ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

胡人俑を見てきたよ

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こういうポーズで写真撮る人、一日に数十人はいただろうと思います。

中之島の東洋陶磁美術館へ

二週間ほど前ですが、たまたま大阪の街中に出る機会があったので、大阪市立東洋陶磁美術館で開催していた(3月25日までで終了)特別展、唐代胡人俑展を見てきました。 

過去の展覧会 | 展覧会情報 |大阪市立東洋陶磁美術館

東洋陶磁美術館は、京都から淀屋橋にでて、大阪で仕事をしていた頃からなんとなく知っていて、知人などからはしきりに勧められることが多かったのですが、今回初めて中に入りました。

胡人俑展は、インパクトのあるポスターが、駅などに貼られていて関西ではかなり話題になっていました。夕方5時の閉館時間まであまり余裕がありませんでしたが、非常に見応えのある素晴らしい展示でした。

 

胡人俑はお墓の副葬品

胡人俑は、始皇帝兵馬俑と同じように、昔の人のお墓に副葬品として収められたもので、今回の展示品は、唐代730年ごろにつくられたお金持ちの人の墓に入っていたものが、工事現場から出てきたそうです。

彩色されたリアルな人形からは、当時の人々の生活、昔の人が人間や動物を見るときどの部分を見ていたのかがわかります。そして、当時の人々の作ったリアルな人間像が、現代の私たちにとっても少しも変じゃない反面、彼らの表現が、私たちとは少し異なっている点が面白いと思いました。

 

人物と馬

ポスターにもなっていた、動きがあり表情豊かな人形ですが、写真に撮って、さらに拡大すると非常によくできていることがわかります。

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ウィンクしているのか右目を閉じている人。

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かっぷくのいいおじさん。ヒゲがシャベルのよう。

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キリッとした若者。耳が大きく、緑色の服がおしゃれです。

このポーズ、何をしているのかというと馬を引いているのです。

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人とセットで収められていた馬。体格が立派です。

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こちらはラクダ。シルクロードを通じて中央アジアとも交流があったから、ラクダを引いてくる人もいたのでしょう。背中のコブは、なんだかひしゃげて、背びれのようになっています。顔が馬と異なっているのもおもしろいですね。

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ラクダを引く人。

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こちらは、笑っている人でしょうか。

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いい表情のおじさん。

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この人も馬を引くポーズでしょう。頬骨から口元あたりのつくりが、どの人形でもやたらリアルです。

 

 

その他動物たち、小さい人形たち

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手のひらサイズの牛。まだ立ち上がれない子牛。

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これまで写真を上げてきた人形や馬はけっこう大きくて、馬の像などは高さ60cmくらいあります。それに対して、こちらの動物や人物はかなり小さく、10cm〜15cm程度でした。しかし、小さくても同じくらい精巧に作られています。

牛たちの像は、なんだかかわいいですね。 

小さい人物たちと、小さな動物がなんだかシルバニアファミリーのようでした。子供の頃見ていたら、自分でも紙粘土で作ろうと思ったかもしれません。

 

常設展もすばらしい

特別展以外のところには、常設で日本、中国、朝鮮半島の古い時代から現代までの陶芸が展示されています。こちらも素晴らしい作品ばかりでした。中でも特に惹かれたのが、この二つです。

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座っている獅子像です。緑色があざやかです。後ろ足をあげて、あごをかいているような、猫がよくやるポーズをとっています。

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拡大してみると、足の上げ方や顔の角度など、ちゃんと作られていることがわかります。

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この鮮やかな青い壺は、レプリカがあったら欲しいと思いました。

 

閉館時間まで1時間程度しかなかったので、大急ぎで見るだけになってしまいましたが、次回はもう少しゆっくり、常設展も見てみたいです。

 

おまけ

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大阪市の某所。コインパーキングの機械の下に、五分刈りの生首が落ちていました。ギョッとして辺りを見回すと、床屋さんの裏口でした。なるほど、と納得しました。