ドイツ語教員が教えながら学ぶ日々

熊谷哲哉 ドイツ語教育、ドイツ文学、文学じゃないけどおもしろいものなど。

今年買ってよかったもの2017

今週のお題今年買ってよかったもの

 

気がつけばもう年末なので、今年の出来事を振り返りたいと思います。

1月から順番にと思ったのですが、いつ買ったか忘れているものもあるので、思い出せる順に並べていきます。

 

MacBook12インチ

科研費で7月ごろ購入しました。

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ドイツでの調査の際には、軽さが大いに役立ちました。最近では、移動中に仕事をしたり、自宅でブログを書いたりするのに使っています。速さや画面のきれいさは申し分ないです。うどんのように太いケーブルが気になりましたが、現在はアンカーのUSBーUSB-Cのケーブルに買い換えて使っています。

 

ナイロンの繊維でコーティングされていて、子供の頃実家にあったコタツの線みたいですが、ケーブルを束ねられるケースがついていたのでドイツでは役に立ちました。

 

デュアルコネクタ搭載のUSBメモリ

今年夏の海外調査では、コピーはとらず、すべてUSBメモリにスキャンして持ち帰ることにしました。しかし、新しく買ったMacBookはUSB-Cの差し込みしかついていません。USBハブを取り付けるという方法もありますが、より簡単なのが、こちらのデュアルコネクタのついたメモリを使う方法です。

要するに、片方はUSB-A(ふつうのUSB)、もう片方にUSB-Cのコネクタがついており、つまみを動かすことでそれぞれのコネクタが飛び出してきて、差し込むことができるという作りです。スキャナを使うときには、USB-Aを使い、MacBookでデータを確認するときはUSB-Cを使いました。容量も大きいので、まだしばらくスキャンデータの保存に活用できそうです。

 

アンカーのUSB急速充電器

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ミュンヘンのホテルにて。こうしてベッド横に充電器を置いて、あらゆる機器の充電を一気に済ませていました。


海外に出かける際にいつも悩むのが、電子機器をどうやって軽量化するかです。

カメラのバッテリー、PC、iPadiPhoneなど、手持ちの機器を充電するためには、それぞれ充電器が必要です。しかし今回は、この急速充電器を買ったおかげで、スマホタブレットMac、デジカメのバッテリーがすべて一個の充電器だけで充電できるようになりました。

 

 

要はこの充電器にUSBで接続できる機器はすべて充電可能ということです。おかげで毎回持ち歩いていたMacやPCの大きな充電アダプタは持ち歩かなくても済みました。

MacBookを使いながら急速充電することはできませんが、寝ている間に放置しておけば、翌朝には充電完了していました。小さくて軽いので持ち運びにも便利です。現在は、ダイニングテーブルの下に置いて、MacBookiPadApple Watchの充電に活躍しています。

 

 パナソニックのカメラ ルミックスDMC−G8

 

これまで使っていたペンタックスより軽量なカメラということでミラーレス一眼のパナソニックG8を購入しました。写りの良さは、これまで使っていたAPS-Cサイズとほとんど遜色はありません。

一緒に買った単焦点レンズの写りも気に入っています。ちょっと高いけど広角ズームレンズなども来年は買えたらと思っています。 

このカメラでは、ミュンヘン・ウィーンで噴水をたくさん撮りました。

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水面をきれいに撮れるというPLフィルターを初めて使いましたが、たしかに反射が抑えられ、水がクリアに写っています。

PL(偏光)フィルター | ケンコー・トキナー

このカメラを買うのに伴い、ペンタックスの古い一眼を下取りに出し(5000円)、使ってなかったコンデジ2台(キヤノンS120とリコーGRD2)をメルカリで売りました(2台で4万円くらい)。G8はやや高かったのですが、4割近くはこの売り上げで回収できました。

 

iPhone

どうしても赤いiPhoneが欲しくなってしまい、それまで使っていた6Sを妻に譲って、iPhone7赤を買いました。機能的にはそれほど差はありませんが、防水の安心感と、ホームボタンの感触の良さは気に入っています。

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マラソン大会の際、待っている妻と連絡をとるのに、どうしてもスマホは必要なので、これまでは汗や雨水による浸水をさけるため防水ケースなどにしまってウェストポーチに入れていました。iPhone7ならば、雨に打たれるくらいは大丈夫なので、安心して持ち運べます。

 

 

Doron RabinoviciのDie Außerirdischenほか、面白かった(面白そうな)本

 

Die Ausserirdischen

Die Ausserirdischen

 

夏休みごろにオーストリア書籍賞にノミネートされた作品です。ウィーンの作家ラビノヴィッチの小説は、ある日突然に世界が「die Außerirdischen(地球外生物)」によって占領されてしまい、世界は混乱に陥るという物語です。まだ最後まで読み通せていませんが、この「地球外生物」がなんらかの我々の世界が直面している現実を写したものであることはよくわかります。どんな結末になるのか楽しみです。

その他、まだ読んでないものも含めて、おもしろそうな本をいくつか買いました。

 

Die Hauptstadt

Die Hauptstadt

 

 ドイツ書籍賞を受賞したのは、ローバート・メナッセの作品でした。

 

Die Kieferninseln

Die Kieferninseln

 

 ドイツから来た研究者の男が、日本の松島(die Kieferninseln)へと旅をするというポシュマンの作品もおもしろそうです。

 

Katie (German Edition)

Katie (German Edition)

 

 2015年に『Der Fuchs und Dr. Shimamura』がドイツ書籍賞候補にノミネートされたクリスティーネ・ヴニケですが、また新作が賞候補となっていました。こちらも早く読みたいです。

 

夢遊病者たち 1――第一次世界大戦はいかにして始まったか

夢遊病者たち 1――第一次世界大戦はいかにして始まったか

 

 以前ドイツでドイツ語訳版を見て、買うかどうか迷って結局買わなかった、クリストファー・クラークの大作ですが、今年初めに邦訳が出ました。ヘルマン・ブロッホの長編小説からとられたタイトルもかっこいいし、内容も非常に充実しています。 

 

コーチのトートバッグ

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夏頃に、ある研究会後の懇親会で、参加者の先生が間違えて別の人のカバンを持ち帰りそうになるという事件がありました。地味なブリーフケースを持ち歩きがちな大学教員ですから、こういったことはしょっちゅう起こりうるでしょう。この時は、すぐ持ち主に戻ったので大事には至りませんでしたが、やはり取り違えはできるだけ避けたいものです。せっかくならまず取り違えられることのないカバンを買いたいと思い、青いカモフラ柄のトートバッグを買いました。大きいサイズなので、A4サイズのファイルなども入ります。荷物が多い日には重宝しています。

 

ブログ執筆にも役立つドイツ語文法書

NHK出版 これならわかる ドイツ語文法 入門から上級まで

NHK出版 これならわかる ドイツ語文法 入門から上級まで

 

ブログを書いたり、授業の準備をしたりするのに、ドイツ語学習者向けの参考書は時々買っています。今年買った本では、やはりこの本がいちばん網羅的にまとめてあって、調べる際に役立ちました。ちょっと分厚くてページ数が多いので、たしかに初学者向けではありませんが、大学院入試や検定試験にむけて、文法知識を確認したい人、難し目のテクストを読む際に文法を調べたい人にはちょうどいいかと思います。

ほか、ドイツ語のオススメ参考書については今年春にまとめた記事をご参照ください。

schlossbaerental.hatenablog.com

 

 ナイキ ズームフライ

schlossbaerental.hatenablog.com

つい先日の記事にまとめましたが、ナイキのランニングシューズ、ズームフライも非常に気に入っています。ずっと品薄状態が続いているので、いいタイミングで入手できてよかったです。早くへたってしまわないように、もう一足色違いで買っておきたいと思っています。

 

Apple Watch Series3

これも先日記事に書きました。

schlossbaerental.hatenablog.com

日常的には、スマホを取り出さなくとも着信がわかることと、PCのロックを自動で解除してくれる機能が非常に便利です。

 

