3年くらい前からラミーのサファリ万年筆を愛用しています
鉛筆の書き味と、ボールペンと同じ定着性(消えないということ)を備えているのが万年筆だと気づいたので、ふだんから勉強しながらメモを取ったり、論文の構想を書き出したりするのには、万年筆を使っています。
万年筆というと、高価なものは天井知らずです。もともと字が下手なこともあり、たいして品質にはこだわらず、安くて使いやすいものを、ということでラミーのサファリを使っています。太さやインクを変えて、現在合計5本手元にあります。
新しい順にならべると
1)ペトロール EF ブルーのインク
2)ライムイエロー EF ターコイズのインク
3)フレンドシップペン(日独交流150周年記念カラー)F インクはブルー
4)クリア EF グリーンのインク
5)クリア EF ブルーのインク
の5本です。
どのように使い分けているのか、そしてなんで同じ太さのペンを何本も買ってしまっているのかはこれから書きます。
5本のラミー・サファリと普段使っているノートです。
同じEFニブなのに個体差が大きい!
ドイツのメーカー、ラミーの万年筆は日本でも人気があります。ドイツだとほかにはペリカンが若者や子ども向けの製品を出しています。私が大学生の頃に現地で買ったのはペリカンでした。
ラミーのサファリを買い始めたのは、クリアタイプのペンを見たことがきっかけでした。中身が見えるし、ガラスのようできれいです。
持っているペンで、手元のメモ帳に同じ文章を書いてみましたが、ペン先(ニブ)の太さによって文字の太さは当然異なるし、驚いたことに、同じサイズでもけっこう違いがあります。
もともとドイツの製品なので、身近なドイツ語をということで、手元にあった、カフカの『城』から、冒頭の一文を書き出してみました。
Es war spät abend als K. ankam. Kが到着したのは、夜おそくなってからだった。
真ん中の黒いペン(フレンドシップペン)以外はみな同じEFサイズのペン先ですが、かなり太さが違うのがわかるでしょう。
細い順にならべると、
ネオンライム→クリア(青インク)→ペトロール→クリア(緑インク)→フレンドシップペンという順番です。
一番下のクリアで青インクのペンを初めに買って、気に入ったので別のインクを入れてもう一本使おうと思い、同じクリアでEFニブのペンを買いました。しかしこのグリーンのインクが入っているペンは、同じEFサイズなのに、ペン先の太さがずいぶん違っていました。
その後、日独交流150周年の記念ペンや、その年ごとの限定カラーが気に入って、2016年のネオンライム、2017年のペトロールブルーと、買い足していきました。
普段よく使うのは、クリアの2本と、ネオンライムです。
見ての通り、一番細いのがネオンライムなのですが、ちょっとペン先が硬すぎて疲れます。文字の書き味がいいのは、クリアと、最新のペトロールです。
インクは純正でいい
万年筆を使うなら、コンバータをくっつけて、びんに入ったインクを使うのがいい、と調べてわかったので、はじめのうちは、パイロットの色彩雫を使っていました。
パイロット 万年筆インキ iroshizuku INK-50-TY ツキヨ
- 出版社/メーカー: パイロットコーポレーション
- メディア: オフィス用品
- 購入: 7人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
発色が美しいのはいいのですが、月に1、2回、コンバータでインクを吸い込む作業をしないといけません。好きな人は、こういう手間を愛しく思うそうですが、毎回インクが指にくっつきます。万年筆のインクは、水性なのに、手につくとなかなか落ちません。インク補充のたびに、インクのついたティッシュが山のようになり、手にも青や黒の跡が残ってしまいます。これがいやで、昨年あたりからラミーのカートリッジを使うようになりました。
インクとペンの相性もあり、色彩雫よりラミー純正インクカートリッジの方が書き味が良くなった気がします。
紙との相性がむずかしい
上の写真でもわかるように、紙との相性があり、書きやすい紙、書きにくい紙があります。薄い紙やざらついた紙だと、インクがにじんだり、ペン先がひっかかったりします。
普段使っているノートに、それぞれのペンで書いて、比較してみます。
1)仕事用 アピカCDノート
安くて書きやすいノートです。鉛筆、ボールペン、万年筆何を使ってもとくに不自由ありません。しかし紙がつるつるしてて薄いせいか、若干インクが溜まりやすいあるいは出過ぎることがあるので、太字しかかけない万年筆だと、なかなかインクが乾かずページを汚す恐れがあります。
数字の前の番号は、上で並べた順番です。①ペトロール、②ネオンライム、③フレンドシップペン、④クリア(緑)、⑤クリア(青)。
この写真でも、Fニブの3番、太めなEFサイズの4番だと少し滲んでいるのがわかります。
2)日記、メモなど ライフノーブルノート
院生の頃から気に入って使い続けてきたノートです。しかし、やはりこれも万年筆だと少しインクが出すぎます。万年筆らしい濃淡がきれいに出るといえばいいのですが、小さい文字を書くと潰れてしまいます。
3)LMUのレポートパッド
ミュンヘン大学の売店で買った、大学グッズのメモ帳もよく机の上において使っています。ボールペンや鉛筆で書くにはちょうどいいのですが、万年筆だといくらか滲んでしまうし、細いペンだとひっかかりを感じるので、あまり万年筆には向いていません。しかし、紙は薄いしきれいなので、授業ノートなどによく使っています。
4)研究ノート ニーモシネのB5リングノートおよびA5ノートパッド
これもかなり前から愛用してきたノートです。ボールペン、鉛筆などでもきれいに書けるし、紙がつるつるしていて高級感があります。リングノートですが、スケッチブックのメーカーだけに、リング部分が非常にしっかりできていて、バッグにしまっていても他のものを傷つけることはありません。
→ドイツで売っている学習用のリングノートなどは、針金がほどけて一緒にしまっている教科書や本にひっかかることがよくありました。
ニーモシネシリーズは、万年筆で文字を書くにもちょうどいいです。
太字の③番、④番でもとくに滲むことがありません。細い②番でも手が疲れることはなく、ちょうどよく書けます。
5)メモ帳 ロディア
実はこれがラミーの万年筆には丁度いいということがわかってきました。
アピカCDノートの場合と比べて、あきらかに文字が細いことがわかります。つまり、インクが出すぎないので、文字が太くなったり、インクが溜まったりすることはありません。書いた通りに書けるのでストレスがありません。
(よく考えたら、同じ言葉を書かなくとも文字の太さを比べることはできそうなので、本棚に並んでいたカフカ全集から適当にタイトルを写しました)
太字の③や④でも滲みなくきれいに書けます。
ロディアのメモ帳は、海外調査などに出かける際に持って行っていましたが、日頃の授業メモなどに使うのもいいかと思い、最近A5サイズのノートパッドを買いました。このノートパッドから数枚ちぎって、教科書などに挟んでおくと、授業中のメモや、授業内で出題する問題を書き留めておいたりするのに便利です。
→授業内で出す問題というのは、最近いくつかのクラスで授業終わりに課している小作文です。授業で扱った内容を組み合わせて、10分程度で書ける課題を作ります。事前に問題を決めておくのがベストなのですが、教科書の進み具合で微妙に内容を変更したりするので、授業中、学生が他の練習をしている時間などに、その日の課題を書いています。
N16がちょうどA5くらいのサイズで使いやすいです。