ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

降りたことがない駅に走って行ってみる

秋はスポーツの季節

猛暑、そして家のごたごたで、9月から10月までほとんど運動できずに過ごしていましたが、10月末ごろから涼しくなってきたので、ジョギングとサイクリングを再開しています。

父が死んで気持ちが落ち込んでいたというのもあるのですが、新しい土地に引っ越してきて間もなかったので、なかなか自分にあったジョギングコースが見つけられませんでした。たしか太秦や西宮に住み始めた時も、安心して走れるコースが見つかるまでに1、2ヶ月はかかったと思います。

大阪市内に住み始めた頃は、家の近所がわりと都会で、淀川まで行かないと走れそうな場所はないかなと思っていたのですが、だんだん慣れてくると、交通量が多い町のなかでも、広い歩道やあまり車が通らない地域というのがわかってきます。

 

大阪をあまり知らなかったことに気づく

これまで、大阪には(看護学校での仕事以来)10年以上通い続けていました。しかし、用事がある場所以外は何も知りませんでした。

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丸い環状線は大阪駅を12時、天王寺駅を6時と例えられるでしょう。


環状線は、福島から鶴橋まで、時計にたとえれば11時から4時くらいの範囲しか降りたことがなく、それ以外の場所は通過したことすらほとんどありませんでした。

そこで最近は、ジョギングのついでに、これまで行ったことがない町や降りたことのない駅を目指して行ってみて、周囲を散策するようにしています。そうして、よく知らない場所を走ってみるうち、だんだんとこれまで鉄道路線や高速道路のICなど点でしか繋がっていなかった町が、面として見えるようになりました。さらにこの町の歴史的な背景に興味を惹かれるようになり、大阪の街がますます気に入ってきました。

今回は、ここ最近で訪れた、大阪の「降りたことがない駅」をいくつか紹介していきます。

 

1)阪急中津駅

梅田から一駅目の阪急中津駅は、我が家から歩いても行ける、最寄りではないけど、わりと近い駅の一つです。しかし考えてみると、これまで京都や西宮に住んでいた頃に、この駅で降りた記憶がありません。というより、この駅に停まる電車に乗ったこともほとんどなかったと思います。(神戸線、宝塚線の各駅停車しか停まらないため)

淀川にジョギングに行ったついでに、せっかくだからと駅舎を探してみました。駅は新十三大橋のたもと、十三バイパスから見えるところにありますが、駅舎は高架下にありました。

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日曜日なので閑散としています。改札前には飲み屋とケーキ屋さんがあります。

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駅の南側にはJRの貨物線が通っています。駅前の公園には人がいっぱいいました。

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貨物線沿いに南西方向へ向かうと、グランフロントの裏側を通って、スカイビルの前に出ます。梅田の喧騒が嘘のように静かなところです。

 

2)阿波座駅

ここは毎日通勤時に通る駅だし、昨年西宮から車通勤していた時には、高速道路で通っていた場所(渋滞の名所)です。しかし駅自体を利用したことは、よく考えるとありませんでした。

阿波座駅は地下鉄中央線と千日前線が交差し、地上では中央大通りと新なにわ筋が交差し、さらにその上に阪神高速のジャンクションがあります。ちょうど大阪中心部西側の出入り口のような役割をになっています。そのため、地上を通ると、道路だらけです。

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阿波座交差点から少し北に行って土佐堀川を渡ったところがちょうど中之島の西側の先端です。この写真の奥に見えるのが中央市場です。

また、交差点から西に橋を渡ったところは九条島です。この辺にかつては大阪北港があったそうです。

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居留地に作られたのが、聖公会の川口教会です。

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3)九条駅

阿波座から中央大通りをまっすぐ西に行ったところが九条の街です。ここで地下鉄中央線と阪神なんば線が交差しています。

九条には大きな商店街があります。中央大通りより南東側は今でも賑やかです。近くには有名な松島新地もあります。そして映画ファンには知られている、名画座シネ・ヌーヴォがあります。

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しかし、西側の西九条方面の商店街はびっくりするほど閑散としています。

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数100メートル以上のまっすぐなパッサージュが続いていますが、土曜日の夕方なのにほとんど人がいませんでした。

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ひっそりした商店街を足早に通り過ぎようとしているところ、この模型屋さんで足が止まりました。日頃学生たちにはウムラウトをつけ忘れないように(何度言ってもfahrenなどの不規則変化動詞ではウムラウトがないミスが多い)言ってきましたが、いくらなんでもこれはウムラウトつけすぎです。

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この商店街をぬけると安治川に出ます。安治川の上を阪神と環状線の高架が通っていますが、人が渡れる橋はありません。そこで歩行者・自転車はエレベータで地下に降り、川の下をトンネルで超えます。これは初めて見てかなり驚きました。

 

4)ドーム前駅

かつて西宮から通勤していた時は、阪神なんば線を使っていました。ときどきドーム前からコンサート帰りのひとがたくさん乗ってくることがありました。しかし、大阪ドームも市内に引っ越して初めて行きました。

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密集した住宅街を抜けると、いきなり巨大なドームが現れます。

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ドーム周辺は住宅街です。大阪名物のスーパー玉出ですが、自宅周辺にはまったくないので、新鮮でした。

 

5)大正駅

大阪ドームから南へ橋を渡ったところに、大正駅があります。環状線の中でもマイナーな駅の一つでしょう。沖縄料理で知られる大正区ですが、すくなくとも駅周辺をちょっと見ただけでは、それほど琉球文化は感じられませんでした。しかし、非常に古い商店街など、たいへん魅力的な街並みが広がっています。

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大きな通り沿いに駅があります。車も歩行者もたくさんいました。

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駅前はまったくマイナーな駅という様子はありません。

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偶然見つけたさんせん(三泉)商店街。休日夕方なので歩行者は少なめでしたが、野田の商店街より賑わっているように見えました。

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古い手芸店

 

6)芦原町駅と芦原橋駅

大正駅から木津川をわたり、南に進むと南海汐見橋線の芦原町駅があります。ただでさえ滅多に乗る機会がない(義実家に行く時くらい)南海線ですが、なかでもこの汐見橋線は、存在は知っているものの、どこから分岐しているのかすら知りませんでした。(岸里玉出から分岐しているようです)

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京都の叡山電車のような駅舎です。右側に写っている時刻表、よくみると毎時2本くらいしか電車はないようです。

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芦原町から約5分ほどのところに、今度は環状線芦原橋駅があります。ここもなかなか降りる機会がない駅、というか通過する機会も私の場合は数える程(関西大学堺キャンパスや関空に行く時くらい)しかありませんでした。

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大正駅と同様、大きな道路の近くに駅があります。

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南側の改札口です。北側にはもう少し大きな改札口があり、改札を出たところにはこのへんの名物、太鼓屋さんがあります。

 

 

少し長くなってきたので、後半は次回につづきます。