ワイヤレスイヤホン Air Pods

Apple Watchとともに買ったイヤホンですが、これも装着感になれて、便利に使いこなしています。

Apple AirPods 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 マイク付き MMEF2J/A

Apple AirPods 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 マイク付き MMEF2J/A

 

 Apple WatchのようなGPSランニングウォッチや、AirPodsのようなブルートゥースイヤホンは既にある技術だし、自分でも使ってきているものでしたが、今回新製品を使ってみて、やはり数年前よりずっと進歩していると実感しました。

 

プリーンのお祭りで入手したグラス

最後に、いちばん安かったけど非常に気に入っているのがこのグラスです。

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8月15日に、ミュンヘンからバイエルン南部のキームゼーに出かけた際、帰りの電車を待つ間に、プリーンの市場祭りを少し覗きました。屋台でワインを買うときにもらったグラスは、ふつうは飲み終えたら返却して2ユーロくらいのデポジットを返してもらうのですが、このお祭りではワインを飲んでる途中で電車の時間が来てしまったので、そのまま持ち帰ったのでした。

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休日だったので小さな町の広場が人でいっぱいでした。

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お祭り広場から駅までグラスワインを持ったまま移動しました。波紋法の修行者のように気をつけて歩きましたが、こぼれそうになったらちょっと飲んでしまいました。

飾り気のないシンプルなグラスですが、丈夫できれいなので、いまもワインやビールを飲むのに活用しています。

非常勤講師の思い出

熊谷、神戸大やめるってよ

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2015年度からお世話になっていた神戸大学の仕事を今年度いっぱいで辞めることにしました。3年間、医学部保健学科、工学部、農学部、海事科学部などで共通教育ドイツ語の1年生クラスを担当してきました。しかし、昨年度からクオーター制が導入され、前期後期とも学期の真ん中にテストや成績登録をしなければならなくなりました。

わずか二週間でテストの採点と成績登録をしつつ、通常の授業も続けないといけません。これがたいへん負担が大きく、また本務校の仕事も今年度はかなりいそがしくなっていました。

せっかく専任教員になって、科研費ももらっているのに、授業がない期間しかまともに研究活動ができないというのはまずいということで、本務校の授業曜日が変更になるのにともない、非常勤を続けることは諦めました。

2018年度は久しぶりに本務校の仕事(前後期7コマ)だけに専念することになります。

一コマ単位で授業を引き受ける、非常勤講師という仕事は、大学に勤める以前、大学院博士課程在学中から続けてきました。どの学校でも毎年いい学生に恵まれ、楽しい授業ができていたのですが、数年経つと、どこでどのくらいの年に、どんな授業をしていたのか思い出せなくなってしまうので、ここで簡単に振り返っておきたいと思います。

私がはじめて非常勤講師として教え始めたのは、2005年からでした。(経歴のページに今まで勤務した学校や担当授業はまとめてあります)当時はまだ大学の仕事ではなく、看護専門学校で教えていました。あれからもう12年もたってしまいましたが、今回は、初めて教壇に立った頃から現在までの非常勤講師としての仕事をふりかえります。

 

1)大学の仕事につけなかったころ

2005年〜2008年度 南大阪看護専門学校情報科学、看護と倫理、患者の心理)

2006年〜2012年度 堺看護専門学校(看護と倫理)

2007年前期 大谷高等学校(大学の学びを紹介する:文学担当)

2008年度 京都精華大学人文学部TA(初年次演習)

2004年に、まわりから3年ほど遅れて(学部入学時に1浪、修士課程で2留)博士課程に進学しました。当時はこれまでの遅れを取り戻そうと、早く博士論文を書き上げたかったし、早く非常勤講師になりたいとも思っていました。

周りの同期生がドイツやオーストリアに留学したり、あるいはすでに大学でドイツ語を教え始めるころに、私はようやく「先生」と呼ばれる仕事を任せてもらえるようになりました。しかし、はじめは大学の先生ではなく、専門学校の、しかもまったく専門分野とは関係ない科目の非常勤講師として勤めることになりました。

はじめに指導教員の紹介で得た、南大阪看護専門学校では、情報科学と看護と倫理および患者の心理という科目を教えました。情報科学は、前半はメディアリテラシーや情報倫理についての講義、後半はWord・Excelパワポの基本操作をする実習でした。元気のいい学生ばかりで、毎週とても楽しく仕事ができました。

この学校では、はじめの2年ほどは、准看護師の課程でも授業を担当していました。午前中に准看で2コマ講義をして、午後は正看護師課程で情報の授業と、1日で4コマも授業をこなしていました。毎週一回の勤務でしたが、準備が非常に大変でしたし、京都から大阪市南部までの通勤にも苦労しました。

とはいえ、この学校には非常に大事にしてもらえました。休み時間にはお茶とお菓子をいただけたし、戴帽式、卒業式などの行事に参加すると豪華なお土産をもらえました。

2006年からは、堺看護学校でも看護と倫理の授業を担当し、こちらでは非常に熱心な学生に恵まれたこともあり、現在につながるような講義方法(資料を提示してグループで討論するなどアクティブラーニング的な手法も試みました)を身に付けることができました。この学校での仕事は、2013年度にドイツ語の仕事だけで食べていけるようになるまで6年続けました。

また、2007年前期には、単発ですが、私立大谷高校に出前講義のような形で毎週出かけて、2年生の各クラスで大学で学ぶ文学について紹介する講義をしました。京大大学院人間・環境学研究科の先生が依頼を受け、文系・理系の各分野から10名程度が派遣されて、毎週1時間ずつ3ヶ月程度、高校に通いました。文学についての授業ということで、何をするか非常に悩みました。結局ドイツ文学は関係なく、日本の近代文学に描かれたさまざまな人生を紹介し、文学を学ぶことで、人生を生きる力がつくかもしれないよ、という話をしました。

2008年からは、知り合いの紹介で、京都精華大学人文学部で基礎演習という1年生向けゼミ科目のアシスタントを担当しました。人文学部文化表現学科の各クラス(10クラスくらいあった)の演習に、TAが二人配置され、授業の運営だけでなく、学習相談にも乗る、という仕事でした。いろんな専門をもった院生やODが一緒に働いていたので、非常に仲良くなり、何度か飲みに行ったのは楽しい思い出でした。 

2)助手のかたわら母校で教え始める 2010年〜2011年度

2010年〜2013年 京都大学共通教育ドイツ語、総合人間学部

2008年度に担当していた京都精華大のTAの仕事がなくなるかわりに、同じようなゼミの運営と学習支援をする特任助手のポストが作られたので、応募したところ運良く採用されました。おかげで2009年から3年間は一箇所からの給料だけで生活できるようになりました。

しばらくは助手の仕事だけをしていましたが、ちょうど空きができたということで、2010年からやっと母校でドイツ語の非常勤講師をする機会が得られました。ふだんの助手の仕事は人文学部での授業でしたが、ドイツ語とは全く関係ないので、非常勤のドイツ語が唯一本業に戻れる時間でした。始めの年は、農学部と工学部を1クラスずつ教えました。最初のうちは、どうやって授業時間を埋めたらいいのかわからなくて、ひたすら例文を板書して解説したり、学生に黒板に作文を書かせたりと、ずいぶん無駄の多い教え方でした。また、文法事項についても念入りに準備していたのにちゃんと理解できていなかったりして、学生から教えられることも多々ありました。

同じ年の後期には、総合人間学部のリレー講義も担当しました。こちらは、ごく少人数の科目だったこともあり、毎年『シュレーバー回想録』や、フロイトベンヤミンなど自分の好きな分野の話をしました。

2011年京大2年目の年は、農学部のクラスを2コマ担当しました。5時限目のクラスは、現在もおつきあいのあるF先生とペアのクラスということで、毎回非常に緊張しながら教えていました。この時期は、とにかく教科書の内容を説明するということしか考えていなくて、教授法を工夫するということはほとんど考えていませんでした。

 

