ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

文学の町、マールバッハ

18日と19日の二日間、Stuttgartに滞在して、マールバッハのドイツ文学資料館を訪ねました。資料館での調査については、別の記事にまとめますが、なかなか貴重な体験ができました。

マールバッハのドイツ文学資料館

ドイツ文学資料館Deutsches Literaturarchiv (DLA)は、StuttgartからSバーン(近郊列車)で30分ほどの小さな町マールバッハにあります。

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マールバッハ駅前。特に何もありません。電車は一時間に2,3本。

マールバッハは詩人フリードリヒ・シラーの生まれ故郷として知られています。Stuttgart駅前にもシラー像がありましたが、マールバッハからルートヴィヒスブルクの学校を経て、Stuttgartで青年期を過ごしたためです。

マールバッハの駅からDLAまでは、バスがありますが、本数が少ないので私は二日とも歩いてきました。緩やかな坂道をえんえん上って15分ほどで到着します。その間に、マールバッハの旧市街の入り口が見えました。

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DLAがある場所は、ネッカー川を見下ろす丘の上です。ドイツ文学博物館のテラスにでると、広々とした谷沿いの景色を楽しめます。

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こちらがドイツ文学資料館。

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現代的な建築のドイツ文学博物館。中はかなり寒かったです。

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シラー像です。銅像を撮るのはなかなか難しく、何度も失敗してようやく顔がはっきり見える写真になりました。

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眺めの良い、広々とした場所なのでとうぜん噴水がありました。

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文学博物館から見た、ネッカー川。

 

DLAで資料を見てから、博物館も見学しました。ここは、シラーやメーリケを中心に、さまざまな作家たちの手稿や手紙、初版本などが展示されています。面白かったのは、シラーの肖像の部屋でした。おなじみの長髪でイケメンのシラー像が並んでいます。たなびく赤みがかった髪と細い鼻、そして鍵煙草入れなどの小道具も含めて、同じイメージが踏襲されているのが分かります。

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やや落ち着いた印象のシラー。これは岩波文庫の表紙になっていましたね。

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この肖像も見覚えがある。これも岩波文庫でしたね。

マールバッハ旧市街

博物館がある丘(Schillerhöhe)からネッカー川のほうへと下ると、マールバッハの町があります。先日訪れたコルマールのような、こじんまりとした古い家並みが残っています。

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近づいてきた猫のきょうだい。撫でまわしたら手が猫毛だらけになりました。

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シラーの生家というプレートのついた家もありました。

 

この町の外側は、ネッカー川に下る急な坂道になっています。どうしても外から見た旧市街の様子が撮りたかったので、帰りのSバーンがネッカー川を渡るときに、カメラを出して撮影しました。傾斜した土地に立つ町が、ぐるりと巡らせた塀で守られているのがよくわかります。

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