ドイツに来ています
今年も8月の後半は日本を離れ、ドイツにやって来ました。前半一週間はミュンヘン、後半はウィーンで、それぞれ図書館で文献探しをする予定です。
飛行機は、昨年夏と同様、フィンエアーを選びました。関空からヨーロッパに行く場合、早いのは大韓航空とフィンエアーです。大韓の場合は、仁川まで2時間、乗り換えて10時間程度でフランクフルトやウィーンにつきます。直行便だと13時間ほど飛行機に乗りっぱなしなので、ずっと眠れる人にとっては快適かもしれませんが、私は飛行機ではあまり眠らないので、一回の移動が短い方が好都合です。
今回は、トラベルコちゃんでチケットを探したのですが、乗り継ぎに半日以上かかる便だとけっこう安いということがわかり、せっかくだから一泊してヘルシンキを見てみようと思ったのでした。
フィンランド=映画の中の世界
(公園で見つけたカレワラの像)
フィンランドについて、私が知っていることは、ほとんど映画で見たことだけでした。東京時代に何度も見た、アキ・カウリスマキの作品や、ベルリンで見た『Zugvögel einmal nach Inari』(邦題:ハンネス列車の旅)*1などの作品から、私はフィンランドのイメージを得ていました。
「ハンネス列車の旅」は、私が滞在中の1998年にちょうど公開されたばかりで、非常にヒットしていました。現地の劇場で、ドイツ語がわからないながらも面白く見ることができたので、その後DVDを買って、何度も学生に見せています。
ドイツ語だけですが、トレイラーが見つかりました!
語学も勉強しました。北欧の他の国とは、言語が全く違うというのも興味深いので、教科書を買って、フィンランド語の学習もしました。しかし、ゲルマン系言語とたしかにまったく異なるので、なかなか覚えられず、本のいくつかの単語やフレーズしか現地でもつかえませんでした。それでも、フィンランド語を学んだ経験は、ドイツ語学習に役に立てられるのではないかと思いました。
(ホテルの隣にあったお店。まったく何が言われているのか理解できない。このとっかかりのなさに痺れる)
機内での過ごし方
飛行機では、関空発の場合11時ごろ出発なので全然眠くなりません。仕方がないので、たいていは映画を見て過ごします。
今回見たのは、ノルウェー映画の「Welcome to Norway」。ホテル経営者が難民の受け入れをすることになり四苦八苦しながら、難民たちと交流して行く、という話でした。
2本目は、もうちょっとわかりやすいもの、ということで、これを。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』ロング版本予告 - YouTube
さらに3本目は、すでに5、6回見たこの作品を見ました。ヒャッハー。
ヘルシンキ到着
ヘルシンキヴァンダー空港には、昼の2時半ごろ到着しました。なぜか到着後の入国手続きに時間がかかり、バスで空港を出発したのは3時半過ぎでした。
バスでヘルシンキ中央駅までは、約30分かかります。車窓からの風景を眺めると、沿道に生えている樹木がドイツとは違うことに気づきました。
あとで調べてわかったのですが、そこここにたくさん生えていたのは、白樺で、フィンランドの国の木だそうです。日本で白樺を見るのは、信州の高原地帯などですから、この国が日本よりだいぶ冷涼だということがわかります。
ヘルシンキ中央駅まで行く間に、いくつもの湖や池を見ました。駅の周りは海が近いので、入り江が入り込んでいるところもあるようでした。(このへん、かなり複雑なので地図を見ても、淡水なのか海水なのかよくわかりません)
公園の様子を動画で撮ってみました。
中央駅の周辺は、広場になっていて、風格のあるビルが立ち並んでいました。デパートや中央郵便局、劇場などがありました。
駅の雰囲気もドイツとはいくらか異なっていました。
駅のプラットホーム。10本くらいしか線路がないので、ドイツの地方都市程度の大きさです。
出発・到着を告げる掲示板や、お店の様子はドイツの駅と同じです。
ヘルシンキといえば、カウリスマキ映画にも出てきた路面電車ですね。起伏のある地形なので、路面電車が便利そうです。私は結局乗らずじまいでした。
