
バイエルンらしく、ビールと豚肉です。豚肉はそんなに脂っこくないので食べやすかったです。
ビアガーデンといっても、ビールだけでなくジュースやケーキもあるので、家族づれでも楽しめます。この庭園は広々しているので、ペット連れや子供連れの人、ジョギングやサイクリングを楽しむ人など、多くの人で賑わっていました。
ミュンヘン中心部をでて、わずか15分程度でこれだけ広い土地が残っているというのは、日本からみると信じられません。この宮殿や庭園がちゃんと維持されているところに、バイエルンの豊かさを実感しました。
お昼を食べ終え、もうこのままミュンヘンに帰ろうかと思いながらOberschleißheimの駅に戻ると、電車は復旧していました。まだまだ明るいので、もう4時過ぎでしたが、本来の目的地、ランツフートへ向かうことにしました。(つづく)