ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

研究室の出窓リフォーム第2回

使い道がない出窓をリフォームしたい

今週のお題「デスクまわり」

三月初めに研究室の大掃除と改装を思い立ち、それまでは機密文書からゴミまで雑然と積み上げられていた出窓をきれいに片づけ、使いやすい棚を設置することにしました。はじめに、出窓部分に敷いてあったきたない床材の上に、楽天で買ったフロアシートを貼り付ける作業をしました。

schlossbaerental.hatenablog.com

棚を作って出窓をふさごう

いつものように出窓の寸法を測って、iPadで設計図を書き、棚の部品をそろえました。

出窓は幅295cm、高さが127cm、床からの高さが80cmくらいです。幅60cm〜80cmくらいの棚をいくつか用途別に作ることにしました。左側は、以前から置いていたインクジェットプリンタを中心に、バンカーズボックスやレタートレーを奥行きのある棚に入れることにします。

窓はほぼ開ける機会はないので、棚でふさいでしまいます。棚の前には少しスペースがあるので、廃材を組み合わせてスタンディングデスクも作ることにしました。

左側はもともと自宅で使っていた背の低い棚を置いていたので、同様に文庫本などを入れられる書架にします。

さらに以前から不満があった、電気ケトルやコーヒーマシーンを置くためのサイドテーブルを新たに作り直すことにしました。

そして、洗面台横の使っていないスペースには、天井までの本棚を作ることにします。

このように、

  1. 出窓の棚3種類
  2. 出窓のスタンディングデスク
  3. お茶用テーブル
  4. 洗面台横の本棚

以上の6点を立て続けに作ることにしました。

経験的に理解していることですが、DIYというのは集中力というか勢いを必要とします。時間があるとき、気持ちが乗っているときなどに一気に作業を進めないとめんどくさくて何もできなくなります。

 

買い出しから搬入までがとてもたいへん

それまでの自宅でのDIYといちばん大きな違いが、研究室の場合は木材を買って、駐車場で下ろしたあと、研究室まで5分以上歩いて材料や道具を運び入れなければならないという点でした。今思うとやはりこの搬入作業がいちばん苦労しました。

今回は作るものが多いので、3回に分けて木材の買い出しと搬入をしました。

始めに出窓の棚、スタンディングデスク、テーブルを作るための材料をホームセンターで買い、店内でカットしてもらいました。木材は自宅ではなく、そのまま研究室に運び、空きスペースにブルーシートを広げ、塗装作業をしました。

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ふだん塗装は自宅のベランダで行いますが、とにかく木材の量が多いため、いったん自宅マンションに運び入れ、塗装が乾いたらまた運び出すというのが二度手間のように思えたからでした。しかしこの方法はやはり困難を伴いました。

切ったばかりの木材を何とか台車に積んで研究室に入れ、さっそく塗装にとりかかったのですが、塗料の匂いがひどく、すぐに気分が悪くなりました。私がいつも使っているワトコオイルは、比較的においは強くなく、ほとんどフロアワックスにちょっとだけ塗料臭が加わっている程度で、ベランダで塗るぶんにはにおいはまったく気になりません。しかし研究室のような密室では、やはり塗料臭が気になりました。休憩しながら大量の木材を二度塗りし、乾燥のため数日間放置しました。もしかしたら近隣の部屋の先生方は、私の部屋からの異臭に気づいていたかもしれません。

研究室での組立て作業の前に、もう一度ホームセンターに行き、4番目の洗面台横の本棚を作るため新たな木材を買っていました。今度は自宅ベランダで塗装までしました。ワトコオイルはちょっと値段が高い(1リットルで3千円くらい)のが気になり、ロックペイントのオイルステイン(こっちは1リットル2千円くらい)を使ってみました。

 

 

シンナー臭がかなり強いのですが、その分揮発性が高く、すぐに乾いていきます。ワトコオイルは最低でも2日くらいは置いておく必要があるのですが、ロックペイントのほうはだいたい一日で問題なく乾燥できました。

本棚の材料はベランダからマンションの駐車場、そして大学へと搬入しました。

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さらにもう一度、激しい雨が降っている日に本棚の材料を持っていきました。台車に本棚の棚板、そしてもう片方の手で柱となる2x6材を運ばなければならないので、傘はさせず、木をかついでずぶぬれになって出勤しました。まるで彼岸島のようでした。

