ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

10年ぶりの高知

FD講演会のため、高知に行きました

3月3日と4日の一泊二日で、高知に行ってきました。今回は、高知大学共通教育実施機構会議、外国語分科会のFD講演会ということで、先日のブログにまとめた、ドイツ語作文の授業について報告しました。他大学に講演をしに行くというのは、初めてのことだったので、貴重な機会をいただけて、感謝しております。

兵庫県に住んでいると、四国はすぐ対岸なので、わりとしょっちゅう行っている気がしていたのですが、考えてみると明石海峡大橋を渡っても、淡路島までで引き返すことばかりでした。海を渡るので、四国に来たんだ、と勝手に思っていましたが、同じ兵庫県内から一歩も出ていなかったのでした。

四国自体は、いちおうこれまでに4県全てに行ったことがあります。香川県徳島県は、小豆島のマラソン大会に出場したり、その道中で何度も訪れています。しかし、高知県は2007年に家族旅行で行った時以来です。たしかそのときは、足摺岬や土佐中村の町を見るほうがメインで、高知市ではほとんど何もせず、何もない静かな高知駅前で帰りの高速バスを待ったことくらいしか覚えていません。

しかし、お酒も魚もとてもおいしいことは覚えていたので、とにかくおいしいものが食べられることが楽しみでした。

 

バスでしんどい思いをするよりは、車で行ったほうがいい

高知というのは、四国の中でもとりわけ他と隔絶されていて、なかなか近づくことができません。飛行機はともかく、鉄道もバスもかなりの時間がかかります。10年前高知駅から乗った高速バスは、京都駅に着くのに6時間近くかかったように思います。

今回は、妻もいっしょということで、自家用車で行きました。Googleなどで調べると、自宅からは3時間40分程度で着きそうなので、朝7時半ごろに出発しました。途中2、3回の休憩をはさんで、ほぼ予定通りに11時半ごろ高知市に到着できました。

 

高知大学での講演

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春休み中なので学生がおらず閑散としています。学生がいないというのが、国立大らしいと思いました。勤務校は春休み中も学生たちでいっぱいです。

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高知大学での講演には、人文学部のドイツ語、英語の先生方だけでなく、非常勤の先生方にも来ていただきました。ブログに書いた、作文の指導についての試行錯誤をお話ししたので、先方の先生方にも、うちはこういうところが問題だ、といろいろ具体的なお話を伺うことができました。

関西圏でも同じなのですが、昨今国立大学では、1クラスごとの人数が多すぎることが問題になっています。語学の場合は、全員に目が届いて全員が参加できる人数ということで、20人以内が理想と言われています。しかし、国立大(とりわけ地方国立)では、60人から70人の大クラスが多くあるそうです。それだけの人数を、しかも複数クラス担当する場合、どうしても一人一人に作文の課題を出すということは難しくなります。グループで課題を製作するという形をとることになるでしょう。

講演の前に学内を少しみて回りましたが、20年前にセンター試験で訪れた宇都宮大学を思い出しました。低層の建物が広い敷地に並んでいるのをみて、国立大学らしいなあと思いました。学内には樹木が多かったのですが、関西とはまったく植生が違っていて驚きました。

 

高知の町もすばらしい

前回の訪問時には、高知駅と桂浜しか記憶に残っていませんでした。今回は市内中心部に泊まったため、翌日は高知市内を観光しました。

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メインストリートには、路面電車が走っていて、それと並走する通りには、長いアーケード街がありました。故郷の栃木でも、宇都宮にはオリオン通りがありましたが、現在は完全に寂れてしまっていることを思い出しました。子供時代に見た宇都宮のようなにぎわいが、今の高知には残っていました。

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市内中心部では、ちょうどイベントの最中でした。

前回見たかったけど見れなかったのが、高知城でした。山内一豊は、奥さんが偉かったということだけで有名な武将なのであまり関心はありませんでしたが、高知城はみごとでした。天守閣は江戸時代に作られた(いったん火事で焼けて再建している)ものがそのまま残っているそうで、はしごのような急な階段を登りながら、ここで何人が怪我をしたのだろうかと思いを馳せました。

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天守閣からは、街が見渡せました。

お城のすぐ近くには、鮮魚や肉などが食べられるひろめ市場があります。ここも観光名所らしく、大変賑わっていました。カツオだけでなく、クジラも名物だったことを思い出し、鯨寿司を食べてみましたが、大阪で食べるよりも美味しかったです。

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桂浜で太平洋を見る

午後は桂浜に行きました。普段から西宮や神戸で海を見ていますが、やはり太平洋は瀬戸内海と全く違います。海水の海らしい濃い青さや、水平線の広さに時間を忘れて眺めてしまいました。

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帰り道は、淡路島経由ではなく、瀬戸大橋で岡山経由のルートで行くことにしました。その方が早いという人もいるし、せっかくだから違う道を通って見たいと思ったからでした。

瀬戸大橋の途中、与島PAでは、ちょうど夕日に照らされた海を見ることができました。大小さまざまな島や行き交う船など、これもまた近所の海では見られない風景を楽しめました。

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次は夏に行ってみたい

以前愛媛県香川県に行った時も思ったことですが、四国には、現代の関西にはなくなってしまった、古くて良いものが残っているように感じました。街が古いということだけでなく、土地の雰囲気が、同じ田舎でも兵庫県京都府の田舎とは異なっているように思います。何が違うのかうまく表現できませんが、四国にしかない空気感のようなものがあるし、毎回訪れるたび、四国らしさがいいなあと思います。

今回は春でしたが、観光客が多いのはやはり夏だそうです。次は夏の高知を見てみたいです。