ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

ドイツ語

論文が出ました「記憶と病-クリスティーネ・ヴニケ『狐と島邨博士』について」

春に書いた論文が出ました 7月末に出来上がった、『希土』第42号(希土同人会発行)に、春に書いた論文が掲載されました。 2015年に出版された、ドイツの小説„Der Fuchs und Dr. Shimamura"『狐と島邨博士』について、実在の人物島邨俊一の生涯と、小説に登…

ノート屋さんという商売がなぜ成り立つのか?

ノートを売り、買うということ 妻がAノートというサイトを発見しました。 www.anote.jp 立命館大学で生命倫理(前期)を、近畿大学でジェンダー学(後期)を教えている妻ですが、先日、立命館でのテスト前に、ツイッターか何かでAノートというサイトを見つけ…

中間テストをどうするか?

6月は中間テストの季節 マラソン大会に出かけていた先週、ちょうど各大学で中間テストや第一クオーターの期末テストが行われていました。 神戸大学ほかいくつかの国立大学では、現在は前期後期を2分割するクオーター制が導入されており、実質的に第一クオ…

最近買った本6月7日

第一クオーターの期末試験 早いものでもう6月です。 非常勤先の神戸大学は第一クオーターが終わったので、1回目の期末テストです。 前期後期と年2回に分けてテストと成績評価をしていたのに、昨年から4学期制になり、半期に2回テストと成績評価をしない…

アクティブ・ラーニング型初級ドイツ語教科書についての挫折と成果

思いっきり不評だった教科書 昨年選んだ、アクティブ・ラーニング型の教材が非常に不評でした。自分としては、いろいろ考えて選んだはずだったのに、多くの非常勤の先生方には、いい本と思ってもらえなかったようでした。私が何を期待して教科書を選んだのか…

10年ぶりの高知

FD講演会のため、高知に行きました 3月3日と4日の一泊二日で、高知に行ってきました。今回は、高知大学共通教育実施機構会議、外国語分科会のFD講演会ということで、先日のブログにまとめた、ドイツ語作文の授業について報告しました。他大学に講演をしに行…

ドイツ語の参考書を読む

まだまだ先のことになるでしょうが、ドイツ語の参考書(大学教科書ではなく、一般向けの入門書)を書けたらいいなあと思っています。やる夫やらない夫を使う教科書ではなく、ふつうに本屋さんで売っているような本を作るとしたら、どんな形が考えられるでし…

作文をどのように授業で練習するか

教え始めて7年 ドイツ語を教えるようになって、今年度で7年目です(もう40歳なので、同年代の先生方はもう少し教歴が長いはずです。私はいろいろ回り道をしていたので、すこし遅れています)。 はじめのうちは、自分自身もあまりドイツ語ができるわけではな…

やはり学生はメールが苦手

学生とのやりとりの方法についていろいろ考えさせられる学期末 つい最近、後期が始まったことを記事に書いていたと思っていたのに、もう学期末のテスト週間になってしまいました。早いもので、と言いたいところだけど、やはりもう去年の夏はずいぶん前のこと…

トーニオ・クレーガー、いま私たちの人生と対立するものは何か?

国際化と異文化理解の第5回目は、トーマス・マンをとりあげました。 19世紀末から20世紀初頭の社会の変化として、前期の講義では『ブッデンブローク家の人々』から、没落する旧来のブルジョワと台頭する新たな階級について説明しました。しかし、『ブッデン…

国際化するビジネスと衰える国際感覚

珍しく学生から相談を受ける ふだんは1、2年生向けの講義やドイツ語の授業しかない私にとって、学生から勉強についての相談を受けることはめったにありません。研究室に学生が来ることも(学期末に提出物などを持って来る場合を除けば)ほぼありません。し…

ミュンヘンは輝いていた、この街の印象について

ミュンヘンに来るのは、1998年の春以来なので、およそ18年ぶりでした。18年前はたしか一泊だけしてすぐ帰ったのだと思います。そのため、どんな場所に行ったのか、市内をどのように観光したのかなどは全く覚えていません。ただ、そのときに「ミュンヘンは輝…

ミュンヘンの噴水を撮る(8月20日〜8月27日)

Stuttgartをへて、ミュンヘンに到着したのは、8月20日のことでした。それからまる一週間ミュンヘンで調査と噴水の撮影を行いました。 ミュンヘンは寒い? ジャーナリストの熊谷徹さん(ちなみに私の父と同姓同名です)が、ツイッターで発信していたミュンヘ…