3)専業非常勤講師時代 2012年〜2013年度

2011年度いっぱいで、京都精華大学の助手は年限が切れてしまったので、12年度からはドイツ語の非常勤講師で生計を立てていくことになりました。最初のうちは、精華大学からもらった退職金があったので、あまり心配していませんでしたが、やはり非常勤だけで夫婦二人が生活していくには厳しく、結局年度の途中でほとんど貯金がなくなりました。(助手の給料がもらえるうちに、ということで2011年に結婚していました)

仕事の方は、滋賀県立大学で2コマと近畿大学で2コマの仕事をあらたに始めました。さらに京大で3コマ、土曜日には看護学校1コマで、合計で週に8コマの授業をしていました。京大では理学部、薬学部、経済学部で3コマ連続の授業をしていました。考えてみると、このときの経済学部が初めて当たった、文系学部でした。非常に元気のいい学生たちばかりでした。

初めて通う滋賀県立大学は、自宅から約2時間かかりましたが、学生たちは素朴で優秀だし、大学は自然豊かな(栃木の実家近くのような田舎町)場所にあったので、大変気に入っていて、毎回授業が楽しみでした。(しかし寒い時期は通勤がたいへんでした)

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東大阪近畿大学も教えるようになって初めて行きました。やや交通の便が悪いのが気になりましたが、午後からの授業だったので、お昼ご飯を大学近くの学生向けのお店で食べるのが毎週楽しみでした。

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このオムライス専門店がかなり気に入っていて、何度も食べました。

 

2013年からは、知り合いの先生がサバティカルに出るということで、龍谷大学で5コマの授業を担当させてもらえることになり、 一気に忙しくなりました。この年から看護学校を辞め(とはいえ、生命倫理を専門とする妻に譲っただけですが)、ドイツ語の仕事だけに専念することができるようになりました。

龍谷大学では、経営学部、法学部、文学部の1年生クラスと経済学部、文学部の2年生クラスを担当しました。この年、これまで教える機会がなかった文学部生を教えました。日本文学、英文学、哲学などを専攻する学生たちでしたが、勉強熱心で驚きました。

京大では、2年生以上の購読クラスを担当できたので、カフカフロイトを読みました。この授業は、院生時代にちゃんと読めなかったフロイトをもう一度読み返すという貴重な経験ができました。受講している文学部や経済学部の学生たちは、2年目なのにかなり難し目の文章も読みこなせるので、あらためて京大生の優秀さを実感しました。

この年の後期には、O阪大学のセミナーで教えてもらった、スマホアプリを使った教授法を、京大・龍谷大・滋賀県立大のクラスで実際に導入し、グループワークを実施してみました。

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このときの授業の内容は、以前書いたこちらの記事にまとめています。

初回ということでうまくいかないことや学生たちの負担もかなり大きかったと思いますが、教員としてはこれからにつながる工夫を学べました。

しかし、2013年は週に12コマの授業を担当しており、体力的にかなりきつくなっていました。授業をすることはできても、学生が理解しているかどうか細かなところまでケアしたり、家庭学習を促すような課題を作ったりというところまで考える余裕は全くありませんでした。

4)専任教員としての非常勤しごと 2015年〜2017年度

2014年に今の職場に勤め始めて、最初の一年は非常勤講師を全てやめて、本務校の授業だけに専念しました。その年の秋ごろに、神戸大に勤める知人から頼まれて、2015年から1年生のドイツ語を2コマ担当させてもらうことになりました。

神戸大は自宅から車ですぐなので、午前中の授業だけ引き受けても、午後の時間は研究に充てられると思ったので快諾しました。近所だけどやはりこれまで来る機会がなかった神戸大。はじめての授業の日はうれしくて写真をたくさん撮りました。

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教室があった、国際文化学部の校舎は、眺めが良くて海が見えます。

神戸大では、2015年のクラスで、やる夫・やらない夫のイラストを使った創作ドイツ語小話をグループワークとして行いました。スマホタブレットを使うわけではない、アナログなワークでしたが、学生たちは非常に楽しそうに取り組んでいました。

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また、昨年2016年のクラスでは、PC室でスライドを作り、ひとりひとりにパワーポイントを使ったプレゼンテーションをさせるというワークも行いました。神戸大の学生たちは非常に明るく、勉強熱心だったので、本務校で今後取り入れたい、と思うような実験的な授業内容でも、ちゃんとついてきてくれました。神戸でためして、本務校の授業でもう少し改良する、という形で、教授法もいくつか考えつきました。

専任教員になってからの非常勤は、これまでより気楽な気持ちで取り組めるうえ、別の大学で自分の教え方を見つめなおしたり、あるいは新たな教え方を模索することもできる、貴重な場でした。また、教科書も教員が自由に選べるのも非常にありがたかったです(本務校のようなマンモス私大の場合、教科書は各学部ごとに決まっていたりします)。まだ続けたいという気持ちもあるので、非常に残念です。

 

まとめ いい大学、いい学生ばかりだった

長くなりましたが、今日は10年以上にわたる、非常勤講師生活を振り返ってきました。非常勤は準備や通勤が大変な割に給料はたいしてもらえないので、金銭面では苦しいことも多々ありました。しかし、仕事内容については、どの大学に行ってもいい学生に恵まれ、また職員さんにも大事にしていただき、これといって嫌な思いをすることはありませんでした。それまでに経験したアルバイトなどは、年に何度ももうやめたい、と思うことがあったのですが、講師の仕事だけは、今に至るまで嫌だな、辞めたいなと思ったことはありません。運が良かったのもありますが、やはり自分に向いた仕事なのだろうと思っています。

これからは?

非常勤講師の仕事は、私たち語学教員の場合はとくに、本務校を持たない先生や、若手のODの仕事という面があります。しかし、本務校がある教員にとっても、非常勤に行くことは大変意義があります。もちろん専業非常勤講師の先生方の仕事を奪うことは許されないので、非常勤で荒稼ぎなんてしてはいけませんが、大学教育の質を向上させるためにも、こういった大学間での教員の交流はあったほうがいいと私は思っています。

とはいえ、本務校も、非常勤も、と依頼された仕事を片っ端からひきうけすぎると、だんだん授業の内容は貧弱になっていきます。たとえ語学であれ、やはり余裕がないと授業の質は確実に落ちます。今回は私自身も、自分の授業への集中力が落ちていることを実感しました。

今後はしばらく本務校の仕事に専念することになりますが、また機会があればどこかで教えたいと思っています。

これまで教えてきた大学の先生方、そして神戸大学の先生方、学生の皆さん、大変お世話になりました。

 

何度習ってもよくわからない人のためのドイツ語発音入門

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*イメージは実際の発音と関係ありません

妻がドイツ語を覚えない

ときどき妻が「これなんて読むの〜?」とドイツ語の単語をてきとうに読みます。そのたび、これはこう読むんだよと教えていますが、いっこうに覚える様子がありません。フランス語を長年学んできた妻は、現在は英語やフランス語で発表したり論文投稿をしたりしていますが、ドイツ語学習経験はまったくありません。本人としては、ドイツ語圏に無関心ではない、そのうち勉強すると言っているものの、ときどき説明する程度では、いっこうに発音すらできるようになりません。何度も同じことを教えるうちにいらいらしてきたので、ごく基本的なルールだけでもまとめておきたいと思いました。

また、あわせて私のドイツ語クラスの学生たちがなかなか覚えにくいポイントについても指摘しておきます。

 

ドイツ語として正しい発音?まずはカタカナ発音でも大丈夫

ドイツ語の発音について、言語学を専門的に勉強したわけでもない私が、あれこれ口を出すのは正直いって気が引けます。しかし、初級ドイツ語で教えるべきことは、言語として絶対的な正しさではなく、他言語の特性を知ることで、日本語をより深く理解することでもあるので、日頃授業で説明している方法を紹介します。

そのドイツ語じゃ伝わらない? 伝わるけど返答がわからないことが多い!

