ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

研究活動

独文学会でのこれまでの発表を振り返る

あの頃は何をしていたのだろう? 思えば昨年も、この時期に過去の自分の研究活動を振り返っていました。 schlossbaerental.hatenablog.com 去年書いた記事では、最近学会で会う若手研究者がみんな偉くみえるので、自分が30歳ごろ何をしていたのか、という…

日本独文学会でドイツ文学講義について発表しました

独文学会で発表しました 9月30日から10月1日まで広島大学で行われた日本独文学会に参加してきました。 今回は、「語学教育の方法を生かしたドイツ文学講義の試み—教養科目でどのように文学を取り上げることができるか—」と題して、ブース発表を行いました。…

百万遍、大阪コピーの思い出とBSBのスキャナ

ミュンヘンBSBで毎日スキャナの前で過ごす ミュンヘンに来て一週間、毎日バイエルン州立図書館(BSB)のスキャナ室で、文献をコピーして過ごし、現在はウィーンに移動しております。 ウィーンのオーストリア国立図書館 バイエルン州立図書館は、フランクフル…

論文が出ました「記憶と病-クリスティーネ・ヴニケ『狐と島邨博士』について」

春に書いた論文が出ました 7月末に出来上がった、『希土』第42号(希土同人社)に、春に書いた論文が掲載されました。 2015年に出版された、ドイツの小説„Der Fuchs und Dr. Shimamura"『狐と島邨博士』について、実在の人物島邨俊一の生涯と、小説に登場す…

どうやって博士論文の完成までたどりつくか?

学会に行ってきました 先日、日本独文学会京都支部の研究発表会に出席してきました。 京都支部は、院生・専業非常勤時代に大変お世話になってきた会です。現在は阪神地区の大学に務めています(私たちの分野では、関西に京都支部と阪神支部の二つがあります…

MacBook12インチを購入

科研費をつかいました 4月に当たった科研費で本やMacを買っています。 大学の個人研究費もありますが、あれこれ文献を買いあさっているうちに、夏休み前だというのにのこり4分の1ほどしかありません。もはや大型の買い物はできそうにないので、自分が代表者…

Keynoteから配布資料を作成する

新カテゴリー、「授業の方法」 また新しいカテゴリーを作りました。 「ドイツ語の授業」というカテゴリーをひそかにつくって、これまでの授業関係の記事をまとめていましたが、考えてみるとドイツ語だけでなく、異文化理解の講義もやっているので、そちらも…

最近買った本と豊川堂の思い出

カテゴリーを新設 先日の「論文の書き方」につづき、新しいカテゴリーとして、「買った本」というのを作りました。 本のレビューなどを書いてみたいと思いながら、ちゃんとした書評って書くの面倒だよな、とも思うので、とりあえずどんな本をいつ、何を考え…

論文を書いてる途中で気づいたこと

論文を書きながらいろいろ気づく 四月から今月にかけて、仕事がかなり忙しくなっていました。 五月の連休には、和歌山での講演のしごと(これについても近日中に感想などをまとめます)、そのあとには、論文の締め切りが二つあります。そのうち一つの論文は…

先生しごとを始めた頃のこと

学期始め、前の年のノートを見直す 新年度がはじまり、私のドイツ語のクラスも4週目に入っています。 毎年この時期になると、昨年は何をしていたのかと振り返ります。というのも、それぞれのクラスで一週目や二週目にどんなことをしていたのか、よく覚えて…

カール・デュ・プレルの本

科研費交付内定! 四月になりました。春休み中は、旅行に行ったり、研究会に出たり、野球を見に行ったりで、それなりに充実した時間を過ごしていたものの、あまり研究は進みませんでした。 四月に入ると、まずは科研費申請の結果が出ます。どうせ不採択だろ…

10年ぶりの高知

FD講演会のため、高知に行きました 3月3日と4日の一泊二日で、高知に行ってきました。今回は、高知大学共通教育実施機構会議、外国語分科会のFD講演会ということで、先日のブログにまとめた、ドイツ語作文の授業について報告しました。他大学に講演をしに行…

もう続けられないかもしれないと思った時に

研究を続けて行く自信がなくなることがときどきあります。 大学院生の頃は、そもそも自分が研究者として一人前になれるかすらわかりませんでした。博士号を取り、専任教員になって、その後も研究を続けて行くというビジョンはまったくありませんでした。 す…

ドイツ語の参考書を読む

まだまだ先のことになるでしょうが、ドイツ語の参考書(大学教科書ではなく、一般向けの入門書)を書けたらいいなあと思っています。やる夫やらない夫を使う教科書ではなく、ふつうに本屋さんで売っているような本を作るとしたら、どんな形が考えられるでし…

作文をどのように授業で練習するか

教え始めて7年 ドイツ語を教えるようになって、今年度で7年目です(もう40歳なので、同年代の先生方はもう少し教歴が長いはずです。私はいろいろ回り道をしていたので、すこし遅れています)。 はじめのうちは、自分自身もあまりドイツ語ができるわけではな…

