ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ド・ロ神父ゆかりの外海の教会を見る

長崎の旅4日目

これまでの旅程

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4日目は朝早くに福江港を出て、お昼前に長崎港に到着。長崎港でお昼を食べて、レンタカーを借り、郊外にある外海(そとめ)地区を見て回りました。

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福江港。江戸時代の灯台が残っています。

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高速船に乗ります。船内のTVではなぜか国会中継が流れていました。

11時すぎに長崎について、早めにお昼を食べました。

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地魚丼です。

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港には離島へ渡る船だけでなく、遊覧船やタンカー、豪華客船などさまざまな船が行き交っていました。

大浦天主堂の近くでレンタカーを借り、長崎市中心部を抜けて、北西にある外海方面へ行きます。中心部を過ぎると、西側に海が見える、雄大な景色が広がっていました。

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車で約1時間ほどで外海地区に着きました。観光バス等でも来ることはできるようです。今回レンタカーを選んだのは、私が前日にフルマラソンを走るからということもありました。

 

ド・ロ神父がつくった村、出津地区を歩く

ぐねぐねした狭い急な坂道の先にある駐車場で車を停め、最初に見つけたのが、旧出津救助院跡でした。

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当時の建物がそのまま残っています。 

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これがマルク・マリー・ド・ロ神父、通称ドロさまの像です。ド・ロ神父は1840年ノルマンディーに生まれ、神学校を卒業後28歳で来日。長崎、横浜を経て、38歳のときに外海に赴任します。貧しい村の生活を見たド・ロ様は、私財を投じて、教会や救助院を作り、村人に製麺や織物の技術を伝え、村人の生活の向上に貢献したそうです。

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救助院は定休日のため、拝観はできませんでしたが、ド・ロ神父記念館では、本人の持ち物や彼がフランスから輸入した医学書、技術書、さまざまな工具などが展示されていました。

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救助院から10分ほど坂を登ったところに、出津教会があります。平たい石を積み上げた石垣にそって、小さい道がつづいています。

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かなり立派な椿の木が生えていました。

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ド・ロ神父もまた、この道をいつも通っていたと書いてありました。

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こちらが出津教会です。これまで見た教会の中でもだいぶ大きい方で、たくさんの人が座れるようになっていました。簡素でどっしりとした作りは、海から吹き付ける強風に対する備えのためだったそうです。ド・ロ神父自身が設計し、建てられたとのことです。

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教会の裏手にはまた、ド・ロ神父像がありました。

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急な階段を下って、外海歴史民俗資料館へ行きました。前日にフルマラソンを完走した足には、この階段がとりわけこたえました。

 

ド・ロ神父が設計した大野教会堂

歴史民俗資料館で当時の人々が使っていた道具や書物の展示を見た後、車で10分ほど離れた、大野集落にも立ち寄りました。ここは、出津と同様、ド・ロ神父が設計した教会がありました。

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駐車場から10分ちょっと階段や坂道を登ると、教会が見えました。この坂道もだいぶ急でした。昔の人はよくこんなところに教会を建てたものだと思います。

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正面と側面に、石を積み上げ漆喰で固めた壁、通称ド・ロ壁があります。

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改修工事のため、中に入ることはできませんでしたが、窓から中を見ることはできました。ここは椅子に座るのではなく、床に座るタイプの教会でした。

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窓の外に引き戸の雨戸がついているのは、出津教会と共通しています。

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細部に至るまで非常に良くできています。

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こじんまりとした教会でしたが非常に見応えがありました。

寄り道:波佐見焼のマルヒロ

大野集落を出てから、車でさらに1時間ほど北に進み、佐賀県との県境にある波佐見町に着きました。波佐見町はとなりの有田とともに焼き物の町として有名です。せっかく長崎に来るなら、少しくらい波佐見焼も見てみたかったので、時間はあまりありませんでしたが、寄ってみました。

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販売所のなかには、素焼きの器が積み上げられています。よく見ると一つ一つの器には、コンクリートが詰められていて、それらをくっつけることで床になっています。

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床が気になって仕方がありませんでした。

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紙のようにしか見えない、薄くて軽い器など、面白い商品がたくさんありました。

 

マルヒロを出て、再び車で1時間くらい走って、夕方に長崎空港に着きました。ちょうど大村湾を一周したような感じで、長崎をたっぷり楽しむことができました。最後に空港でトルコライスをもう一回食べて、長崎を後にしました。

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おみやげ

長崎ではいろいろ書いましたが、今回初めて食べたのが、カスドースです。

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カステラに卵をからめて糖蜜で揚げたものだそうです。とても甘くてざりざりしています。

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私たちがとくに気に入って、大量に買ってきたのが、この「よりより」というお菓子です。うす甘くてぼりぼりといくつも食べてしまいます。