図書館探訪、どこの図書館が利用しやすいか

海外研究調査=図書館行って文献をコピーすること 私の場合ここ数年毎年夏と春にヨーロッパを訪れています。研究調査が目的ですが、人に会ってインタビューするとか、学会で報告するというのは目的に入っていません。たいてい現地でやることは、噴水の撮影と…

昔の人の文字について思ったこと

マールバッハのドイツ文学資料館(Deutsches Literaturarchiv Marbach)でドイツの神秘思想家カール・デュ・プレル(1839~1899)の手書きの書簡を読んできました。読んできましたと書いたばかりですが、残念ながらほぼ何もわかりませんでした。*1現物を見て初…

ルートヴィヒスブルク、王宮の噴水を撮る(8月19日)

ルートヴィヒスブルクはStuttgartとマールバッハの間の町 マールバッハからStuttgartに戻るさいに、(すでに作家の書簡を読むのに疲れ、さらに博物館の図録を買って荷物が重くなっていたけど)どうしても気になった町、ルートヴィヒスブルクに寄り道しました…

文学の町、マールバッハ

18日と19日の二日間、Stuttgartに滞在して、マールバッハのドイツ文学資料館を訪ねました。資料館での調査については、別の記事にまとめますが、なかなか貴重な体験ができました。 マールバッハのドイツ文学資料館 ドイツ文学資料館Deutsches Literaturarchi…

フライブルク街歩き(8/13-8/17)

フライブルクの夏 フライブルク大学図書館での資料調査のため、土曜日からフライブルクに滞在していました。実はこの町には、5年前の2011年の正月にも来ています。そのときは、スイスのベルンで2泊して、フライブルクを経由し、パリへ戻るという旅程の途中で…

チューリヒで噴水を撮る(8月13日)

スイスにきました 避暑地のイメージが強いスイスですが、晴れてギラギラ太陽が照り付けて、ふつうに夏ですよ。日陰に入れば涼しいのですが、炎天下を歩き回っていると汗が止まりません。 金曜日の夜に飛行機でチューリヒに到着し、その日は湖の噴水を目当て…

備忘メモ:コンピュータでドイツ語を書く

もうすぐ2016年前期も終わろうとしています。私のドイツ語のクラスでは、学期末の課題として、試験の予想問題や自由作文、長文の日本語訳など、授業時間外に自分で時間をかけてやる課題を出しています。今回は、課題などに役立つコンピューターやスマートフ…

オドラデクの形

国際化と異文化理解講義第9回はカフカ特集 国際化と異文化理解の第9回目は、ウィーンやプラハの世紀転換期文化を紹介し、カフカの小説を読みました。 今回はカフカの作品の中でも特に私が好きなものを三編とりあげました。最も有名な『変身』、そして文庫…

アルテミドロスの夢判断

前回のテーマはフロイトの夢解釈 先週の授業では、世紀転換期ドイツ語圏の文化のひとつということで、フロイトの夢解釈について話しました。その前の回が『シュレーバー回想録』だったので、無意識や精神病への関心というテーマで連続性があるということを強…

講義科目をどうするか?(5)文学テクストを使った講義実践

第4回までで、これまで2年間の試みの紹介、さらに大学教員になる以前に教えていた看護学校での講義、そして2016年度の講義をどう変えるかという話をしてきました。 今回は、今年度取り組んでいる講義を実際にどうやって進めているのかを説明します。 使用す…

4月だけがループすればいいのに

5月になってしまいましたね 私たちドイツ語教員は毎年1年生に新たにドイツ語を教えます。私たちの大学では、ほとんど1年生向けのクラスしかない(2年生以降は選択科目なのでクラス数は激減します)ので、1年生ばかりを教えています。 4月から始まった今年の…

私たちは何を教えているのだろう

今年2月に定期試験が終わったあとに残したメモから。 毎学期、文法事項を中心としたドイツ語の筆記試験を行っている。できる学生も、できない学生もいる。 学生たちを見ていて、自分がやってきたことは何だろうか、と考えることが多い。 定冠詞・不定冠詞の…

やる夫と学ぶドイツ語2

今年も無事、15回の授業とテストを終えることができた。これからしばらく授業のない日々が続くと思うとやはりうれしい。しかしこのうれしい時期も、ドイツに資料探しに出かけたり、自分の研究に励んだり、マラソンの練習に打ち込んだりしている間にあっとい…

やる夫と学ぶドイツ語1

後期が始まってはや6週目。次回の小テストでちょうど半分ということになる。今期のドイツ語総合2(初級クラス)では、毎回プリントを作成し、文法事項の確認や、練習問題などを載せている。 前期の授業で好評だった、アスキーアートのやる夫とやらない夫も…