ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

机の上に甘えに来る猫をきれいに撮りたい―ソニーRX100m7

もう一台コンデジを買っていた

先日自転車移動時のスナップ撮影に最適なコンパクトデジカメ(コンデジ)として、リコーのGRIIIxを紹介しました。GRはその後も日々の通勤や、散歩などのさいに多いに活躍しています。

schlossbaerental.hatenablog.com

実は一ヶ月ほど前、GRを買う直前にもう一台コンデジを買っていました。このカメラを買ったことと、このカメラの使い道が微妙だと思ったことが、GRを買う直接的なきっかけでした。買ったもののなかなか使いこなせていなかったカメラが、今日紹介するソニーのRX100m7でした。

 

買ったのに使いこなせなかったのはなぜか?

コンデジ最高峰として、機能全部入りと評判のRX100m7です。発売から3年がすぎますが、いまだ最新機種として販売されています。

αシリーズをそのままコンデジにしたような充実した機能とコンパクトさ、とりわけ動く被写体にも対応するオートフォーカスやフルサイズ換算で24〜200mmに対応するレンズなどの装備が売りです。

www.sony.jp

操作性やサイズ感、画質などは申し分なかったのですが、購入後一ヶ月なかなか使い道が定まりませんでした。自分にとって使いにくかった点はどこなのか、いくつか挙げてみます。

買ったばかりのカメラは、試し撮りとして机の周りのものをよく撮るのですが、ちょうど見ていたピーナッツくんの動画を撮ってみました。

電動ズームレンズ

24−200mm相当の高倍率ズームレンズがついていますが、コンデジなので、当然電源と連動しています。電源を入れるとレンズが伸び、電源を切ると伸ばしたレンズは収納されます。つまりいったん撮影した後電源を切って、再度起動する場合はまた24ミリからズームリングを回さないといけません。あたりまえのことですが、日頃デジタル一眼に慣れていると、電源を切るたびに画角が変わってしまうのはちょっと不便だし、電動ズームのゆったりとした動きにもなじめませんでした。

起動・終了の時間

それから、これもズームレンズが原因なのですが、起動や終了に少し時間がかかります。単焦点のGRがまばたきをするくらいの速さで起動できることと比べると、だいぶもっさりした印象を受けます。

少し小さすぎる?

これも私の勝手な印象ですが、全体的に小さくて操作感覚がつかみにくいように思いました。メニュー画面の作りなどは基本的にα7と共通しているので、すぐに馴染めたのですが、画面もボタンも小さく、窮屈な感じがして外出時などにとっさに設定を変更したりするさいに戸惑いました。

もう一つデメリットとしてUSB-CではなくマイクロUSBが採用されていることをあげる人が多いのですが、たしかに充電やデータの移動などに不便ですが、私はあまり気にしていません。

 

室内での近距離撮影が得意

24mmスタートのレンズは、外で風景を撮ったり、部屋で遊んでいる猫を撮ったりするのにはあまり向いていません。ちょっと広角すぎるためです。

とはいえやはりソニーです。αシリーズと同じような色合いの画です。

暗所でもきれいに写ります。

こういう場所だと広角のほうが迫力が出ます。

きれいに写ってはいるけど、さまざまなものが写り込んで散漫な写真になってしまっています。

しかし広角で最短撮影距離がかなり近いため、逆に言えば、狭い場所や室内で、被写体と十分距離がとれないような撮影には最適です。

先日の窓のシート貼り。狭い私の部屋でもこのように窓全体をフレームに収めることができます。

いつも食べに行くお蕎麦屋さん。さっぱりしておいしいすだちそばです。

美術館には向いている

このカメラを買った直後に東京出張にでかけ、そのついでにゲルハルト・リヒターの展示を見に行っていました。

東京の研究者や美術ファンがこぞって訪れる展覧会がどんなものかと楽しみに出かけましたが、久しぶりに経験する東京の行列に、すっかり心が折れそうでした。自宅から徒歩圏内にある大阪中之島美術館や国立国際美術館ならば、人気の展覧会でもなかなかこれほどまでは混雑しません。

それでも行列して入っただけに見応えのある展示でした。

私が一番気に入ったのが、このガラスのインスタレーションでした。透明なはずのガラスが、様々な角度で重ねられると不透明になり乱反射して、見る人の視覚が撹乱されます。

このポールスミスのようなマルチストライプはドイツの美術館でも見ましたが、どういう理由でこれだけ大きな作品になっているのか気になりました。

 

机の上にやってくる猫を撮るならこのカメラ

狭い場所で近くにあるものを撮るのが得意なこのカメラを一番有効に活用する方法、それが机の上にやってくる猫を撮るということでした。猫という身近な被写体にもかかわらず、なぜかこのカメラで撮るということに気づくまでに時間がかかってしまいました。

顔認証機能で猫の顔にピントを合わせることができます。そして私や本棚など背景はきれいにボケます。

iPhone13Proとの比較

甘えに来るブルーちゃんを撮るために、これまではiPhone13Proを使っていました。さすがにPro機種なのでよく写るのですが、高級コンデジと比べるとあきらかに見劣りします。

背景の液晶ディスプレイや私の服などすべてが同じようにはっきり写っています。

ブルーちゃんの顔にピントは合っているのですが、背景がくっきりしていると逆に写真の中心がわからなくなります。

ブルーちゃんがかわいいことは変わりません。

 

背景ボケがやはりすごい

PCにはメールや書きかけの論文などちょっと隠したいものが表示されているのですが、ほどよくボケるので特に加工の必要はありません。

ブルーちゃんの目がきれいに写ります。

私の部屋はブルーちゃん用のベッドがないので、机から降りると廊下に座ってこちらを見ながらくつろいでいます。

机に上がったブルーちゃんは、キーボードやタブレット、開いた本などに座って、盛大に邪魔をします。

えんぴつやアップルペンシルも大好き。

リビングのソファの手すりはお気に入りの場所です。夜なので目が真っ黒。

せっかくの多機能カメラですが、重要なのは多機能をどのように自分の用途に活かすかということではないでしょうか。私にとっては、自撮りができ、近い距離の被写体に強く、明るいレンズできれいにボケるという点がこのカメラの最大の利点だと思っています。コンパクトですぐに取り出せるし、スマホと同じくらいの大きさなので、猫にも警戒されません。しかし、スマホと比べると明らかによく撮れます。

スマホもまた撮った写真を修正したり、SNSにすぐに投稿したりするのにはもちろん便利ですが、やはり写真の画質に関してはコンデジのほうが上だとわかりました。

このカメラの特性を活かして、よりいっそう使いこなしてみようと思います。