ちゃんとした発音でないと伝わらなくて困るから、カタカナなんかで発音を覚えようとするのは間違いだという意見もあります。しかし、経験的には、自分の言いたいことが発音が悪くて理解してもらえないことよりも、自分の聞き取り能力のまずしさで、人の言ってることが理解できないということのほうが、ずっとずっと多いです。

ドイツには、実際のところたくさん移民や多言語を母語とする人が住んでいます。地域的な方言の違いもあります。そのため、日本で私たちが予想するよりも、はるかにドイツでドイツ語を話した時に、ストライクゾーンが広いように感じました。

ですから、まずはカタカナでも英語訛りでもいいので、言いたいことを言えるようになりましょう。

初級の教科書にも書いてあることですが、原則としてはローマ字読みです。そして書いてある文字はほぼ全て読みます。

例:kommenコメン findenフィンデン glaubenグラウベン Geburtstagゲブルツターク

  eineアイネ   kleineクライネ Stollenシュトレン gegangenゲガンゲン

学生は、しばしば英語のように語尾のeをぼやかして読んでしまいますが、前の記事にもあるようにドイツ語は冠詞の語尾変化が非常に重要なので、書いてある通りしっかり読まなければなりません。

音声を利用して、カタカナからドイツ語らしい発音へとステップアップ

カタカナ発音で十分とはいえ、音声を利用することは上達の近道です。教材の付属CDや電子辞書の読み上げ機能を使うのがベストでしょう。しかし、紙の辞書しかない場合や、ドイツ語をちょっと調べたいという場合は、昨今では自動音声を使うという方法もあります。Google翻訳のテキスト読み上げ機能が一番手軽です。

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アプリをダウンロードしたら、調べる言語を設定します。

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カメラでドイツ語テクストを撮影し、そこから訳したい文章をマークすると、日本語訳とドイツ語音声を聞くことができます。

また、単語だけを調べる場合には、キーボードで入力し、音声を聞くこともできます。

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あるいはドイツ語的な発音のイメージ(文のイントネーション)を掴むのであれば、ドイツ映画やポップ・ミュージックを聞くのもいいでしょう。

 

ドイツ語の間違いやすい発音

学生が特によく間違えるものを重点的に、ドイツ語独特の発音を解説していきます。

1)複母音

au (日本語のアウよりもアオに近い音)Hausハウス(家)Traumトラウム(夢)

ei (アイ)Leibライプ(体)  Beilバイル(斧)  einアイン(一個の) zweiツヴァイ(2)

eu/ äu (オイ)Euroオイロ(ユーロ)Gebäudeゲボイデ(建物)

ie(イー) Triebトリープ(欲動) Liebeリーベ(愛)

 

2)ドイツ語独自の子音の読み

・単語の後ろに来るb, g, dの音はそれぞれ濁らない音になります。

Betriebベトリープ(企業) Nürnbergニュルンベルク Fahrradファールラート(自転車)

・単語の後ろのigは「ヒ」

Königケーニヒ(王)Honigホーニヒ(はちみつ)wichtigヴィヒティヒ(重要な)

・st、spは冒頭に来たらシュト、シュプの音

Stuttgartシュトゥットガルト、Spurシュプール(足跡)

・chsは「クス」

sechsゼクス(6) Lachsラクス(鮭)

・jはヤ行の音

Japanヤーパン jetztイェツト(今)

・ßエスツェットはssと同じ

Fußballフースバル(フットボール) großグロース(大きい)

・vはフ、wはヴの音

Vaterファーター(父) Weinヴァイン(ワイン)

・zはツの音

Zeitツァイト(時間) zehnツェーン(10) Franzフランツ(名前)

 

3)英語との干渉

英語の読みと違うため、ドイツ語の発音に馴染めないことがよくあります。とくに学生が引っかかりがちなのが、schです。

Schule シューレ(学校)すくーれではありません。

Schwein シュヴァイン(豚)

schreibenシュライベン(書く)

しかし、Englischエングリッシュ(英語)やFischフィッシュ(魚)は発音が英語とほぼ同じなのであまり間違えないようです。

 

4)日本語にない音
ウムラウト

ドイツ語には英語にないアルファベットが4文字あります。そのうち三つが、2個の点がついたä, ö, üです。もともとウムラウトはeの文字を小さく上に書いていたそうですが、だんだん省略されて¨だけになりました。つまりどの音にもeの音がふくまれています。

eの音とは、わかりやすく言えば日本語の「エ」と同じように、下の中央部を上にあげるような音です。(自分であいうえおと発音しながら、舌の位置を確認すると、「い」と「え」の時、舌が前に張り出して口蓋に近づいているのがわかると思います)

ä(口を大きく開けながらエー)gähnenゲーネン(あくびする)Universitätウニヴェルズィテート(大学)

ö(舌を「エ」の位置にキープしてオーの発音)Österreichエースタライヒオーストリア) Kölnケルン 

ü(舌を「エ」のいちにキープしてイーの発音、ユーに近い音)übenユーベン(練習する) Tübingenチュービンゲン

ch 

この綴りは2通りの音があります。一つは「は」よりも舌の中央部を口蓋のほうに上げて出す音です。

もう一つは口の広げて出す、「ひ」という音です。

ichイッヒ, rechtsレヒツ(右), Münchenミュンヒェンなどi, e, その他が前にあるときは「ひ」の音です。

また、a, au, o,が前にあるときはその母音に続けて「ハまたはホ」の音をくっつけます。auchアオホ(〜も), dochドホ(だが), nachナハ(〜へ、〜のあとに)などの場合。

r

巻き舌でもいいという教科書もあります。一番一般的なのは、喉をせばめて、うがいをする(あるいは痰を吐く)ように、ぐぐっと力を込めて出す音です。その際、舌は下の前歯の裏側に当てるようにすると、喉が狭まって音が出やすくなります。

l

逆にlは、日本語のラ行と同じように、舌を上前歯の根元に当てて出します。

上手に発音ができなくとも、舌の位置が上=l、下=rと区別して発音するよう心がけましょう。

5)長音と短音

長く伸ばす母音(長母音)と短い母音(短母音)の区別は大変重要です。

habenハーベン(have), Lebenレーベン(生命)

このようにアクセントがある母音(下線部)のうしろに子音が一つだけの場合は長音になります。 

しかし、Stollenシュトレンやkommenコメンの場合は、母音の後ろに子音llまたはmmと2文字ありますから、短い音です。

また、同じ母音字が二つ続く場合も長い音です。

aa Aalアール(うなぎ)

ee Seeleゼーレ(魂)

oo Bootボート

ドイツ語では基本的に全ての文字を読むと書きましたが、例外的に読まないのが、アクセントがある母音の後ろに続くhです。

gehenゲーエン(行く) sehenゼーエン(見る)wohnenヴォーネン(住む)

この場合、それぞれhの前の母音を長く伸ばします。 

6)できてるつもりでもできない音sやf

日本語やカタカナの要領で発音してしまうと、音声認識アプリなどには聞き取ってもらえない音がけっこうあります。こちらはちゃんとできてるつもりなのに、なぜSiriやDragon Dictationによる音声認識では聞き取ってもらえないのか!と怒る学生がいますが、こういうときは、発音の専門書を確認してみましょう。

sの発音

母音の前にあるsは濁る音になります。Sonntagならゾンターク、siebenはズィーベンとカタカナ表記できますが、実際はちょっと違います。

このsは日本語のように、舌を上の前歯の裏にくっつけて発音しません舌と前歯に隙間があくようにして音を出します。そうすると、サ行とザ行の間くらいの音がします。これがドイツ語のsです。日本語のザ行より若干柔らかい音になります。

fとhの区別

どちらも日本語だとハ行に相当する音なので、同じように読んでしまいがちですが、けっこう違います。

fは前歯を下唇につけて出す音です。fahrenファーレン(行く)、Firmaフィルマ(会社)濁る音がw:Wagnerヴァーグナー、Wienヴィーンの音です。前歯を使って出す音だということに気をつけましょう。

