ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

鶴橋駅高坂書店の思い出

すっかり変わってしまった鶴橋駅前

普段は車通勤をしているのですが、最近ひさしぶりに鶴橋で電車を乗り換えました。

地下鉄千日前線から近鉄大阪線へと移動する途中には、古い飲み屋さんやドラッグストアと並んで小さな本屋さん、高坂書店がありました。

残念ながら昨年夏で閉店してしまい、その後はずっとテナント募集の看板が出されていました。

久しぶりに通りかかるとなんと新装開店のお寿司屋さんができていました。

お店の大きな看板などは跡形もなくなっています。

南側から見た店舗。以前はこのへんに雑誌コーナーがありました。

当ブログでは、以前から何度も鶴橋駅前の高坂書店で写真を撮り続けてきました。

今回は、いままでに撮った写真で当時のできごとや撮影機材について振り返ってみます。

写真でふりかえる高坂書店と私のカメラ遍歴

今の職場に通い始めたのは12年前からですが、鶴橋駅で高坂書店の前を通って乗り換えるようになったのは、2018年の夏に大阪市内に引っ越してからでした。

つい最近のことだと思っていましたが、考えてみればもう6年も前です。

Lightroomに入っている写真をフォルダにまとめたらけっこうな数になっていました。

海外旅行の前にカメラテストとして高坂書店を撮りに来ていた頃

ソニーα7R2 2018年8月

Lightroomで見つけることができた最初の写真が2018年8月でした。

カメラはソニーα7R2で、レンズはトキナーのDT17-35mmという超広角レンズを使っていました。この組み合わせで同年8月後半にはドイツに行き、ノイシュヴァンシュタイン城やアーザム教会などを撮影しました。

高坂書店のとなりにある居酒屋源氏ですが、よく見ると向かいにはカステラ鯛焼きのお店があります。このお店はその後全く写っていません。このあと閉業してしまったのでしょう。

 

オリンパス OMD-EM5 Mk.II 2019年1月

一時期所有していたもののあまり使いこなせていなかったのがオリンパスのEM5 Mk.IIです。レンズはオリンパスの7-14mmをつけています。これも超広角で、レンズが丸く飛び出したデザインになっており少し扱いに気を使いました。

通常風景写真をよく撮るのは春から夏頃なのですが、このときは1月の初頭に撮影していました。

パナソニック GX-7MK3 2019年5月

雨の降る夕方に撮影していました。カメラはパナソニックのGX-7MK3でレンズはパナの15mmF1.4です。

このカメラは2019年5月末にイギリスの国際学会に行くにあたって買ったもので、レンズもセットで付属していたのでした。広角が好きで、フルサイズ換算30ミリという画角に慣れておらず、どう撮ったらいいのか迷いながら撮影しました。雨が降っている外側の写真もそうですが、非常に柔らかい雰囲気の描写で細部まできれいに撮れています。

 

パナソニックGX-7MK3 2019年7月

同じくパナのGX7MK3ですが、レンズは先ほどとは別のパナライカ8-18mmをつけています。夏休みが始まる前の7月末に撮影に来ていますが、この頃は花火撮影に熱中していてちょうど芦屋の花火大会を撮りに行くためにパナライカを使おうと思っていた頃でした。

歩いている人がぼやけて、お店がはっきり写っていますが、これはシャッタースピードを遅く(6分の1秒くらい)して、首から下げたカメラストラップをひっぱりながらカメラがぶれないように撮影しました。広角レンズブームはこの夏頃がピークだったと思います。

 

コロナ禍で、授業動画や猫写真のためにカメラを使い始めた頃

フジフイルム X-T4 2020年8月

コロナ禍最初の夏に、自宅で授業動画を撮影するために購入したのが、富士フイルムのX-T4でした。レンズはXF35mmF2です。このレンズで撮るようになって、広角ではなく標準レンズでもいいかなと思えるようになりました。

この年の春にX-E3などフジのカメラやレンズを何台か買ってみて、フジフイルムの色が気に入ったのでした。今見ても優しい感じの空気感がよく撮れているように見えます。

街を歩く人はみな真夏なのにマスクをしっかりつけています。

大学前の名店キッチンカロリー。たしかこの年の8月いっぱいで閉業となりました。

カロリーがなくなった現在も変わらぬ人気を誇る焼きマン。

鶴橋駅前の商店街。賑わっているけど、やはりみなマスク着用です。

ちなみに2020年には、他にもソニーのα7CやパナソニックのS5などフルサイズ一眼をいくつか使っていましたが、ほとんど在宅勤務で過ごしたため、鶴橋で撮影する機会はありませんでした。

 

フジフイルム X-E4 2021年7月

X-T4とならんでこの時期に愛用していたのが、よりコンパクトなX-E4でした。レンズはXF18-55mmをつけています。持ち歩きやすいので、通勤時だけでなく在宅勤務の合間にお昼を食べに出かけた際などに持ち出してスナップをたくさん撮りました。

夕方の鶴橋にただよう、焼肉の煙がしっかり撮れています。

 

自転車に乗りながらスナップを撮ったり、動画を撮ったりして写真の幅が広がった時期

RICOH GRIIIx 2022年12月

自転車通勤の相棒としてこの頃大活躍したのが、GRIIIxでした。外に持ち出して気軽に撮るならわざわざレンズ交換式でなくても良くない?と思うようになり、コンデジを久しぶりに購入したところとても気に入りました。

α7のようなくまなくきっちり解像している感じとは確かに違いますが、それでも十分きれいな写真が撮れます。

GRの特徴としては、光と影が印象的に撮れているように思います。

 

Canon EOS R8 2023年4月

軽量なフルサイズ機としていまも重宝しているキヤノンのR8も、購入してすぐ鶴橋でテスト撮影していました。

駅とこのお店の歴史を感じる柱です。古い写真が貼ってありました。

近鉄大阪線のホームで列車を待つ人と、高架下を歩いてくる人が同時に写る面白い構図だなと思って撮りました。

歩く人それぞれがもつ雰囲気がしっかり撮れていると思います。



RICOHGRIIIx 2023年7月

ふたたびGRです。リュックサックのポケットにちょうどいいサイズなので、その後もGRIIIxは大活躍しています。

白黒でも印象的な写真が撮れます。

 

Canon EOS-R8 2023年8月

去年の夏、前期の授業が終わる頃、高坂書店が閉業するというニュースを知りました。それならばまだお店が開いているうちに買い物をして写真を撮ろうということで、8月初頭、通勤途中に新書を三冊買って写真を撮りました。

キヤノンEOS-R8はこの年の4月に買いました。レンズはCanon RF24-105mmです。標準的でコンパクトなレンズで、とても使いやすく今も気に入っています。

同じ日の夕方、帰り道に再び撮影してみました。

フルサイズらしく細部までよく写っています。

 

そして閉店へ

ソニー α6700 2023年9月

夏に買ったα6700とシグマ18-50mmで、高坂書店閉店後の鶴橋駅前を撮りに来ました。

いつも明るい通路が真っ暗です。

近鉄大阪線の改札前から見ると、いかに高坂書店の存在感が大きかったかを改めて思い知らされます。

 

私が通勤中に高坂書店を撮影していたのはたった6年の間だけでしたが、こうして振り返ってみると機材もいろいろ変わっているし、世の中の動きとしてもずいぶん変化があったのだなと実感します。