ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

コーヒーを自分で焙煎して飲みたい

コーヒー屋で過ごした院生時代

もう10年以上前のことですが、大学院修士課程の3年目から博士課程の1年目まで、合計3年ほど、京都の喫茶店で調理係のバイトをしていました。

www.maedacoffee.com

(久しぶりに見ましたが、ずいぶん凝ったつくりの公式サイトです)

院生のバイトといえば、受験産業と相場が決まっているのですが、京都はなにせ学生がいっぱいいるのでなかなか条件の良い求人はありません。M1の夏に私も塾講師になりましたが、中学受験をする子供たちに国語を教える仕事はけっこう難しくて、その年の受験までで、だいぶくたびれてしまいました。*1その後中高生向けの別の塾でも教えましたが、修士3年目に入り、自分は受験産業は向いていないかもしれないと思い、これまでほとんど経験のなかった業種でバイトしてみようと、京都中心部にある老舗喫茶店に行ったのでした。

コーヒーは機械ではなく手で淹れる

喫茶店の厨房の仕事は、コーヒーを淹れることよりも調理が中心で、最初は切り傷や火傷など負傷ばかりでした。しかし包丁で野菜やパンの仕込みをしたり、お昼時に大量の注文を効率よくさばく工夫をしたり、新メニューを家で練習したりと、年月を経るに従って、楽しみが増えていきました。結局博士課程に上がると、ゼミや学会、そして学内でのバイト(総合人間学部図書館)などが忙しくなってきたので、1年目の終わりで退職しました。

今でもときどき思い出したようにカフェ飯ふうのものを作ります。

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アボカドとスパムミートのホットサンドです。

喫茶店のバイトは、給料は安く、時間もとられましたが、その後の人生で役にたつスキルを得られました。コーヒーをおいしく淹れる方法もその一つです。

もちろん現在はネットでいくらでも調べるられるし、お家でもできる様々な工夫が紹介されています。私が店で学んだのは、煎りたての豆を手でいれること。よく蒸らすことだけでした。非常に当たり前のことですが、やめて10年経った現在も、私は機械を使わず、ドリッパーを使ってコーヒーを淹れています。

今使っているのはこのドリッパーです。早く抽出できます。ステンレス製でフィルター不要のドリッパーも一時使ってみましたが、やはり粉が詰まりやすいのでやめました。

HARIO (ハリオ) V60 01  透過 コーヒードリッパー クリア コーヒードリップ 1~2杯用  VD-01T

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豆は煎りたてを買い、毎日挽いて飲むのがいい

コーヒー豆は、挽いたまま置いておくと風味が失われます。そして焙煎したての豆でも、冷暗所で保存していると徐々に風味は落ちてしまいます。いろいろなコーヒー豆を買ってみましたが、今の職場に勤めてからは、俊徳道駅前の田代珈琲さんで、焙煎したばかりの豆を買って、毎日飲む前に挽いています。

www.tashirocoffee.co.jp

(田代珈琲さんの店舗は自宅から近い梅田阪神にもありますが、夕方だと品切れが多くてなかなか好きな豆が買えません)

豆を挽いて飲むようになったのは、たまたまウィーン滞在中に買ったコーヒーが、豆の状態で、せっかく買ったのにアパートメントのコーヒーメーカーでは飲めず、そのまま持ち帰ったからでした。(真空パックされててきっちり詰まっていたので、豆のままだと気づきませんでした。マヌケな話です)。はじめは電動ミルを買って豆を挽いていましたが、どうしてもコーヒーの粒が均一にならないので、最近は手動ミルを使っています。

 

 セラミック製の石臼になっているので、より均一に豆を挽けるようです。また細かさもネジで調整できます。

 

家で焙煎してみたい

田代珈琲さんの豆はとても美味しいのですが、お店は職場からは歩いて20分かかる最寄りではない駅の前と少し遠く、買いに行くのが億劫になることがよくありました。だからといって何100gもまとめ買いしてしまうと、焙煎したての味は楽しめません。

そこで、自分で焙煎してみるのがいいんじゃないかと今年の春頃気づきました。ところが、コーヒーを焙煎するというのは非常に難しいことです。勤め先にも焙煎機がありましたが、焙煎は専門の知識と技術をもつ、社長ほか限られた人しかできませんでした。

ネットで調べていると、家庭用の焙煎機があることがわかりました。クラウドファウンディングで資金を集めて量産化をめざしているという会社でしたが、リーズナブルな価格なので、この焙煎機を使ってみることにしました。

www.makuake.com

 

焙煎機が届いたので使ってみる

5月ごろに購入申し込みをして、約2ヶ月待って、最近ついに焙煎機が自宅に届きました。

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スマホとの比較。電気ケトルよりやや大きいくらいのサイズ感です。

早速使ってみると、けっこう大きな音と熱が発生します。しくみはよくわかりませんが、生豆を高温で焼くとともに、温風で豆の皮を飛ばしているようです。そのためドライヤーや乾燥機のような音が発生します。(猫ちゃんがいる家庭ではちょっと使いにくいかもしれません。)

煎り方は2段階から選べて、60グラムの生豆を約20分でローストおよび冷却することができます。一回で処理できる量が60gというのはやや少ないのですが、時間があるときに2、3回連続して焙煎すれば、1時間くらいで1週間分の豆をローストできます。

 

生豆もネットで買える

これまで、コーヒーの生の豆を買うということを考えたことがなかったのですが、調べてみると扱っている業者さんはわりと多く見つかります。今回は、商品の数が豊富な生豆本舗さんから、1kgで1500円〜2000円くらいの豆を3種類買ってみました。

www.namamame.jp

ホームページで一番人気だというンゴロンゴロを買ってみました。いい名前ですね、ンゴロンゴロ。

生豆は青臭いが、焙煎すると一気にコーヒー屋さんの匂いに

コーヒーの生豆は、おそらくバイト先にもあったのでしょう(焙煎室があったので)が、実際に手に取ってみたのは初めてでした。青臭くてまさに豆です。

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このコーヒー豆を20分間ローストしていくうちに、焙煎機のおいてある台所周辺はすっかり香ばしいコーヒーの匂いが充満してきて、コーヒー屋さんのようになります。

自家焙煎のメリットとして、焙煎したてのコーヒーが飲めるということもありますが、生豆を買っておくと長期保存ができるというのも大きなメリットです。半年から一年たっても風味は落ちないそうです。

今回自家焙煎機を思い切って買ってみましたが、コーヒーは美味しいし、自宅まで焙煎室の匂いになるので、とても満足しています。

*1:あの塾講師のバイトはもちろんその後の教員としての仕事の基礎となっている重要な経験です。しかし私自身は田舎の公立中学出身で中学受験をなぜするのかすらよく分かっておらず、元気いっぱいで勉強嫌いな子供たちに無理やり勉強を仕込む仕事が苦痛でした。