また、hについてもHundフント(犬)、Hungerフンガー(空腹)などuと結びつくときは、日本語の「ふ」よりも奥の方から音を出すイメージで読んでみましょう。

IPA国際音声記号)を覚えていると早い! 妻がすぐできるようになった

この記事は、ドイツ語を覚えられない妻のために書き始めました。ちょうど自宅にたくさん教科書の見本誌が送られてきた時期です。数冊の教科書を見て妻はにわかにやる気を出し、毎夜ドイツ語の勉強をはじめました。わずか数日ですが、いつの間にか私が特に教えなくても単語や文を読めるようになってきました。

これは妻がフランス語学習の際に、IPA国際音声記号)をしっかり覚えていたため、単語とともに発音記号を見て、すぐに音を再現できたからです。

今回の記事では、高校を出て大学に入ったばかりの学生を対象にしているので、あえて発音記号にはふれず、カタカナと口の使い方による説明だけにしています。しかし当然のことながら、他の言語や英語学習の際にIPAを覚えて、それを使ってドイツ語の発音を習得した方が、ずっと早く正しい発音ができるようになります。

 

参考書はこれがオススメです

 

新装版 DVD&CDで学ぶ ドイツ語発音マスター

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教員として学生に説明するときによく使うのがこの本です。今回の記事で取り上げた、日本人にはわかりにくい音の出し方が非常に丁寧に説明されています。

形容詞の格変化を理解する 格変化総まとめ

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初級ドイツ語の山場 形容詞の格変化

今学期の前半は、本務校、非常勤先両方のクラスで、形容詞の格変化を教えていました。ここは、いわばドイツ語初級文法の一つの山場です。一年生のドイツ語授業で、このへんからわからなくなる人が続出するところです。20年前、大学で週に4コマドイツ語の授業を受けていた私も、夏休み前に学習した形容詞の変化がまったくわからず、後期以降はすっかり大学に行くことが苦痛になりました。

最近の教科書では、煩雑で挫折の原因にしかならない、形容詞の格変化は1年目の授業では扱わず、2年目以降に回すという方法もとられています。(本務校の場合は、ほとんどのクラスで、形容詞は2年目に教えます)

 

形容詞の何がどうして変化するのか

形容詞の用法とは?

日本語でも、形容詞は1)独立して物の様態を表す用法(述語的用法)「クマが大きい」と、2)何か名詞を修飾する用法(付加語的用法)「そこにいる大きなクマは赤カブトという」があります。

ドイツ語で言えば

1)Der Bär ist groß.

2)Der große Bär dort heißt „Akakabuto“.

おなじ形容詞großですが、下の文では、うしろに語尾-eがついていることがわかります。これが形容詞の語尾です。

冠詞とともに、名詞の性・数・格を区別するものとして変化する

ドイツ語の形容詞は、名詞に直接かかる場合には、名詞の性、数、格に応じて語尾が変化します。要は、冠詞が変化するのと同じように、形容詞の側にもその場に応じたオマケがついてくるわけです。

冠詞とともに変化する形容詞ですが、冠詞にも色々な種類があります。英語のtheにあたる定冠詞、aにあたる不定冠詞にはじまり、私のあなたののような所有冠詞、〜がないことを示す否定冠詞、dieserこのsolcherそのようなwelcherどのjenerあのといった定冠詞類など、さまざまな冠詞類が前にくっつく場合、そしてくっつかない場合、それぞれ形容詞の語尾は変化するわけです。

 

どのように語尾が変化するのか?

いくつかの具体例

ドイツ語の挨拶は、英語とよく似ています。初級クラスの1時間目に紹介するのが、

おはよう! Guten Morgen!

こんにちは! Guten Tag!

こんばんは! Guten Abend!

おやすみなさい!  Gute Nacht!

という挨拶です。英語のGood morning!やGood night!に似ているので、すぐに覚えられます。しかし、時々鋭い学生は、なぜMorgenやAbendはGutenなのに、NachtはGuteなのか?と質問してきます。これこそが、形容詞の語尾の変化です。

あいさつのGuten Tag!はもともとは、一つの文でした。

Ich wünsche Ihnen einen guten Tag! 私はあなたによい一日を願っています!というのがもとの文です。つまり、Tag(男性名詞で日の意味)が4格になるわけです。そしてその前に不定冠詞einenがついて、形容詞gutがあります。男性4格なのでgutにはenという語尾がつきます。

Gute Nachtは何が違うのかといえば、こちらは女性名詞です。同じように不定冠詞がついて4格のときはeine gute Nachtとなります。Guten Tagと同様に、MorgenやAbendも男性名詞なので、Gutenという形容詞がつくわけです。

 

三つの変化形

ドイツ語形容詞の語尾変化は、上で示した例のように、不定冠詞がつく場合だけでなく、無冠詞(冠詞なし)の場合、さらに定冠詞がつく場合と、3つの変化形に分かれます。それぞれ下の表のように形容詞の語尾が変化します。

1)冠詞がついていない(無冠詞)場合:強変化

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ワインWein, ミルクMilch, パンBrot、りんご(複数)Äpfelにそれぞれ形容詞をくっつけた場合です。語尾だけを取り出すとこうなります。

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 er, en, es, emなど様々な種類に変化するので強い変化=強変化とよばれます。 

2)定冠詞(類)が形容詞の前にある場合:弱変化

der, die, dasなどの定冠詞あるいはdieser, jener, solcher, welcherなどの定冠詞類(定冠詞と同じように語尾が変化するもの)が前にあるときは、形容詞の語尾はe, enのみになります。

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 語尾変化はこのようにシンプルになります。男性・女性・中性の1格、女性・中性の4格がeになります。

 

3)不定冠詞(類)が形容詞の前にある場合:混合変化

ein, eineのような不定冠詞、mein, deinなどの所有冠詞、さらにkeinのような否定冠詞が前にあるときは、強変化と弱変化がまざった混合変化となります。

 

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色をつけたマス、男性1格、中性1格・4格は、冠詞に語尾がつかない(ein, meinだけ)ので、形容詞の語尾が強変化型になります。それ以外は、弱変化型と共通です。

3種類も覚えられない!

通常の教科書では、上記の3つの格変化の提示され、学生はそれを一生けんめい覚えることになりますが、まあよほど頭のいい人でない限り、ちゃんと記憶することは不可能です。3種類の変化パターンを覚えるまえに、そもそも定冠詞や不定冠詞の格変化をおぼえるのもたいへんだし、所有冠詞やdieserやwelcherはどの変化のパターンになるのかわからない、という学生もたくさんいます。ここで、冠詞類の変化を整理して、そのうえで形容詞の語尾変化を理解しましょう。

 

冠詞類の変化の系統はじつは2通り

1)定冠詞の変化:語尾が大きく変化する er es(as) em enなどいろんな語尾のパターン

 定冠詞、dieser, jener, welcherなどがこのパターンです。

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2)不定冠詞の変化:語尾変化が小さい。男性1格、中性1格・4格に語尾がつかない。不定冠詞、所有冠詞、否定冠詞がこの変化です。

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不定冠詞は一つのもの、不特定なものにつくので、通常複数形にはつきません。所有冠詞、否定冠詞の変化は定冠詞複数の場合と同様です。

形容詞の語尾と冠詞(類)の変化の関係

形容詞が名詞の前についている場合、形容詞あるいは冠詞(類)のどちらかまたは両方に、かならずなんらかの語尾がついていないといけません語尾なしということはあり得ません

そのため、このように整理することができます。

1:冠詞なしの場合=定冠詞型の強変化語尾

  Ich trinke gern kaltes Bier. 私は冷たいビール(中性4格)が好きだ。

2:前に定冠詞がある場合=形容詞は大きく変化しない=弱変化

  Der alte Mann kommt aus Tochigi.その老いた男性は栃木から来た。

3:不定冠詞がついている=男性1格、中性1格と4格は冠詞に語尾がないので、形容詞に強い語尾(er, esなど)をくっつける

  Ein japanischer Student kauft ein deutsches Bilderbuch. 

