ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ベッドにもなるソファを自作してみた

研究室で横になりたい

自宅や研究室に自作本棚やサイドテーブル、サブデスクなどを制作してきました。

これらに加え、以前から研究室に置きたいと思っていたのがソファでした。

以前いた研究室には、カリモクのチェアとテーブルが据え付けてありました。上品な応接室ふうのセットでしたが、座ってくつろぐには不向きなので、引っ越しの際に廃棄することにしました。

また、昼寝用に無印良品のリラックスチェアを買っていましたが、座面がやや固く、本気で昼寝するとなると腰が痛くなるのであまり役に立ってはいませんでした。

去年あたりから、胃炎や疲労のため研究室で横になりたいと思うことが何回かあったため、座って読書するだけでなく、横になって昼寝したりもできるようなソファがほしいと思っていたのでした。

 

5年前に作った一人がけソファ

もう5年前になりますが、リビングに置いている一人がけソファを自作していました。

schlossbaerental.hatenablog.com

肘掛けと背もたれが同じ高さに揃っていて、見た目がきれいなソファです。Amazonで買った厚さ15cmのクッションを座面に敷き、背もたれにはやわらかいクッションを置いています。

2021年3月頃

2025年夏。トリマーで角を丸め、ワックスで艶出しをしています。


このウッドソファをもとに、研究室用ソファ兼ベッドを作ることにしました。

 

立体物は設計がたいへん

5年前のウッドソファ制作のときは、さまざまな作例を検索し、自分の要望に一番近いものを選び、材料や寸法などはほぼネットで拾った資料を丸写しにしました。

今回も同じように、いろいろな人の作例を探したのですが、なかなかちょうどいいものがないので、iPadをつかって、何度もスケッチを試み、いろいろなサイズや形からどのくらいが最適なのか模索しました。

大まかなイメージ図です。ここからさらに各部分の細かな設計図を何度も描きました。

 

まずは大きさを決めます。

幅は180cm、奥行きは60cmくらいあればちょうどいいのですが、180cmもあるソファを置くとなると研究室でもちょっと場所を取ります。そこで、120cmのソファと60cmのオットマンに分割し、必要に応じてくっつけて180cmのソファベッドにできる構成にしました。

 

次に形です。

一人がけウッドソファでは、左右に肘掛けを付けていますが、新たに作るソファでは、ソファベッドに変形させるため、肘掛けは片側(右側)のみに設置して、もう一方はオットマンと連結するためフラットにしてあります。

 

そして部品の構成や組み立て手法を決めました。

だいたいイメージが固まってきたところで、各部分のサイズを決め、部品の構成を決めていきます。そのさい、どのようにネジを打ち込んで接合するかも考えなければなりません。フレーム、座面、脚、背もたれといくつかの部分に分けて、図面を描き、パーツの組み合わせを考えました。おそらくこの工程がいちばん大変でした。

 

材料を買ってきて組み立てる

夏休みが始まった頃、いよいよ材料の買い出しと組み立てを始めました。

今回はほとんど2x4材と1x4材を使いました。本棚などの場合には、2x10や1x10など幅の広い材を使うのでコストがかかりますが、今回は割と安く済みました。

ここからの作業は以下のように進めました。

1)木材カット 

枚数が多い座面用の1x4材はホームセンターで切ってもらいましたが、フレーム、脚、背もたれなどは自分で丸ノコで切断しました。

2)組み立て

120cmのソファと60cmのオットマンの2つを作ります。先にオットマンを組み立てました。ソファの方はフレームと座面を家で組み立て、残りは研究室に持ち込み後接合することにしました。

3)サンディングと面取り

組み立てた後にヤスリがけと面取りをしました。トリマーで面取り作業をすると大量の木くずが飛び散ります。風が強い日が続いていたので、近隣の家に怒られそうでひやひやしました。

4)塗装

今回もいつものように、ワトコオイルで下地を作り、その上にブライワックスを塗ってつや出しをしました。

5)搬入と組み立て

ドイツに行く直前に塗料が乾燥したので研究室に持ち込んで組み立て作業をしました。

まだ座面クッションがついていませんが、とりあえず形になりました。

このように並べればベッドになります。

 

6)クッションの搬入、完成

ドイツに行っている間に注文していたクッション(ブロックソファ)が届いたので、帰国後に持っていき、座面に載せて完成しました。ソファ本体とクッションの間が少し滑るので、後日滑り止めシートを買って間に敷いてみるとぴったりくっつきました。

さっそく横になってみた妻。とても快適だったのでこのまましばらく寝ていました。

このように配置すれば、脚を伸ばして座ることもできます。

手間がかかったけど自作してよかった

以上のように自作ソファの制作過程を振り返ってみました。はじめに作ってみようかなと思い始めたのはたぶん一年くらい前だったと思うので、完成までにかなり時間がかかりました。

そして気になる制作費ですが、木材、クッション、ブロックソファと部品の点数が多いこともあり、そこそこかかっています。

木材が1万円程度、クッションは無印の背当てにもなるやわらかマルチクッションが2個と背当てにもなるやわらかマルチミニクッションが1個で合計1万円。そしてブロックソファが12000円くらい。合計で3万円ちょっとかかりました

既製品のほうが安いのかもしれませんが、いつも言うように自作ならば大きさ等を自分で決められるし、完成後に手直しもできます

今回のソファはすべてネジで接合してあるのでバラバラに解体することもできるし、再組み立ても可能です。しかも工夫してネジ穴はすべて表に出ないようにしています。

これまでの経験を活かしてうまくできたので、ひとまず満足しています。

 

さらにもう一つ作りたいものがある

DIYで快適な研究室づくりを進めてきましたが、もう一つ気になるものがありました。それはロッカーです。7年前の引っ越しで、わりときれいで収納力のあるロッカーを譲ってもらったのですが、物を入れると埃っぽい匂いがつくのであまり活用できていません。これも自分で作り直してみようかなと思っています。