中央駅の正面入り口です。重厚な建築です。
この彫刻が特徴的ですね。
駅東側の階段です。ここで思い出しましたが、ここは『ハンネス列車の旅』でヘルシンキについたハンネスが、ホームレスに声をかけられ、紙幣をむしりとられる場面で出て来た場所です。
予告編でも出てきていました。
視点が逆ですが、同じ階段だろうと思いました。
ヘルシンキの街を歩く
着いた日は日曜日で、街に出たらもう5時くらいだったので、お店や博物館関係はすべてもう間に合わず、とりあえず街の雰囲気を楽しもうと、歩きまわってみました。
目についた建物をいくつか写真に撮りました。ドイツと変わらないようにも見えますが、やっぱりなんとなく建築様式が違うように見えました。
駅前の繁華街には、大きな歴史的な建物が多くありました。ストックマン百貨店は特に有名です。
地図を見ないで歩き回っているうちに見つけたのが、この岩山です。
住宅街にどーんと岩が転がっています。周囲数百メートルで、まわりを歩いたら10分くらいかかる、大きな岩でした。この岩山の下が教会になっていました。
(教会がある岩山は、上に登れるようになっています)
(教会の入り口)
この教会だけでなく、ヘルシンキの街には、いたるところに岩が露出していました。ほかにも空港へ向かうバスなどで、しばしば同じような岩の塊を見ました。
ビールがうまい
フィンランドというと、ドイツでよく見るウォッカ、フィンランディアからの連想で、ハードリカーの国という印象がありました。しかし、『Zugvögel einmal nach Inari』では、ラップランドのロバニエミまでいく列車内で、フィンランド人夫婦から白ワインを振舞われる場面があるので、ワインもおいしいのだろうと思っていました。
この日は夕方から街に出て、夜8時過ぎまで1万歩くらい歩き続けていたので、街中のレストランでビールを飲みました。とくに期待していなかったのですが、ビールが非常に美味しかったです。
ホテルが広い
ビールが1杯7〜8ユーロ、タクシーは15分乗って20ユーロと、けっこう物価水準が高いフィンランドですが、ホテルは意外にもそんなに高くありませんでした。ドイツのように、50ユーロ程度のビジネスホテルが街にいくつもあるというわけではないし、土地勘がないので、行きやすい場所がいいだろうということで、ヒルトンにしました。
ヒルトン・ヘルシンキ・ストランドホテルは、ヘルシンキ中央駅から1km程度、港から続く水路に面した非常に美しい場所にありました。
レセプションでは、スタッフのお兄さんがたどたどしいながらも、すべて日本語で対応してくれました。これには非常に感動しました。部屋は99ユーロだったので、東京だったら普通のビジネスホテル程度の価格ですが、びっくりしたことに30㎡以上ある、豪華な部屋に泊まれました。
ホテルにはサウナとプールがついているということなので、夜にはサウナ室にも行ってみました。フィンランド人男性ふたりと小さなサウナに入りましたが、日本で銭湯で入るサウナとは比べ物にならない暑さでした。焼け石に水をかけ、さらにタオルで室内の空気を対流させると、目を開けていられないほどの熱さになりました。
サウナからあがり、部屋に戻ってバルコニーに出ると、夏とは思えない涼しさでした。やはり来て正解だった、と実感しました。
あっという間に出国
ヘルシンキの街を駆け足でまわりましたが、今回はあくまで乗り継ぎ時間での滞在です。早朝には空港に戻って、朝8時の飛行機でミュンヘンに向かいました。今回の滞在では、これまで映画でしか知らなかったフィンランドを実際に見ることができました。しかし、映画で見たトゥルクやロバニエミ、イナリなどにも行ってみたいので、つぎは旅行で一週間くらいかけてフィンランドに滞在したいと思いました。
フィンエアーというとおなじみのブルーベリージュース。やたら甘いです。
上空から見ると湖や池が多いことがわかります。
*1:びっくりすることに、DVD版のタイトルは『逃走特急』です。たしかに逃走してるんだけど、いくらなんでも酷すぎる!