       ある日本人の学生(男性1格)が、一冊のドイツ語の本(中性4格)を買う。

 

形容詞の格変化の考え方

長くなりましたが、これでまとめです。文章の中で、形容詞をくっつけた名詞を書くとき、どのような点に気をつけたらいいかを整理しておきます。

1)まずは名詞の性、数、格を確認。

2)名詞には冠詞はつくか?

3)冠詞がない→強変化 kaltes Bier

4)定冠詞・定冠詞類→弱変化   die schwalze Tasche

5)不定冠詞・不定冠詞類で語尾がない→er, esなど強い語尾  ein blaues Buch

6)不定冠詞・不定冠詞類で語尾がある→e, enなど弱い語尾  eine rote Blume 

表をむりやり暗記するのではなく、すでに習った冠詞の格変化表を思い出しながら、形容詞の前に何がつくのかを考えて、適切な語尾を選べばいいのです。

最初はなかなかすんなり理解できないところもありますが、この複雑に見える語尾の変化も、なれればドイツ語のおもしろさとも言えます。

 

 

 

 

 

 

習い事としての絵画教室

習い事ってたいへんだ

子供さんがいるお家の話を聞くと、水泳、バレエ、ピアノなどあれこれ習い事をさせたり、中学受験のための塾に通わせたりと、いろいろ手をかけていることがわかります。やはり、親自身が高学歴だと、子供にも同じように、小さいうちからしっかり教養を身につけさせ、いい学校に進んでもらいたいと思うのでしょう。

 

小学校のころ、1年生から6年生まで、絵画教室に通っていました

習い事として絵画を学ぶという子供さんのことはあまり聞く機会がないし、まわりでも絵画教室に通っていたという人と会うことはないので、おそらく珍しいのかもしれません。あの小学生の日々から30年が過ぎてしまいましたが、いまでもあの教室で学んだ時間を懐かしく思い出します。当時何を考えて、毎週土曜日兄と教室に通っていたのか、ちょっと思い出してみました。

 

普通の習い事ができないこどもたち

次男である私も小学生になったことから、母は1年生の私と3年生の兄に、同時に何か習い事をさせようと思ったようでした。すでにヤマハ音楽教室のピアノコースに通っていた(私は小1途中ですぐ挫折、兄はなぜか5年生まで続けていました)ので、他の習い事として、そろばん、水泳、習字などが候補に挙がっていました。

ピアノ教室のすぐ近くにあった習字教室は、お寺の本堂で行われていました。ときどきお寺から飛び出してくる子供たちを見ていましたが、何だか退屈そうだなと思ったので、習字は却下となりました。

また、そろばん教室は自宅から近い児童公園の隣にありました。公園で夕方まで遊んで、家に戻ろうとすると、そろばん教室からはいつも先生の怒声が聞こえてきました。おそらく通っているのが悪ガキばかりだったからなのでしょうが、私にはそろばん塾は怖いところだとしか思えず、これも却下となりました。

隣町まで母の車で連れられてスイミングスクールも見学しました。このときは大きな声で指示を飛ばすインストラクターさんを見て、たぶん兄が怖がって、つられて私もやめとこうという気分になったので、これも却下となりました。

そのような普通の習い事ではなく、家では毎日絵を描いてすごしていた私たち兄弟に向いていそうだったのが、絵画教室でした。

 

美術家ご夫婦が教える教室

小学校から自宅までのちょうど中間あたり、大平町の旧市街地に、F先生の絵画教室がありました。街道に面した古い日本家屋の2階が、絵画教室のアトリエでした。南側の広い部屋が小学生の教室、北側は中学生以上のクラスと分かれていました。教室内には、おなじみのアグリッパやブルータスの石膏像や、静物画につかうボトルや石柱、オウムガイの貝殻やくだもののレプリカなどが置いてありました。この教室の小学生コースに、小学1年から6年生ごろまで毎週土曜に通っていました。

 

石膏像 K?162 アグリッパ胸像(丸) H.58cm

石膏像 K?162 アグリッパ胸像(丸) H.58cm

 

 

教室を主宰するF先生ご夫妻は、ご主人のT先生が高校の教員、奥様のY先生は高校で講師を務めながら教室での指導をしていました。お二人とも、教員をしながら創作活動をされていました。

小学1年生の夏頃に初めて教室に来た私と兄は、さっそく絵を描き始めました。はじめに与えられた課題は、たしか絵の具を使って指で描くということでした。鉛筆やクレヨンではなく、指や手のひらで絵の具を塗るなんて、と躊躇している私に、「自由に描いていいんだよ」とY先生が促してくださいました。両手をつかって、べったべったと絵の具を塗りたくるのは、新鮮で気持ちが良かったのをよく覚えています。自由に、学校で教えるような方法に縛られないで、というのはこの教室の基本方針だったと思います。

 

子供の楽しみは、漫画を読むことだった

水彩画だけでなく、木版画や紙版画、アクリル板をつかったエッチングや、切り絵や貼り絵など、教室では本当にいろいろな技法を学びました。小学校の授業よりもはるかに高度な内容を学べたので、学校の図工の授業はたいくつで仕方ありませんでした。

小学校の同級生からは、絵画教室に行くなんて変わっている、と言われることもありました。たしかに男の子らしい習い事ではなかったので、ちょっと気恥ずかしいと思うこともありました。しかし、なんだかんだいいながらも、6年生まで通い続けました。

教室では、絵を描く時間だけでなく、兄や他の子供たちと遊ぶ時間も楽しかったです。むしろいつも遊んでばかりで先生には怒られていました。絵を描くことに飽きると、兄と喋ったり、置いてある手塚治虫の漫画を読んだりして過ごしました。朝日ソノラマ版の火の鳥を、何度も繰り返し読みました。

美術系に進んだ多くの卒業生たち

当時教室で学んでいた児童の多くが大学の美術系学部に進んだり、専門学校に行ったりしたようです。例外は私くらいでしょう。一緒に通っていた兄は、高校時代にふたたびF先生に入門してデッサンを習い、東北地方に新設された美術大学に入りました。大学ではデザインを学んでいました。兄と同学年のKさんは、私と同じ高校から美大に進み、その後漫画家となり、現在もアフタヌーン等で連載をもっております。

 

もっけ(1) (アフタヌーンコミックス)

もっけ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

Kさんの描く漫画には、栃木の風景がよく出てきます。彼の画風が、小学生のころとそう変わっていないことにも驚かされます。

 

あの場所で何を学んでいたのだろうか

絵を上手に描けるということは、私たち兄弟にとって、少なくとも子供時代には、自分たちの存在を支えるような大きな自信をもたらしていました。運動があまりできなくて、気が弱い兄弟にとっては、絵を描くという特技だけが、学校社会で認められるチャンスだったのかもしれません。

しかし、大人になった今となっては、絵が描ける、子供の頃に絵画絵を学んでいたというのは、正直なところとくに日常生活に役立ちません。やはり水泳や習字、そろばんといった習い事の方がはるかに実用的だろうと思います。

 

詩人と空想、子供と絵画

絵を描くというスキルは大人になって役に立つ場面があまりなくなります。それどころか、大人になってからはめったに、仕事上の必要(授業で説明するときなど)があるときくらいしか絵を描くことがなくなりました。逆に考えると、子供時代は(そして少なくとも大学生ごろまでは)、日常的に何かしら絵や落書きを描いていました。 

子供にとって、絵を描くことというのはどういう意味があったのでしょうか。このことについては、フロイトの論文「詩人と空想」が参考になります。

 

フロイト全集〈9〉1906‐1909年―グラディーヴァ論・精神分析について

フロイト全集〈9〉1906‐1909年―グラディーヴァ論・精神分析について

 

この論文はごく短い講演をもとに、人間の夢や空想と芸術的創作の関係という、フロイト精神分析理論の根幹をなすテーマを解説しています。フロイトによれば、子供は夢と現実の境目があいまいで、単純な願望の夢を見て、日中も自らの願望を反映した空想の世界で遊びます。様々なごっこ遊びや歌や絵画は、すべて子供が想像の世界に遊ぶための手段です。