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台車は大学院時代から愛用しているものです。台車の上にホームセンターで売ってるカゴを置いています。スーパーの買い物カゴより数倍頑丈なので、本や工具、木材などを運ぶのに重宝します。

 

 

試行錯誤しながら組み立てる

塗装を終え、すべての木材がそろったので、組立に取り掛かりました。

始めにインクジェットプリンタを入れる棚。1x8材を前後にくっつけた奥行き40cm弱の棚です。棚板は2枚だけなので、組立はすぐにできました。床の上で組み立てた棚をよいしょと持ち上げてて出窓に入れようとしたところ、入らないことがわかりました。高さは測っているし、5cmくらい余裕があるはずだと思っていたので驚きました。

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出窓と部屋の間にある敷居的なでっぱり。
よく確認してみると、出窓自体の高さは127cmくらいですが、部屋と出窓の間には敷居のようなでっぱりがあり、ここの高さは120cmくらいしかありません。それでは棚は通せません。最初から違和感を抱いていたこの敷居的なでっぱり(たぶんかつてはここに引き戸の窓があった痕跡なのだと思います)ですが、まさかこんな形で邪魔をされるとは思いませんでした。

仕方がないので、いったんでき上がった棚の、片側のねじをすべて外し、途中まで解体した状態で出窓へと持ち上げ、そこであらためて組み立て直しました。

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プリンタの棚ができました。棚そのものはやや不安定ですが、下にプリンタと台を入れるとぴったりと安定しました。

続いて出窓に入れる本棚も作りました。

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先ほども書いたように組み立ててから出窓に入れるというのは難しいので、出窓の上で組み立て作業をしました。ホームセンターで売っている2x材は歪みがあるものが多いのですが、とくに1x8や1x10のような幅が大きいものは反りやひびわれなども多くなります。今回も板が大きく反っていたため、棚板が真っ直ぐに接合できない箇所もありました。まあ、すべての失敗は「味」であると考えれば問題ないでしょう。

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縦の板の上にはつっぱり金具を入れましたが、そもそも板の長さを間違っていたようで、ネジを目一杯伸ばしても天井には届かずぐらぐらしてしまいます。逆転の発想で、天井と金具の間に2x材の切れ端を入れて、ネジで締め付けたところうまく安定しました。

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出窓の高さを利用したスタンディングデスクです。ちょうど高さ100cmくらいが作業をするのにちょうどいいそうなので、出窓の上に2x4材を2本並べ、その上に幅20cmの板を2枚並べて、40cmx90cmの机ができました。高さがちょうどよく、本棚に並べた辞書で調べ物をしたり、VAIOからプリンタで印刷したりするのに便利です。

出窓のリフォーム、ビフォーアフター

出窓のリフォームが完成したので、作業前と比較してみましょう。

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ビフォー

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アフター

うまく作れたサイドテーブル

今回作った中で、たぶん一番できがいいのが、こちらのテーブルです。1x10材を天板および脚にして、間に2x4材を3本入れて補強しています。

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このように、上の段にはコーヒーマシンと電気ケトル、下の段にはコーヒー、スープ、ミネラルウォーターなどを入れられます。

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本棚作成でトラブル発生

最後に洗面台横の本棚を作りました。

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床の上で組み立てを進め、最後に所定の位置へ移動しようとしたところでトラブル発生です。洗面台と干渉して、棚がつっかえてしまいました。仕方ないので、一番下の棚板のネジをはずし、棚を移動し、最後に金具を使って外した棚板を再度接合しました。

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このようにハードカバーの本がぴったり収まる棚ができました。

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流し台のすぐ横は水が跳ねるので、本はおかず、文房具やスパゲティ屋さんに持って行くタッパーなどを置いています。

この棚だけはすべてロックペイントのオイルステインで塗装しています。ワトコオイルを塗った他の棚と比べて、だいぶ色が濃いのがわかります。ワトコオイルの仕上がりも好きなのですが、ロックペイントの深い色も悪くないなと思います。

 

以上のようにこの二週間でたくさんの棚やテーブルを自作しました。雑然とした研究室が見違えたようにきれいになりました。

しかし、まだ終わりではありません。最後にもう一つ、研究室で気になっていた部分の改修を春休み中に行いたいと思っています。詳しくは次回。