引っ越しから1ヶ月

1ヶ月後の研究室 研究室の引っ越しから1ヶ月がすぎ、ようやく色々なものが片付いてきました。 年末ぎりぎりに荷物が搬入され、それを妻と二人でとりあえず収納しましたが、その後1ヶ月で、新たに家具を増やしたりして、引っ越し当初よりもはるかに快適な…

やはり学生はメールが苦手

学生とのやりとりの方法についていろいろ考えさせられる学期末 つい最近、後期が始まったことを記事に書いていたと思っていたのに、もう学期末のテスト週間になってしまいました。早いもので、と言いたいところだけど、やはりもう去年の夏はずいぶん前のこと…

研究室の引越し

ようやく引越しがすみ、築50年超の11号館から、リフォームしたばかりの18号館に移ることができました。 着任直後から、引越しのうわさがあった 3年前に着任した当初、古ぼけた11号館の研究室に、少なからずショックを受けました。昼でも真っ暗な、研究室入口…

2016年、買ってよかったものあれこれ

もう今年も終わりですよ あっというまに一年が過ぎてしまいます。 昨年と同様、ことしも1月から今までに買ったもののなかで、よかったものを本から服や靴まで、あれこれ思い出しながら、一年を振り返ろうと思います。 1)除湿機 パナソニックデシカント方式…

どうやって研究者として生きのこるか?

大学院進学を考えている人へ 研究者になりたいけど/研究に興味はあるけど、進学すべきかどうか?といった問題、そして、進学後はどうやって研究を続けていったらいいのか?こういった問題については、Facebookやtwitterでしばしば多くの研究者の皆さんが意…

学生たちは添付ファイルが苦手

学内の第二外国語スピーチ大会 来月に行われる、学内の第二外国語スピーチ大会の受付をしています。発表希望の学生たちにWordの申し込み用紙を送り、記入してもらうということをメールでやってるのですが、添付ファイルを返送できないのでどうしたらいいか、…

トーニオ・クレーガー、いま私たちの人生と対立するものは何か?

国際化と異文化理解の第5回目は、トーマス・マンをとりあげました。 19世紀末から20世紀初頭の社会の変化として、前期の講義では『ブッデンブローク家の人々』から、没落する旧来のブルジョワと台頭する新たな階級について説明しました。しかし、『ブッデン…

30歳からの10年間をどう過ごしてきたのか

10歳くらい年下の研究者がみんな偉い 先週末10月22日に日本独文学会で研究発表をしてきました。今回は、すばらしい仲間と組んでシンポジウムを行い、大盛況のうちに終わりました。 学会でやるべきことは、もちろん研究発表であるし、他の優秀な研究者の発表…

国際化するビジネスと衰える国際感覚

珍しく学生から相談を受ける ふだんは1、2年生向けの講義やドイツ語の授業しかない私にとって、学生から勉強についての相談を受けることはめったにありません。研究室に学生が来ることも(学期末に提出物などを持って来る場合を除けば)ほぼありません。し…

図書館探訪、どこの図書館が利用しやすいか

海外研究調査=図書館行って文献をコピーすること 私の場合ここ数年毎年夏と春にヨーロッパを訪れています。研究調査が目的ですが、人に会ってインタビューするとか、学会で報告するというのは目的に入っていません。たいてい現地でやることは、噴水の撮影と…

昔の人の文字について思ったこと

マールバッハのドイツ文学資料館(Deutsches Literaturarchiv Marbach)でドイツの神秘思想家カール・デュ・プレル(1839~1899)の手書きの書簡を読んできました。読んできましたと書いたばかりですが、残念ながらほぼ何もわかりませんでした。*1現物を見て初…

ルートヴィヒスブルク、王宮の噴水を撮る(8月19日)

ルートヴィヒスブルクはStuttgartとマールバッハの間の町 マールバッハからStuttgartに戻るさいに、(すでに作家の書簡を読むのに疲れ、さらに博物館の図録を買って荷物が重くなっていたけど)どうしても気になった町、ルートヴィヒスブルクに寄り道しました…

文学の町、マールバッハ

18日と19日の二日間、Stuttgartに滞在して、マールバッハのドイツ文学資料館を訪ねました。資料館での調査については、別の記事にまとめますが、なかなか貴重な体験ができました。 マールバッハのドイツ文学資料館 ドイツ文学資料館Deutsches Literaturarchi…

シュトゥットガルト、噴水の都

18日木曜日にフライブルクをでて、シュトゥットガルトに来ました。 シュトゥットガルトは、バーデン・ヴュルテンベルク州の州都ということで、かなり大きな町です。フライブルクからは、カールスルーエで乗り換えて、約2時間ほどで到着しました。 17年ぶりの…

フライブルク街歩き(8/13-8/17)

フライブルクの夏 フライブルク大学図書館での資料調査のため、土曜日からフライブルクに滞在していました。実はこの町には、5年前の2011年の正月にも来ています。そのときは、スイスのベルンで2泊して、フライブルクを経由し、パリへ戻るという旅程の途中で…