しかし、大人になると人は空想することを恥じるようになり、子供のように昼も夜も空想に遊ぶことをやめます。そして大人の中でも特別な能力、すなわち空想をうまいぐあいに覆い隠す能力を持った人物が詩人となるというのです。

そのように考えると、たしかに私自身も大学生ごろには、ノートに落書きをすることはなくなったし、昨今では一人で車に乗っていても歌を歌うことはなくなりました。絵や音楽を介して想像の世界で遊ぶことはもうなくなってしまったのかもしれません。

 

空想に没入することを、絵画教室で学んでいたのかもしれない

ただ、いまはもう絵を描くことはなくなったとはいえ、やはり私はあの教室で、自分の生き方の基本となるようなことを学んできたと実感しています。はじめて教室で絵を描いたとき、手を絵の具まみれにして描いたような、自由な気持ちとか、あるいは絵を描くことを通じて空想に没入することもそうでしょう。私は美術ではなく文学をその後学んできましたが、小説の世界にどっぷりつかって読むという行為は、子供の頃の絵を描くという行為とつながっていると思えます。

 

 

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Apple Pencilを入手したので、久しぶりにイラストを描いてみましたが、なんていうかかなりショッキングな出来です。肩を壊したピッチャーが、手術後にもうこれまでのような豪速球がなげられなくてがっくりうなだれるような、そんな気分になりました。

 

人称代名詞の格変化と所有冠詞の区別について

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新シリーズ、ドイツ語初級文法のわかりにくいところを解説する その1

以前書いた、所有冠詞と2格の区別についての記事が非常に好評だったので、ほかにも学生を教えていていつもなかなか理解してもらえないな、と思う文法事項について、かなり初歩的に説明する記事を書いてみようと思います。

新たなカテゴリ、「ドイツ語文法入門」をつくり、これまで発表した記事とともに、ドイツ語学習に役立つ文法事項の解説記事をまとめていきます。

 

ドイツ語の難しさってどんなところなのだろう?

私の授業に出ている学生たちから、しょっちゅうドイツ語が難しいという意見を聞きます。そしておそらく彼らの親御さんの世代で大卒ならば、ドイツ語を履修し、ちっともわからず、難しかったという記憶だけが残ったという人もたくさんいることでしょう。昨今では、お父さんお母さんから難しいと言われてドイツ語を避けた、という学生の話もよく聞きます。

いやしかし、ドイツ語に限らず何語であれ、違った難しさがあります。そもそも言語の難しさという概念自体が定義しづらいものです。学習者の母語にもよるし、学習レベルに応じて違った難しさに直面するということもあります。ドイツ語ばかりがやたら難しいとも、あるいは学びやすいとも、簡単には言えないなと思っています。

言語としてどう難しいかという議論はともかく、初級文法を教科書に沿って学んで行く際に、多くの学習者がひっかかりやすいポイントというのがあります。

発音にはじまり、動詞や冠詞類の変化など、ドイツ語特有のつまづきポイントについて、ごく簡単に仕組みを解説したいと思います。

今回は、混同しやすい人称代名詞と所有冠詞についてまとめます。

 

ihrが難しい

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ドイツ語の人称代名詞は、英語より少し多くて、9種類あります。

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I=ich, you=du, he=er, she=sieとだいたい同じように対応していますが、何が違うのかというと、二人称が複数に分かれるという点です。要は、英語でyouにあたるのが、du, ihr, Sieと3種類に分かれるのです。

教員と学生、初めて会う人同士の場合などは、一般的にSieが使われます。単数複数とも同じSieで、英語のIのように、常に大文字で書かれます。友達同士や仲間内、家族などで使われるのが、duです。duで呼ぶ対象が複数ならihrを使います。君と君たちとが違う人称代名詞になるわけです。*1

また、英語で私は:I、私に:meと形が変わるのと同様、ドイツ語にも4種類の格変化があります。

以前の記事にも書いたように、1格:〜は、2格:〜の、3格:〜に、4格:〜をといった具合に、日本語の助詞にだいたい相等しています。(しかし100パーセント対応しているかというとそうではないので、そのことについてはあとで別の記事に書きます)

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先ほどの表にあげた、人称代名詞はこのように文の中での役割に応じて形が変わります(格変化)。✴︎人称代名詞の2格は現代ドイツ語ではあまり使いません。

学生たちには、まずこの9種類の人称代名詞を覚えてもらうわけですが、やはり英語と対応していない部分が覚えにくいようです。パートナー練習でよく使うduはともかく、あまりつかわないSieやihrはなかなか覚えられません。

やっかいなことに、ただでさえうろおぼえなihrは、格変化の表を見ると彼女の3格がおなじihrとなるし、彼の3格はihmだし、彼ら・あなたの3格はihnenとなんだかみんな似ているように見えます。

 

所有冠詞も加わるとさらに紛らわしくなる!

以前「〜の」についての記事でとりあげた、所有冠詞ですが、こちらも人称代名詞と似ていて紛らわしいです。

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まずこれが基本の形です。私のはmein、君のはdeinということです。

やっかいなことにまたihrが出てきています。つまり、彼女の、彼らの、あなた・あなたたちのがみなihr (Ihr)となるわけです。

そして、この所有冠詞の後ろには、名詞の性・数・格に応じて語尾がくっつきます。

つまり、

Das ist mein Vater. この人が私の父です。(男性名詞1格)

Das ist meine Mutter. この人が私の母です。(女性名詞1格)

Ich schenke meinem Vater ein Buch. 私は父に一冊の本を贈ります。(男性3格)

Ich kaufe meinen Kindern dieses Spielzeug. 私は子供たちにこのおもちゃを買う。(複数形3格)

おなじ「わたしの」という所有冠詞ですが、後ろに来る名詞の性や格で少し形が異なっているのがわかるでしょうか。

所有冠詞には、どの種類でも決まった語尾がくっつきます。一つのものや不特定なものに付く、不定冠詞einと同じような語尾変化です。

たとえば、彼女のまたは彼らの「ihr」の場合はこのように変化します。

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わかりやすくするために、Computerコンピュータ, Tascheカバン, Buch本, Kinder子供たちと具体的な名詞も含めた形にしています。

この表を見ると、ihren Computerのような語が、先ほど出てきた人称代名詞のihnenにも似ているように見えてこないでしょうか。というより、これだけ似たようなものばかり表で並べていくと、違いを見つける方が難しいのではないかと思えてきます。

 

見分け方を整理しよう

1)語尾がついている、語尾がなくても後ろに名詞が続いているのは所有冠詞

Ich helfe ihren Eltern. 私は彼女の両親を手伝う。(複数3格)

Ihr Mann arbeitet in der Fabrik. 彼女の夫は工場で働いている。(所有冠詞男性1格)

 

2)語尾がない場合=君たちのihr, 彼女・彼らの3格ihr あるいは所有冠詞ihr男性名詞1格、中性名詞1・4格の場合

Wo seid ihr? ふたりとも、どこにいるの? (人称代名詞ihr1格)

(『アイガー北壁』で行方不明になった登山家二人を探す、ヨハンナ・ヴォカレクのセリフです)

人称代名詞の種類を区別するには、動詞の形や前置詞の格支配で見分けることができます。

Lernt ihr Deutsch? 君たちはドイツ語を勉強しているの?(人称代名詞ihr1格)

Er geht heute zu ihr. 彼は今日、彼女のところへ行く。(人称代名詞sie3格)

Ich fahre mit ihnen nach Kobe. 私は彼らとともに神戸へ行く。(人称代名詞複数のsie3格)

 

3)わかりにくい場合

Ihr Kopf tut ihr weh. 彼女は頭がいたい。

この場合は2回ihrが出てきますが、Ihr Kopf彼女の頭:こちらは男性名詞1格の所有冠詞です。また、tut ihr weh彼女にとって痛い:こちらは人称代名詞3格です。

