ネルトリンゲンからローテンブルク・オプ・デア・タウバーへ(8月19日)
2日目はネルトリンゲンからさらに北のほうに進んで、ローテンブルクへ行ってみました。この町の正式名称は、ローテンブルク・オプ・デア・タウバーです。オプobっていうのは「〜の上の」を意味する3格支配の前置詞。タウバーは川の名前です。タウバー川の渓谷を見下ろす場所に立っている町というわけです。
この町も、ネルトリンゲンと同じように、中世からの市壁や町並みがそのまま残っていることで知られ、海外からの観光客にも非常に人気があります。
この町も有名なのにこれまで訪れる機会がない場所だったので、せっかくだからネルトリンゲンと同じ方向だし、セットで行こうということになりました。
近いようで遠い、っていうかすごく不便
ネルトリンゲンとローテンブルクはバイエルン北西部ということで、わりと近いのではと思っていたのですが、鉄道でもバスでも2時間以上かかってしまいます。
中央のルート(2時間36分)がバス路線。最短距離を走りますが、路線バスなので当然たくさん停まります。鉄道の場合は、一度ドナルヴェルトまで戻ってから北上するので、これまた時間がかかります。
バスか鉄道で迷いましたが、出発時間的に鉄道がちょうどよかったので、鉄道でローテンブルクに向かいました。
城壁に囲まれた都市ローテンブルク
お昼前に、ローテンブルクの駅に着きました。ここもネルトリンゲンと同様、旧市街の外に鉄道駅があります。10分ほど歩くと、城門の前に出ます。
正面の入り口は自動車専用。歩行者は右側の入り口を使います。
ここは濠があって、魚がいます。
ネルトリンゲンと同様、市壁が巡らされています。けっこう起伏がある地形なので、壁の上を歩いていても上り下りが何度かありました。
壁から降りて、市内を歩いてみます。
色とりどりの古い家が立ち並ぶ
ネルトリンゲンと同様に、いろとりどりのかわいらしい古い家が立ち並んでいます。なんかちょっと違うなと思ったのですが、よく見るとあまり傾いている家がなく、ネルトリンゲンより少し整然とした街のように見えました。
市内中心の広場に出ると、当然のようにブルネンがあります。
明るく美しい広場です。
非常に有名なのが、この分かれ道、Plönleinプレーンラインです。教科書やガイドブックなどに写真が載っているのを見たことがある人も多いでしょう。
分かれ道の間にはブルネンがありました。
プレーンラインから門を出てもまだまだ町並みが続いていました。
商店やホテルの看板がすごい
Eisenhut(鉄兜)という名前のホテルなので、文字通り鉄兜が看板についています。
こちらのレストランは入り口に男の人の彫刻があります。何か呼びかけているように見えます。いらっしゃーい!とか言ってそうです。
聖ヤーコプス教会の彫刻を見る
この町の名物の一つが、リーメンシュナイダーの彫刻がある教会です。
こちらの祭壇はリーメンシュナイダーの工房で作られたそうです。(本人ではなく、弟子たちの作?)
たくさんの人や小物など、すべて木彫であることに驚きます。
これが有名な血の祭壇です。
髪や衣服のシワだけでなく、人の表情もそれぞれ違っていて、思わず見入ってしまいました。
銘菓シュネーバル(Schneeball)を食べる
私はドイツでは甘いものをほとんど食べないのですが、ローテンブルクで見たお菓子にはなぜか興味を惹かれて買ってみました。
街にいくつかある、ケーキ屋さんやアイス屋さんだけでなく、専門店もあって、それぞれシュネーバルを売っています。お店の前の看板にあるように、さまざまなフレーバーがあるようでした。
この通り、野球のボールより少し大きいくらいのサイズです。私が選んだのはプレーンですが、全体に粉砂糖がまぶしてあります。
食べながらこれは一体なんだろうと考えていました。ちょうどきしめん状に伸ばした生地を折りたたんで揚げたものといえばいいでしょうか。カリカリして硬いので、端の方から少しずつ砕いてかけらを食べるとちょうどいいです。普段食べないので、うまい形容が思いつきませんが、タルトなどの台座のカリカリした部分を集めたようなお菓子です。嫌いではない味でしたが、ソフトボール大というのがちょっと大きすぎて、半分くらいで飽きてしまいました。
暑さに苦しめられる
前日に訪れたネルトリンゲンでもそうでしたが、この週末ドイツの暑さは30度を超えていて、雲ひとつない晴れだったため、町歩きはたいへんでした。
一通り町を周り、お昼を食べてビールを飲むと、もう満足したので、割と早い時間に町を後にしました。
Gasthoff zur Sonne(日向亭みたいな意味)なんていうお店だけに、日当たりが良く、だんだん日が傾くにつれ、自分が座ってる席が暑くなってこまりました。
町の外側には、タウバー川の渓谷が広がっています。
城壁の外には公園がありました。
この城門はなかなかりっぱで、櫓が備わっています。
最後は始めにくぐった城門を抜けて、町を出ました。
暑さに負けて、さっさと帰ってくることになりましたが、やはり行ってよかったと思いました。ローテンブルクはドイツの代表的な古い町として大切に保存され、世界中の観光客に愛されています。たしかにベタな観光地らしさはありましたが、この小さい町ひとつで、ドイツらしさを感じることができるので、短い日程でドイツを回る人にとってはちょうどいいと思いました。
この町はとくに日本人観光客が多くいました。最近はもう日本からの観光客(特に若い人)はドイツになんか来ないのではないかと心配になっていました(ミュンヘンではほとんど日本人ツーリストを見ません。都会だから埋れてるというのはありますが)。ローテンブルクには日本の方が経営するおみやげ屋さんや日本語に対応したレストランなどがあり、ツアーなどの観光客を呼び寄せるのに熱心だからでしょう。
残念ながら、冒頭にも書いたように交通の弁が悪いのが困ります。おそらくヴュルツブルクやフランクフルトからなら割と近いのですが、ミュンヘンからは乗り換え3回、3時間以上かかります。できたらバスで訪れた方がいいかと思いました。