パッと見ただけではよくわかりませんが、人(3格)weh tunで〜に痛い思いをさせる、という表現を辞書で探せばわかるでしょうか。

 

結論 

なんだか覚えにくくてめんどうな人称代名詞と所有冠詞について、見分け方などを提案してみましたが、どうもあまりわかりやすくなったような気がしません。しかし、結論として言えることは、まずは人称代名詞の9種類をしっかり理解しておくこと。そして所有冠詞や、人称代名詞3、4格については、この記事にまとめたように、表を活用して同じ形になるのはどのような場合なのかを押さえておくことが必要です。また、最後にあげた例文のように、辞書の用例をよく見ておくことももちろん大切ですね。

 

 

 

 

 

 

*1:フランス語のように、三人称複数の場合は男性・女性の区別はありません

ナイキズームフライのレビュー

フルマラソンの季節になりました

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通勤に使っている香櫨園駅。夙川沿いも紅葉の季節です。

 

この週末は、神戸マラソンおよび東神戸マラソンが開催されました。また、今週の23日には、関西の人気レース、福知山マラソンがあります。これから3月くらいまで、フルマラソンを走りやすい季節なので、各地で大会が開かれます。

私は、この時期が校務や学会など、年間でいちばん忙しいので、数年前からまったく大会にエントリーしないことにしています。1月ごろまで仕事に専念して、2月から4月までに、3回くらいフルマラソンを走る予定です。

 

アディゼロジャパン以外の選択肢は?

昨年の飛騨高山ウルトラマラソン(71km)から、すごく気に入って履いているのが、アディゼロジャパンブースト3です。色違いで今年の初めにも一足買い足しています。二足とも、ウルトラマラソンやフルマラソンだけでなく、日頃の練習にも履いているので、だいぶ磨耗してしまい、アウトソールを補修して使っています。

補修剤を耗りやすい、前足部外側にたっぷりつけて修理しましたが、いまのところ特に違和感なく履いています。しかし、古い方のアディゼロジャパンは、ここ最近、アッパーの小指部分がほつれてきています。やや幅の狭いシューズなので、私の出っ張った小指とあたってしまっているようです。穴があくまで履き続けるつもりですが、ちょっと走りにくくなりそうで心配です。

アディゼロジャパンブースト3は、ウルトラマラソンを走っても足指を傷めることがほとんどないので気に入っていますが、他のシューズを買い足してもいいかなと最近思うようになりました。

 

ナイキのシューズが革新的っぽい

国内メーカー各社は、だいたい秋のフルマラソンの時期に合わせて、モデルチェンジした新作を発表します。近年は、アシックスの神戸マラソン、ミズノの大阪マラソンのように、大メーカーが協賛する大会が多いので、大会向けの記念モデルなどもあります。

しかし、アディダスは昨年に続き、この秋もモデルチェンジはなく、アディゼロジャパンシリーズやアディゼロタクミシリーズなどの新色発表のみでした。

またアディゼロジャパンでもいいのですが、せっかくなので他のメーカーもチェックしてみたところ、ナイキの新作シューズがかなり評価が高いことがわかりました。

mg.runtrip.jp

ナイキというとエアマックスのイメージで、あまりマラソン用シューズは評価されていないのではと思っていたので、ジョギングを始めて10年になるのに、まだ履いたことがありませんでした。しかし、これまで履いていた国内メーカーのシューズより、アディダスの方が足指に合うとわかったので、それならナイキでもいいのではと試してみることにしました。

ズームフライあるいはエアズームエリート9あたりがよさそうかなとあたりをつけて、ショップに行ってみました。

store.nike.com

 

神戸で試着を試みるが、別のモデルでもサイズがない

先週の土曜日に、神戸に行きいくつかのショップをのぞきました。ちょうど、神戸マラソン前日ということで、受付を済ませた参加者の方々がたくさんショップにもきていました。飛騨高山ウルトラの時も書きましたが、やはり今回も、前日からウエアを着込んで、街中を走り回っている人がいました。マラソン始まってから走ればいいのに、と思いましたが、気持ちが盛り上がっているのでしょう。

神戸のショップでは、ナイキのエアズームエリート9を試着しました。このシューズも、3時間半から4時間くらいを目指すランナー向けということで、気になっていました。日頃履いている28cmがなく、27.5cmを履いてみましたが、アッパーがやわらかく、このサイズでも履けないことはないかなという感触でした。*1

お店が混んでいたので、ズームフライの試着はあきらめ(在庫もなさそうだった)、帰宅後にネットを調べました。どうもズームフライは店頭では手に入りにくくなっているようでした。ネットにはまだ在庫があったので、せっかくだし、と注文することにしました。試着なしでちょっと心配でしたが、あっというまに商品が届きました。

 

かかとが厚い。アッパーが緩いように感じる

届いたシューズをさっそく取り出して、履いてみました。まず驚いたのは、履いた時の高さです。ジョギングシューズとしては異例の厚底のため、シューズを履くと視点がちょっとかわりました。

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このシューズのはんぺんか杏仁豆腐のような白いクッションですが、思ったよりかたくて、歩くときなど、かかとから着地すると、フニャッと沈み込むのではなく、力が前の方へ逃げて、自然と重心が前の方に移動するように感じました。つまり、かかとが厚いことで、足が前へと楽に傾いて、前へ進みやすくなるようにしてあるのだとわかりました。

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また、最近のナイキのシューズで心配していたのがアッパーの薄さと柔らかさでした。他のメーカーのシューズのように、つま先に補強は入っていないし、サイドのサポートもほとんどないように見えます。これじゃ、足指がぐにゃぐにゃ動き回ってしまうのではと心配していました。しかし、履いてシューレースをぎゅっと締めると思った以上にフィットして安定しました。

 

やたら疲れる いや違う、速く走ってるんだ。

今日は神戸大の授業がなかったので、午前中に1時間ほど走ってみました。

先ほど書いたような、特殊なソール形状のために、すいっすいっと足が前に出る感じがしました。とりあえずいつもと同じように、1km6分30秒くらいのゆっくりペースで走ろうと、すたすた走り出してみました。5分くらいすぎて、なんかやたらと疲れるように感じました。まだ1kmくらいしか走っていないのにどうしてだろう?と違和感を覚えました。しばらく同じペースで走りながら、時計を見ると、普段の練習よりずっと早いペースで走っていたことがわかりました。気づかずにスピードを出していたから、やたらとつかれたわけです。

ゆっくりゆっくりと気をつけていないと、いつもより足が速く動いてしまいます。これは明らかにこのシューズの効果でしょう。足が前に出やすくなりました。

 

足指は無事なのか?

シューズ選びでいちばん気にしているのが、足指や足裏への影響です。基本的にどのシューズを履いても、同じようなタイムでフルマラソンを走れる自信はあります。しかし、シューズでいちばん差がでるのが、足指や足裏への影響です。どうしても合わないシューズを履くと、足裏に水ぶくれができたり、爪を痛めたりしてしまいます。

ナイキズームフライは、アッパーが一枚の布でできていて、それを靴紐と連動したワイヤーで締め付けるという仕組みです。非常に単純な作りのように見えるので、ちょっと不安でしたが、思いの外しっくりきて、走っていても足指の動きは気になりませんでした。しかし、足裏や足指に影響が出てくるのは、最低でも20kmくらい走ってからなので、もう少し長い距離で練習しないと何とも言えませんね。

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家の近所を8km走りましたが、とくに不安感はなく、ちょうどよくフィットしている様子でした。

 

総評

見た目よりもずっと履きやすいシューズです。

このシューズの元になったモデルが、フルマラソン2時間切りを目指した、ズームヴェイパーフライ4%です。このシューズはさすがにかなり速いランナーが履くものなのでしょうが、今回試したズームフライは、私のように4時間前後のレベルでも、あるいはもっと初心者でも、特に問題なく履けるのではないかと思います。

*1:足のサイズは大きいけど、身長は170cmくらいです。栃木での高校時代には靴がなかなか買えなくて困りました。